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東京で飲食店開業するなら知っておきたいエリアと立地の基礎知識 ~郊外編~

東京で飲食店開業するなら知っておきたいエリアと立地の基礎知識 ~郊外編~

「立地が7割」と言われる通り、飲食店が成功するためのカギを握っているのが立地条件。しかし、立地の良し悪しを一律に判断することは難しい。
なぜなら、立地条件の良し悪しは、出店する店舗の業態やコンセプト、ターゲット顧客などによって変わってくるからです。
これは、たとえ人気の高い一等地の物件を取得できたからといってもそこでの成功を約束された訳ではなく、自店にマッチしていなければ宝の持ち腐れになることを意味しています。逆にいえば、二等地や三等地といわれる場所でも勝算は大いにあるということです。

そこで今回は、あえて都心から離れた郊外に焦点をあて、飲食店を出店するメリット・デメリット、あわせて東京都内で郊外とされるエリアの情報について詳しく解説していきます。

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「郊外」とは

「郊外」とは、都市部に隣接した地域のことをいい、一般的には「都心へのアクセスが良好な住宅地(≒ベッドタウン)」を指しています。
ただし、どこまでが都心でどこからが郊外なのかという明確な定義はなく、広範囲にわたり解釈されています。

ビジネス街に飲食店を出店するメリット・デメリット

郊外にある物件は、都心の物件と比較してどのような違いがあるのか。皆さんが真っ先に思い浮かぶのは、「人通りが少なく、閑散としている」といったマイナスイメージかもしれません。しかし、実際は郊外だからこその魅力がたくさんあります。

飲食店を出店する際にはエリアの特性を把握しておくことが大切。ここからはビジネス街に飲食店を出店するメリット、デメリットの両面からみていきます。

メリット

賃料や坪単価が低い

郊外の物件は、なんといっても賃料が安いということが大きなメリット。物件によっては、保証金や礼金なども低く設定されているため、開業時の初期費用を大幅に抑えられることができます。
初期費用で節約できた分は営業時の運転資金にまわすことができるため、低予算で飲食店を開業したい方にとって魅力的なポイントです。

物件が取得しやすい

一等地とされる都心の人気物件では、スピード感を求められるほか、申込みが殺到することで競争が激しく、審査が厳しくなることがよくあります。
中には、経営実績の多い法人を優先する物件オーナーも存在し、新規開業者や実績の少ない個人経営者は、後回しにされてなかなか物件の取得ができないといったケースを耳にします。
その点、競争率が少ない郊外の物件では、ある程度ゆとりを持って吟味することができ、条件交渉が可能だったり融資通過までの期間を待ってくれたりと、新規開業者の方にとって良心的であるといえます。

競合店が少ない

一定の範囲に飲食店が密集する都心に対し、店舗数が少なく点在しているのが郊外の特徴。自店舗の近隣に店舗が少ないということは、オープン後の集客にあたって地域内での話題となりやすく集客しやすいといえます。同時に、競合との顧客獲得競争も緩やかであるため、一度来店した顧客に気に入ってもらうことができれば、他に行く宛てがないため、常連の顧客にできます。

その他、店舗の間隔が広いことにより、騒音や異臭、ゴミ出しなどでの近隣トラブルが起こりにくいことも一つのメリットとして挙げられます。

幅広い客層を狙える

郊外は、基本的にファミリー層が多く暮らす住宅地であり、小さい子どもからお年寄りまで幅広い年齢層が居住するエリア。そのため、オフィス街や学生街のように時間帯や曜日に縛られず、幅広い客層をターゲットにできます。

デメリット

人の往来が少なく、人口密度が低い

都心のように人の往来が絶えず決まって人が多く集まる場所ではないため、人口密度は一定で低く、繁華街にある飲食店のように一見客を取り込みやすい環境とはいえません。その分、いかにして常連客を多くつくり、地域に親しまれる店舗となるのかが重要です。

エリアの認知度が低く、お店のプロモーションが図りにくい

前述の通り、都心から離れ人の往来が少ない場所柄、エリアの認知度が低い傾向にあるのもデメリットの一つ。エリアの認知度が低いということは、グルメ検索の対象範囲に入りずらく、店側が広告や宣伝を打ち出しても見てもらえない可能性があることを示唆しています。

インターネットやSNSにて広告・宣伝活動を行う際には、自店舗の公式アカウントで店舗情報を発信するだけでなく、来店した顧客を巻き込みSNSでの拡散や口コミを投稿してもらえるよう積極的に活動しましょう。「1ドリンクサービス」や「5%割引」といった顧客にとっての特典を提示することは有効といえます。

郊外で物件を探す際のポイント

【1】コンセプトの明確化

いざ飲食店を開業するとなった時に、最初に取り組むのがコンセプト設計。コンセプトが定まっていなければ、店舗の軸となる条件がぶれて物件探しに苦戦したり、立地とのミスマッチを引き起こしたりする可能性が高くあります。
特に、都市部より離れた場所に位置する郊外は、人が集まりにくいエリア。だからこそ、お店の個性やオリジナリティを決めるコンセプトを確立し、”そこでしか味わえない料理やロケーション、または体験”を考える必要があります。そうすることで、都心にはない魅力と希少性をもたらし、遠方であってもそこに訪れる目的をつくることができるのです。つまり、デメリットをメリットに転換できるということです。

コンセプトの考え方については、
こちらの記事をご覧ください!

【2】エリアを限定せず、広範囲で探す

郊外といっても、ニューファミリーが多く住んでいる新興住宅地もあれば、高齢者層の多い既存住宅地もあり、特徴はさまざま。ゆかりのない土地で集客できるかどうかは判断しずらいからこそ、初めからエリアを限定するのではなく、アクセス範囲や住民のタイプ、昼夜の人口密度などを事前にリサーチし、類似する複数のエリアを挙げて見極めていくことが大切です。気になるエリアがある場合は、積極的に現地を訪れ、自分の目で確かめることを心掛けましょう。

【3】再開発エリアに注目

郊外の中でも人気のあるエリアでは、賃料が安くないと感じる物件も存在します。もしも、これから人気となるエリアを見つけることができたら、後の地価が高騰しても大きなメリットを享受できます。そこで注目しておきたいのが、「街の再開発」。

昨今、住みたい街ランキングの常連として、ファミリー層を中心に人気を集めている「武蔵小杉」も、10年程前までは何もない街だったことを思い出してほしい。
そんな武蔵小杉駅周辺は、横須賀線の開通やタワーマンションの建設など大規模な再開発によって飛躍的に成長し、今では人気の新興住宅地兼商業地へと様変わり。商店街には多くの人が行き交い、飲食店も生活の一部として賑わいをみせています。

このように、再開発によって街が大きく成長することは、飲食店の集客状況にも大きく影響を与えていきます。同時に、人気の飲食店や大手チェーン店の動向をリサーチすることも大切。市場価値の高い街や将来性の高い街を徹底的に分析する彼らは、ご自身がエリアを見極める上での物差しになってくれるといえます。

東京の郊外エリア情報

注目を集める人気エリア

吉祥寺

東京23区外の郊外に位置しながらも、「住みたい街ランキング」の常連として都心に劣らない都会感をもつ吉祥寺。駅周辺には大型商業施設が密集し、ファッションやグルメ、自然にも恵まれ、住民だけでなく遠方からの来訪者も多いエリア。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
JR 14万1849人
京王電鉄 14万6901人

店舗賃料相場(2021年度)】:平均坪単価 28,665円
【飲食店舗数(2021年度 ※武蔵野市)】:1,205店舗
【主要スポット】:パルコ、マルイ、吉祥寺サンロード商店街、井の頭恩賜公園、ハモニカ横丁
【飲食店の特色】:駅周辺だけでなく、広範囲にわたってカフェやレストラン等業態を問わず人気の飲食店が多数。赤提灯が灯るハモニカ横丁は飲み歩きスポットとして名高く、大衆的な居酒屋だけでなくオシャレな居酒屋も多く立ち並び、若者の支持も集めている。

吉祥寺(武蔵野市)の詳しい街情報はこちら ☜

川口

東京都北区に隣接し、2020年より3年連続で「本当に住みやすい街大賞」TOP3にランクインするほど居住地として人気の高い川口。駅周辺には、大型商業施設が揃い生活利便性が高いほか、西口にはリリアパークと荒川運動公園があり自然豊か。さらに、2023年には地上29階の複合タワーマンションが完成予定、2022年からは東口エリアにオープンスペースや防災設備を含めたミクストユース型再開発事業が着工予定と、今後更なる発展が見込まれているベッドタウン。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
JR 8万4197人

店舗賃料相場(2021年度)】:平均坪単価 19,871円
【飲食店舗数(2021年度 ※埼玉県川口市)】:2,016店舗
【主要スポット】:アリオ川口、川口キュポ・ラ、川口西公園(リリアパーク)
【飲食店の特色】:埼玉県内でも随一のラーメン激戦区。商業施設には数多くの大手チェーンが出店するほか、ファミリー層がメインの住宅地として食べ放題の飲食店も人気となっている。

川口(埼玉県川口市)の詳しい街情報はこちら ☜

意外と知られていないABC店舗おすすめエリア

本厚木

神奈川県の中央に位置する郊外だが、都心へのアクセスと居住環境が良好で、相場家賃も安いことから「借りて住みたい街ランキング2021」では堂々の1位を飾り、人気急上昇中となっている本厚木。南口・北口ともに再開発が進行しており、駅周辺には商業施設や飲食店が集結。自然も多く子育て支援が手厚い為、ファミリー層からの支持が高いベッドタウン。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
小田急電鉄 9万7984人

店舗賃料相場(2021年度)】:平均坪単価 18,352円
【飲食店舗数(2021年度 ※神奈川県厚木市)】:935店舗
【主要スポット】:本厚木ミロード、厚木ガーデンシティ、七沢森林公園
【飲食店の特色】:駅周辺のほか、”厚木市最大の繁華街”と言われる「厚木一番街」には、多種多様な飲食店が多く軒を連ねる。中でも、ホルモン焼きを代表とするB級グルメにおいては、有名店が勢揃い。年間を通じて開催されるイベントにも引っ張りだことなっている。

本厚木(神奈川県厚木市)の詳しい街情報はこちら ☜

八王子

東京西部の郊外に位置し、4路線が乗り入れるターミナル駅として都心へのアクセスが良好な八王子。駅周辺には大型商業施設が建ち並び、飲食店やスーパーが充実。その他、大学や短大等の教育機関が多く自然豊かな街並みとなっており、ファミリー層に限らず若者からお年寄りまで幅広い年齢層が住むエリア。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
JR 8万3565人
京王電鉄 5万8124人

店舗賃料相場(2021年度)】:平均坪単価 14,244円
【飲食店舗数(2021年度 ※八王子市)】:2,056店舗
【主要スポット】:セレオ八王子、東急スクエア、八王子ユーロード
【飲食店の特色】:ご当地グルメとなっている「八王子ラーメン」が有名だが、実はマニアが注目するカレーの激戦区でもある八王子。学生向けの定食屋や食堂、地元民が通う居酒屋など、リーズナブルな飲食店が多いのも特徴的。

八王子(八王子市)の詳しい街情報はこちら ☜

千葉

首都圏の政令都市に指定されている千葉市の中心部であり、都心へのアクセスも良好な千葉駅。2018年には53年ぶりにリニューアルとなり駅ビルや駅ナカが商業化、現在も新たな再開発プロジェクトが進行中である。また、市外からの通勤人口は15万人超・昼夜間人口比率は97.9%と千葉県経済の中枢を担い、「借りて住みたい街ランキング2021」では6位、「買って住みたい街ランキング2021」では13位と大幅に順位を上げて移転者が急上昇しているエリア。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
JR 10万7829人

店舗賃料相場(2021年度)】:平均坪単価 16,346円
【飲食店舗数(2021年度 ※千葉県千葉市)】:3,057店舗
【主要スポット】:そごう、ペリエ千葉、千葉市科学館、千葉ポートタワー
【飲食店の特色】:駅周辺一帯には、女性に人気のカフェやビジネスマンが通う居酒屋など多種多様な飲食店が立ち並び、昼夜問わず買い物客とビジネスマンで賑わう。駅から徒歩10分に位置する「千葉銀座商店街」でも、26の飲食店が連なり年間を通じてイベントが開催されている。

千葉(千葉県千葉市)の詳しい街情報はこちら ☜

郊外の居抜き物件


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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