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ラーメン店経営を考えるなら!「自家製麺」「仕入れ麺」のメリット・デメリット

ラーメン店経営を考えるなら!「自家製麺」「仕入れ麺」のメリット・デメリット

ラーメン店の経営を考えている方で、麺を自家製麺にするか仕入れ麺にするか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
自分のお店を持つとなると、細部まで決めることがたくさんあって大変ですよね。
手間はかかるけれどこだわった自家製麺が良いのか、作業を効率化するためにも仕入れ麺がいいのか、悩みどころです。

今回の記事では、自家製麺と仕入れ麺の特徴やメリット・デメリットについて解説していきたいと思います。
ラーメン店の開業を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

「自家製麺」と「仕入れ麺」とは

まずは、「自家製麺」と「仕入れ麺」の違いについて解説します。

<自家製麺と仕入れ麺の違い>
「自家製麺」とは
自家製麺とは、自分で製造した麺のこと。
手打ちを想像される方が多いかもしれませんが、製麺機で製麺するのが一般的です。

「仕入れ麺」とは
仕入れ麺とは、製麺会社が製造した麺を指しています。
仕入れ麺の中でも2通りに分かれているので、それについても解説します。

仕入れ麺(1)製麺会社から既製品を購入
仕入れ麺で一般的なのがこの製麺会社から既製品を購入するという方法。手間がかからず仕入れのコストを抑えられるのが特徴です。

仕入れ麺(2)製麺会社にオリジナル麺を依頼し購入
最近増えているのがこのオリジナル麺を依頼するという方法です。
ラーメン店が製麺会社に要望を伝え、それに沿ったオリジナル麺を作るので、既製品の購入よりもこだわった麺にすることができます。

「自家製麺」と「仕入れ麺」のメリット、デメリット

ここでは、自家製麺と仕入れ麺の特徴をよりわかりやすくするために、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。どちらがご自身の求める麺なのか、比較しながら見ていきましょう。

「自家製麺」のメリット

まず、自家製麺のメリットについて解説していきます。

<「自家製麺」のメリット>
納得がいく麺が作れる

自分で材料を選んで作るので、材料にも仕上がりにもこだわることができます。
店のこだわりをアピールしやすい
「自家製麺を使用しています」と言うことによって、お店のラーメンのこだわりをお客さんにアピールすることができます。
生麺の販売も可能
自家製麺を作っている場合、家でラーメンを食べたい方やお土産として麺を買っていきたい方に向けて生麺を販売することができます。
期間限定など商品開発がしやすい
期間限定などの新メニューを開発する際に、自家製麺であれば味や材料に合わせて自分で調整することが可能です。
仕入れ麺よりコストを抑えられる
既製品だと決まった値段がかかりますが、自家製麺の場合は材料費が主な経費となるので、一般的には既製品よりもコストを抑えることができます。

「自家製麺」のデメリット

自家製麺のデメリットについて解説してきます。

<「自家製麺」のデメリット>
導入コストがかかる

自家製麺を作るには、製麺機を使用するのが一般的です。この製麺機への初期投資費用、毎月のリース費用、メンテナンス費用などのコストは欠かせません。
人件費や時間がかかる
既製品の仕入れ麺と違い、自家製麺は作る手間と時間がかかります。よって、その分の人件費も余分に発生することを留意しましょう。
置く場所などスペースが必要になる
製麺機を導入すると、それを置くためのスペースが必要になります。よって、店内が狭い場合は場所の確保が難しいですし、製麺機を置く分広い店舗を借りようとするとその分賃料が高くなってしまいます。
知識がないと理想的な麺を作るのは難しい
自家製麺で麺にこだわるといっても、素人が一から麺を作るとなると、一朝一夕では理想的な麺を作ることはできません。相応の期間と努力が必要となるでしょう。

「仕入れ麺」のメリット

仕入れ麺のメリットについて解説していきます。

<「仕入れ麺の」のメリット>
製麺にかける時間が浮くので、スープ作りなど違うところに注力できる
製麺にかける手間と時間を省き、その時間で麺以外に工夫を凝らすことができます。
製麺が難しい麺も簡単に手に入る
自分で製麺するのが難しい麺でも、しっかりとした設備のある製麺会社なら製造できる場合があり、製麺が難しい麺でも容易に手に入ります。
こだわりを反映したオリジナルの麺を製麺してくれる製麺所もある
最近では、ラーメン店の希望に沿ったオリジナルの麺を製造してくれる製麺所もあります。こだわりやオリジナリティを持ちつつ製麺の手間と時間を省くことができます。

「仕入れ麺」のデメリット

仕入れ麺のデメリットについて解説していきます。

<「仕入れ麺の」のデメリット>
自家製麺よりコストがかかる

既製品の購入になるので、製麺する手間がなくなるのと引き換えにコストがかかります。
自分の理想な麺に出会えるとは限らない
麺にこだわりたい場合、自分の理想の麺を探し出すことができないかもしれません。オリジナルの麺を製造してもらう方法をとったとしても、材料から作り方まですべて指定できるわけではないので、完全に理想通りの麺に仕上げるのは難しいかもしれません。
保存の状態を保つのが難しい
既製品の購入になるため、一気に大量の注文をすることが必要になります。そのため、売り上げに関係なく返品はできず、残った麺は状態を維持するのが難しいでしょう。
麺のオリジナリティを出すのが難しい
既製品を使うとなると、同じ麺を購入しているラーメン店が数多くあるということになります。麺でオリジナリティを出すのが難しくなります。
添加物を使っている可能性もある
大量生産されている既製品なので、添加物を使っている可能性があります。

自家製麺はコスト削減メリットがあるのか具体的な数字で見る

自家製麺のコスト削減メリットについて、自家製麺と仕入れ麺のコスト比較をして解説してきます。

<自家製麺と仕入れ麺のコスト比較>
平均的な麺1玉(100g〜130g)の原材料費
自家製麺は18円、仕入れ麺は50円です。よって、自家製麺の方が麺1玉32円お得です。
仕入先への支払い(25日間営業した場合)
自家製麺は36,000円、仕入れ麺は100,000円です。自家製麺の方が圧倒的に少ない支払いで済みます。
製麺機のリース料
製麺機のリース料は、月々35,700円(リッチメンI型6年リース料率1.7%の場合のリース料を参考にした値段)です。仕入れ麺の場合はかかりません。
1ヵ月あたりにかかる合計コスト
原材料費や仕入れ先への支払い、製麺機のリース料などの合計を比較します。一日100食で計算して、自家製麺の場合が80,700円、仕入れ麺の場合が125,000円となります。

※原材料費やリース料は変動します。

結論として、自家製麺のほうがコストを抑えることができます。
開店資金に余裕があるのならば、自家製麺を導入したほうがお得です。
次の章では、気になる製麺機の値段について紹介します。

製麺機の気になる値段?

小・中規模の店でも開店時に導入可能な製麺機について、費用がどれくらい必要なのか、またリース契約などの金額も知っておくと必要な経費もわかります。以下で詳しく紹介しましょう。

卓上タイプの業務用製麺機

卓上タイプの業務用製麺機は、従来の製麺機と比べて非常に小型で軽量なのが特徴的。
小型なので作業台の上に手軽に設置できるほか、軽量なため持ち運びや移動も容易に行えます
狭いスペースでも利用でき、値段も従来の製麺機より安くなっています。
販売価格は1台約25万円~約90万円程度。
リース契約する場合は、1か月1万円程度で利用できます。

小・中規模店舗用製麺機

小・中規模店舗用製麺機は、卓上製麺機と違って大型で重さも相当なもの。
製麺機を置くためのスペース確保や導入〜設置までの労力が必要になります。
本体価格は、1台約100万円~約200万円と高価格。
リースする場合は、1か月3~4万円程度で利用することができます。

自家製麺のこだわりポイント

仕入れ面ではなく自家製麺を選ぶ人は、きっと麺に対するこだわりが強い人でしょう。
ですが、実際に自分のお店で自家製面を作ろうと思っているなら、「こだわるべきポイント」があることを知っていますか?
ここではそのポイントについて解説します。

麺の太さ

まずは麺の太さに着目しましょう。あっさりやこってりなどラーメンはスープの種類によって合わせやすい麺の太さがあるのをご存知ですか?
細麺は、あっさり醤油ラーメンやとんこつラーメンに使われることが多く、スープに馴染みやすいという特性があります。
家系や二郎系と言われる、非常にこってりとした味の濃いスープが特徴のラーメンでは、もっちりとした食感を味わえる中太麺や太麺が使用されます。

上で紹介した太さはあくまで目安です。ご自身で作るラーメンに合わせた麺の太さに着目し、納得のいくまで製麺にこだわってみてください。

麺の形状

また、自分のラーメンのスープにあった麺の形状を見つけるのも重要なポイント。
麺の形状においても、ラーメンの種類によって合うといわれるものがあるのです。

ここでは代表的な2タイプの麺をご紹介しましょう。
一般的なストレート麺は、どのようなスープでも相性が良く、スタンダードな麺と言われています。
それに対し、ストレート麺よりもスープと絡みやすいといわれているのが、波上のウェーブをしている縮れ麺。

自分の作るスープにはどの形状の麺が合うかをしっかりと試して見極めましょう。

小麦粉や水分の配合

ラーメンのスープに合わせた麺も大事ですが、麺自体の小麦粉や水分の配合にもこだわれば、あなたの店だけの特徴が出せます。
様々な種類がある麺ですが、その中の一つに「低加水麺」というものがあります。こちらは小麦粉の味を感じられるようにするために、加水率を抑えて作られています。
また、焙煎麦芽など原材料にこだわる店もあれば、ミトコンドリアなど他店にないものでオリジナリティを出す店も存在しています。

このように独自のものにこだわることで他の店にはない、新しいラーメンを作り出せることも覚えておいてください。

自家製麺、仕入れ麺どちらにするか決定ポイント

自家製麺にするか仕入れ麺にするかというのは非常に迷いどころです。
そこで、自家製麺にするのがいいのか仕入れ麺にするのがいいのかを決定するためのポイントを解説します。
以下のポイントをおさえたうえで、自分のお店の麺を決定しましょう。

店舗の売りをどこにするか

出店前に確認しておくべきポイントの一つめが「店舗の売り」を決めることです。
麺かスープか具材のどれを「売り」にするのかによって、麺に求められるクオリティーが変わってきます。
スープや具材を売りにする場合であれば、スープや具材に手間をかけて、仕入れ麺を購入することで製麺の手間を省くというのも一つの手でしょう。
麺を売りにしたいということであれば、自家製麺にして麺の形状や小麦粉・水の配分などにこだわった製麺をすることが良いでしょう。

コストはどこまでかけられるのか

麺にこだわるとしても、開店資金や運営資金などコストを計算して、麺にいくらまでかけられるかをしっかりと計算する必要があります。
自家製麺にして製麺のための人件費や製麺機にコストをかけるのか、仕入れ麺にしてスープや具材の原価、またはスープをこだわって作るための人件費にコストをかけるのかなどと、何にどこまでコストをかけるかをしっかりと考えて決めましょう。
こだわりがあるのは良いことですが、お店を経営し続けるためには売り上げを出す必要があります。
売上とこだわりのバランスをとった経営を行ってください。

流行やアレルギーなど対応した麺を作成するか

流行やアレルギー対策を行うのならば、自社で管理ができる自家製麺にするか、アレルギー対策をしっかり行っている製麺所を探しましょう。
流行はその時々で変わりますし、身体に配慮した麺を使いたい場合は、自家製麺にした方がベター。
自家製麺であれば、流行に合わせて麺の太さや形状、調合をすぐに変えることができますし、アレルギー対策も簡単にできます。

オリジナル自家製麺を製麺してもらい仕入れるという手も

資金が乏しい場合は、小ロットでオリジナル自家製麺を作成してくれる製麺所や自家製麺代行サービスを活用し、軌道に乗ってきたら完全自家製麺に変更することも可能です。
また小ロットであれば、品質保持が困難だという問題に悩まされることもありません。
最初のうちは既成麺を使用し、売上が安定して資金がたまってきたら自家製麺に移行するという方法も視野に入れてみてはどうでしょうか。

まとめ

ラーメン店を開業するために知っておきたい自家製麺と仕入れ麺の特徴をはじめ、メリット・デメリットなどを詳しく解説しました。
自分でラーメン店を経営し始めるとなると、スープや具材や麺など、さまざまなものにこだわりたいですよね。
いろいろなものにこだわるのも大事ですが、最初のうちは自分の資金がどれくらいあるのか、何にどのくらいまでコストをかけることができるのかなど、しっかりと考えて決めてみてください。


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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