第五章
飲食店開業に必要な諸手続きとは
保健所への申請

食中毒などのトラブルを予防し、お客様に快適な時間を過ごしていただくため、飲食店は常に衛生管理が行き届いていなければいけません。保健所では、様々な制度によって、飲食店の衛生を保つための取り組みをしています。飲食店をこれから開業するという場合、保健所には2つの許可申請が必要になってきます。1つは「食品衛生責任者の資格」取得、もう一つは「食品関係営業許可申請」です。このいずれかが抜けていても営業をスタートすることができないので、開業前に忘れずに済ませるようにしましょう!

 

食品衛生責任者とは、飲食店が衛生的な管理運営を行うための責任者のこと。各店舗ごとに1名ずつ置くように義務付けられています。食品衛生責任者の資格を取得するには、公衆衛生学1時間、衛生法規2時間、食品衛生学3時間の計6時間の養成講習会を受講する必要があります。講習会の場所・スケジュールは所管の保健所に問い合わせましょう。ただし、栄養士、調理師、製菓衛生師などの資格保有者は、講習会を受けずとも食品衛生責任者になることができます。すべての科目を受講すると、食品衛生責任者の手帳(受講修了証)が発行されるので、大事に保管しておきましょう。全国標準化により、平成9年4月1日以降の修了証は国内どこでも有効となっています。

 

飲食店の営業を行うには、所管する保健所に営業許可申請を行い、自治体が定めた基準を満たした施設をつくり、営業許可を受ける必要があります。許可申請にはいくつかのステップがあるため、順に見ていきましょう。

1.事前相談

まずは内外装工事の着工前に、店づくりの計画が施設基準に合致しているか事前に確認するため、図面等を持参して保健所に相談しましょう。貯水槽使用水(タンク水)や井戸水などをお店で使う場合は、水質検査も必要になります。申請手続きをここでしっかり確認して、必要書類の作成に入りましょう。

2.営業許可申請書類の提出

施設完成予定日の10日ほど前に申請書類を保健所に提出します。

必要書類
・営業許可申請書
・営業設備の大要・配置図(2通)
・許可申請手数料(営業種目や新規/更新の別によって異なる手数料がかかります)
・登記事項証明書(法人の場合のみ)
・水質検査成績書(貯水槽使用水、井戸水使用の場合のみ)
・食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)

3.打ち合わせ

保健所の担当者と相談して検査実施日を決めましょう。開店日までに営業許可証が交付されるよう、日程についてはしっかり打ち合わせておきましょう。

4.施設の確認検査の実施

申請のとおりに施設がつくられているか、施設基準に合致しているかを、保健所の担当者がお店に訪れて確認します。検査には必ず営業者が立ち会いましょう。不適事項が見つかった場合は、改善の上、あらためて再検査を受けることになります。

こんなところがチェックされる!施設基準の一例
:タイルやコンクリートなどの耐水性材料で、排水性がよく、清掃しやすい構造となっているか?
内壁:床から1mまで耐水性で清掃しやすい構造となっているか?
換気:ばい煙、蒸気等の排除設備(換気扇など)は設置されているか?
洗浄設備:従事者専用の流水受槽式手洗い設備と手指の消毒装置は設置されているか?

確認検査で施設基準への合致が確認されると、「営業許可書交付予定日のお知らせ」が交付されます。

5.営業許可書の交付

営業許可書交付予定日になったら、保健所に行って営業許可書の交付を受けましょう。交付の際には以下の2つを忘れず持参しましょう。
・営業許可書交付予定日のお知らせ
・認印

6.営業開始

営業後も、施設・設備の維持管理や食品の取り扱いには十分注意して、安全で衛生的な食品の提供につとめましょう。また、施設に変更を加える場合、廃業する場合などは、改めて保健所への届出が必要になります。