街レポート

人形町(中央区)で居抜きで飲食店を開業するための街情報

人形町(中央区)で居抜きで飲食店を開業するための街情報

東京都中央区にある人形町は、狭い街路にオフィス、飲食店、住居が混在している街並みが印象的な日本橋エリアにある街です。
2000年代に入って再開発が進められている、東京駅前の八重洲・京橋から日本橋、日本橋室町辺りと比較すると、江戸時代から続く老舗店舗などがあり下町情緒がまだ残っている街です。安産や子授けで有名な「水天宮」があり、妊婦さんや家族連れをはじめ多くの観光客が訪れるスポットとして人気があります。そんな人形町の地域情報をご紹介します。

下町情緒が残る、落ち着いたが街並みが魅力の人形町

人形町のからくり時計

人形町は再開発が進む日本橋エリアの中でも高層ビルがほとんどなく、オフィス、商店、飲食店、住居が混在する街です。特に飲食や伝統工芸品はテレビや雑誌でよく取り上げられるような老舗店があります。下町情緒が残る街並みが老若男女を問わず散策コースとして人気です。休日ともなると観光客がたくさん訪れる人気スポットです。
東京駅から2km圏内という東京の中心地にある立地で交通の便が良く、生活もしやすい環境ということもあり最近は居住地としての人気が高まってきています。

人形町の大通り

老舗、スイーツ、伝統品がそろう「甘酒横丁」

甘酒横丁

「東京証券取引所」や「東京商品取引所」、「東京穀物商品取引所」と隣接する人形町は、多くのオフィスがある一方、ビジネスマンや観光客向けの飲食店がたくさんあります。中でも主に甘味・スイーツを売るお店が連なる「甘酒横丁」という通りが有名です。約400メートルの間に老舗店や名店が軒を連ねています。人形焼、せんべい、京菓子、たい焼き、大福といったスイーツをはじめ、いなり寿司、そば、豆腐、焼き鳥、お茶など、下町ならではのラインナップです。

東京三大たい焼きの1つ「柳屋」のたい焼き

たい焼きの名店「柳屋」

甘酒横丁にある「柳屋」は “東京三大鯛焼き”と評されるほど人気のたい焼き屋さんです。創業100年を超える有名店で休日には行列ができますが、並んででも食べる価値がありスイーツ好きにはたまらない美味しさです。パリっと表面が焼かれていて香ばしい香り。薄めの皮で、尻尾までしっかりと粒あんが入っています。しつこくない優しい甘さで上品な味わいが人気の理由の1つです。ちょっとした集まりのお土産にも喜ばれること間違いなしです。

木の道標

職人の技を受け継ぐ「ばち英」や「岩井つづら店」

江戸の伝統美を現代に受け継ぐ職人の店も「甘酒横丁」にはあります。歌舞伎関係者などプロも使っている三味線のバチの名店「ばち英」や、日本昔話に出てくる昔の衣装ケース「つづら」を作る「岩井つづら店」が有名です。

人形町には老舗・有名店の大人グルメが目白押し

人形町には甘酒横丁だけでなく江戸時代から続いているような老舗店や多くの人に愛されている有名店がたくさんあります。
いずれも単に歴史があるから有名ということではなく、地元住民やそこで働くビジネスマンから観光客まで幅広い人々に変わらず愛されている味が大きな特徴です。流行に惑わされない“本物の味”に粋な江戸の心意気を感じる、大人なグルメであることがたくさんの人を魅了しているのかもしれません。

すき焼き、しゃぶしゃぶの老舗「人形町 今半」

今半

「人形町 今半」は、1895年(明治28年)創業以来こだわりの牛肉を提供しているすき焼き、しゃぶしゃぶの老舗店です。コースのお値段は張りますが、最高級の牛肉とおもてなしで人気です。土日で1か月先まで、平日でも2、3週間先まで予約がとれません。店構えを眺めるだけでもテンションが上がります。
ビジネスの接待で使っている様子も見かけますが特別な日に個室を予約して家族や親戚同士の集まりでコース料理をいただくという利用もそれほど珍しいことではありません。

◇人形町 今半 公式サイト
 ⇒http://www.imahan.com/

親子丼が人気の江戸中期創業の老舗「玉ひで」

親子丼が有名な「玉ひで」

「玉ひで」は、1760年(宝暦10年)創業の鳥料理店です。江戸時代中期、鷹匠として幕府に仕えていた創業者が、幕府の財政難の折り仕事が減ったため副業として軍鶏(しゃも)鍋を開いたことが始まりと言われています。軍鶏を使った鳥すきや鳥料理のコースのほか、明治時代に5代目女将が考案した親子丼が大人気です。

◇玉ひで 公式サイト
 ⇒http://tamahide.co.jp/

江戸名物ねぎま鍋で有名な高級懐石「よし梅」

よし梅

裏道に入った小道に情緒たっぷりの外観で迎えてくれるのが、高級懐石料理店の「よし梅」です。戦災で焼かれることなく残った建物は、昔の人形町界隈の雰囲気を今に伝えてくれます。江戸名物のねぎま鍋が有名です。
当時は捨てられていたまぐろのトロを、さっぱりと食べられるようにと庶民が考え出した下町の味です。現代では庶民にはそうそう簡単には手が届かないお値段に。証券会社が多い茅場町がそう遠くないことから、証券マンらしきグループがランチやディナーに訪れる姿を見かけることもあります。

◇よし梅 公式サイト公式サイト
 ⇒http://yoshiume.jp/

ドラマにも登場、定番のおもたせ「重盛の人形焼」

重盛の人形焼

「重盛の人形焼(重盛永信堂)」は、創業100年超の老舗の銘菓です。人形焼き、カステラ焼き、せんべいといったスイーツが東京名物になっています。昔ながらの懐かしい味わいで、手作りのぬくもりが伝わるおやつとして、手土産としても喜ばれます。
七福神の顔の人形焼きで、薄めの皮にあんこが入っています。また種類が豊富です。こしあん、白あん、つぶあん、あんなし(カステラ焼き)の中で選べます。ご進物として箱詰めもできるので、きちんとした場所への手土産にもぴったりです。
東野圭吾原作のTBSドラマ『新参者』の作中では、阿部寛が演じる日本橋署の刑事・加賀恭一郎が、重盛の人形焼を手土産やおやつで食べている姿が話題となりました。

◇重盛永信堂 公式サイト
 ⇒http://www.shigemori-eishindo.co.jp/ningyo/

行列必至「天ぷら 中山」の黒天丼

天ぷら中山

「天ぷら 中山」は、江戸・日本橋らしい天丼が人気の店です。天丼は、ゴマの香りが香ばしく、見た目が真っ黒でインパクトがあります。ランチタイムは11時過ぎにオープンして、午後1時前にはほとんど完売してしまう人気ぶりです。天丼、海老天丼、穴子天丼、日替わり定食などのメニューがあり値段もお手頃です。
テレビ東京の人気グルメドラマ「孤独のグルメ」でも登場したことがあり、松重豊さん演じる主人公のゴローさんは、ここの天丼を「黒天丼」と呼んでいました。

◇天ぷら 中山 食べログ
 ⇒https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13018093/

5路線が利用できる交通アクセスの良さ

駅舎

人形町エリアの最寄り駅には東京メトロ日比谷線・都営地下鉄浅草線の「人形町駅」と東京メトロ半蔵門線「水天宮前駅」、都営地下鉄新宿線「浜町駅」があります。
付近の東京メトロ日比谷線・東西線の「茅場町駅」を含めると最大で5路線が利用できるエリアで交通アクセスはとても良好です。
東京駅から来る方法として、東京メトロ東西線の大手町駅で乗車して2つ目の茅場町駅で日比谷線に乗り換える方法もあります。

浜町駅

水天宮前駅

コミュニティバス「江戸バス」やリムジンバスも利用可

江戸バス

東京駅八重洲北口から人形町までは、「江戸バス」と呼ばれるコミュニティバスが運行されています。運賃は一律100円と手軽に利用できる価格で使い勝手がよいアクセス手段です。
また空港へのアクセスもスムーズです。水天宮駅に隣接する「東京シティエアターミナル」は、羽田空港と成田空港への玄関口となっています。リムジンバスを利用して羽田空港まで25分、成田空港まで55分でアクセスできます。

安産・子授けの「水天宮」、下町情緒残る散策コース

水天宮

人形町の路地裏

人形町には下町情緒の街並みだけでなく、小中規模のオフィスビルもたくさんあります。また「水天宮」をはじめとした七福神を祀った神社があるのも特徴です。
七福神の神社をめぐる2時間ほどの散策コース「日本橋七福神巡り」は、老若男女を問わず観光客に人気があります。オフィスや飲食店が建ち並ぶ人形町通りや、風情のある裏道、落ち着いた下町の路地を歩くと現代的な街並みの合間に古き良き時代や歴史を感じられ、この「現代と歴史の交差した景観」に触れられることが人形町の大きな魅力となっています。

甘酒横丁

■水辺の傍で緑も多い自然豊かな街

隅田川テラス

浜町公園

人形町には徒歩圏内に「隅田川」と「浜町公園」があり、豊かな自然を感じることができます。
隅田川沿いには舗装された堤防「隅田川テラス」があり、遊歩道でゆったりとした時間を過ごすことができます。休日や早朝にはジョギングや散歩をする人も多くみかけます。
「浜町公園」は都営新宿線浜町駅の上にあり地元の人やビジネスマン・OLにも利用されています。公園内には運動場やデイキャンプ場もあります。

人形町の成り立ちと歴史

明治座

人形町の成り立ちには江戸幕府が深く関与しています。江戸開府に伴い大名の江戸屋敷が建つことで街作りが進みました。人足や職人が流入し江戸の人口は増加の一途を辿ります。大量の生活物資が必要となったため、江戸城下への出店を促進させようと将軍である家康が「地代免除」の特典を設けたのです。すると京都や大阪などから大勢の商人が集まり、日本橋を中心に商業地域ができあがりました。こうして人形町のある日本橋の東側一帯は、繊維街として発展するようになります。

明治座

江戸開府後の寛永元年(1642)頃、京都から江戸に下ってきた歌舞音曲の名人である猿若勘三郎が「猿若座(のちの中村座)」を人形町に開きました。これが江戸歌舞伎の始まりです。
次いで村山又三郎が「村山座(のちの市村座)」を興し、人形町に歌舞伎の芝居小屋を建てます。その周辺には人形浄瑠璃・説教芝居・見世物小屋・曲芸・水芸・手品などを安い料金で楽しめる小屋が立ち並び大名から庶民までが当時の代表的な娯楽である芝居見物を楽しんでいました。

鎧橋

慶応4年(1868)年、明治の新政府は「江戸ヲ称シテ東京トセン」と宣言。260年間も続いた江戸の街は新しい都市へと変化を遂げることになりました。これにより鎧橋の完成、新道の開通、水天宮移転が実現しました。それが現在に続く街の原型となり、多くの観光客が訪れる街として発展しました。

周辺の主なスポット

・甘酒横丁
・明治座
・浜松公園
・十思公園
・隅田川
・日本橋川
・東京水天宮
・小綱神社
・宝田恵比寿神社
・大観音寺
・新高野山 大安楽寺
・ロイヤルパークホテル
・東京シティエアターミナル
・中央区立総合スポーツセンタープール

どんな飲食店がある?

人形町には約3,200件の飲食店がありますが、和食と居酒屋が合わせて1,400店舗を上回り、全体の4割以上を占めています。古くからある老舗飲食店が多いエリアですから、近隣で働くビジネスマンや住人が足を運び続けていると考えられます。カフェが約300店舗、洋食が約400店舗と多いのも特徴です。BARが260店舗と比較的多いことから、観光客による利用も推測されます。

どんな飲食店が出店チャンス!?

人形町は甘味処と和食もさることながら、洋食・レストランも多く、どのジャンルも競合性の高い業態です。昼間は観光客や家族連れが利用しやすい清潔で手軽なお店が良いですが、老舗や名店と戦うのは厳しいかもしれません。夜は格式の高い高級店が多く、ありきたりの居酒屋はオススメできません。
そんな中おすすめなのが赤提灯系の味わいのある居酒屋や立ち飲みです。夜はファミリー層が少なく、ビジネスマンや年配の観光客が多い人形町。格式の高い飲食店での食事の後でも2次会として活用できるような居酒屋をご検討されてはいかがでしょうか。メニューは周辺の老舗の雰囲気とマッチする、昔からある食材や料理をチョイスするといいでしょう。

人形町に似た地域

浅草
人形町も浅草も元は湿地帯で江戸開府の際に埋め立てられて作られました。人形町と同様に浅草も大衆芸能の中心地で、多くの芝居小屋や茶屋があります。

神田・神保町
老舗の店舗が多くオリジナルの和菓子など、ここでしか買えないものがある点で人形町と類似しています。昔ながらの味を楽しめる街としてよく似た地域です。

阿佐ヶ谷
阿佐ヶ谷でも人形町でも1年を通して四季折々のイベントが開催されています。また歴史あるイベントが多く存在し、住民や観光客で賑わいを見せています。

類似地域 周辺の募集物件一覧

神田・阿佐ヶ谷・浅草・神保町の居抜き物件一覧

どんな客層?

【平日/昼】
平日の昼間の人形町はビジネスマンや観光客で賑わい、60万人を超える人が集まります。観光スポットが多くかつビジネス街であることから客層は観光客やビジネスマンが大部分を占めると考えられるでしょう。なおランチ平均単価は1000円以下と見られています。

【平日/夜】【土日】
人形町の夜の人口は14万人で昼間の20%ほどになります。ディナー平均単価は3,000円~4,000円です。老舗飲食店と居酒屋が多いことから地域住民と観光客が主に来店すると考えられます。休日も観光客で賑わっているためビジネス街ではありますが土日も経営している飲食店が多いと言えるでしょう。

人口特性

人形町を含む中央区の人口は、女性が男性を上回る傾向にあります。2019年3月1日の時点で10代までは男性の方が多くそれ以降のほとんどの年齢で女性が男性を上回っています。30代以降では男性に対して女性が1万人近く多いです。

乗降人数

2017年には、平均すると1日あたり82,583人の人々が東京メトロ人形町駅を利用しました。東京メトロでは第52位の乗降人数で、目立って混雑しているわけではありません。また、人形町の都営地下鉄の1日平均乗降人数は52,172人(乗車人数26,373人、降車人数25,799人)です。

人形町の賃貸相場

人形町駅周辺の賃貸相場は、ワンルームで10万円前後、1DKと1LDKならば12~20万円ほどとなっています。2LDKから3LDKになると、25~30万円を超えるようになります。一戸建てを含めた家賃の平均相場も、40万円程度が目安です。

人形町の店舗賃料相場

人形町がある東京都中央区の店舗相場賃料は、1階の坪単価の平均が約27,000円です。都内のほかの地域と比べると比較的平均単価が低い傾向にあります。2014年度から2019年度にかけては平均賃料がやや上昇傾向にありため今後も少しずつ上がっていく可能性が考えられます。

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Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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