街レポート

八丁堀(中央区)で居抜きで飲食店を開業するための街情報

八丁堀(中央区)で居抜きで飲食店を開業するための街情報

東京都中央区にある八丁堀は、区を南北に分けるとちょうど真ん中あたりにある街です。商社や印刷所、出版社などビジネス街としての側面がありながら近年では住宅マンションが次々と建設されている注目の街です。
交通の便が非常に良く、ビジネスマン向けの飲食店が比較的多くあります。派手な建造物や商業施設はありませんが、「水路の町」と呼ばれていた頃の江戸の名残が感じられます。
そんな八丁堀の地域情報についてご紹介します。

歴史と水辺のある東京都心の典型的な街

八丁堀の水路

「八丁堀」は古い歴史を持ちながら、戦後の開発で都市化が進められた典型的な東京都心の街です。近くの東京駅や日本橋、銀座と隅田川にはさまれたこのエリアは戦後から昭和にかけて次々とビルが建設されています。ただ平成に入ってから進められている東京駅や日本橋周辺の再開発に比べるとそこまで進んではいません。中低層のオフィスビルが建ち並ぶ昭和の東京らしい街並みになっています。逆に近年では住宅地としての需要が高く、マンションの建設が進み、交通アクセスが良いことから人気のエリアになっています。

戦前は“下町の銀座”と呼ばれた歓楽街だった

現在はオフィスビルや住居用マンションが立ち並ぶ八丁堀ですが、八丁堀から日本橋・茅場町方面へ南北にのびる「鈴らん通り」は戦前には“下町の銀座”と呼ばれるほど、にぎやかで盛り上がりを見せていたそうです。当時は200店舗を超えるお店がひしめき合い、2軒の映画館、2軒の寄席、ダンスホールもある歓楽街でした。
太平洋戦争による戦災で街全体が焼失したことで、昔ながらの街並みは消え、戦後の早い時期から都市化が進んだのでした。

選択肢があまりない交通アクセス環境

「八丁堀駅」は、東京メトロ日比谷線とJR京葉線の2社2路線が乗り入れる接続駅です。
京葉線は東京の表玄関である「東京駅」から、東京ディズニーランドがある「舞浜駅」や、新浦安、幕張メッセ(国際展示場)やZOZOマリンスタジアムがある「海浜幕張駅」、外房線・内房線の起点となる「蘇我駅」までアクセスできます。日比谷線を利用する場合は、築地、銀座、六本木、恵比寿へ乗り換えなしで行くことができます。
このように目的地によってはとても便利です。しかし選択肢は多くないので交通アクセスが万全とはいえないでしょう。

・京葉線東京駅でJR山手線・京浜東北線に乗り換える時の裏技
八丁堀駅からJR京葉線に乗車して東京駅までは1駅ですが、実は京葉線の乗り換えは非常に不便。東京駅の京葉線ホームから他路線に乗り換えるためには長い地下のコースを5分から10分ほど歩く必要があります。乗り換える路線によってはもっと時間がかかることもあります。
そこで京葉線をよく利用する人の間で知られている裏技をお伝えします。それは京葉線の東京駅で降りた際、東京駅への乗り換えコースを使わずに東京国際フォーラム(有楽町駅)方面の出入口へ出てしまう方法です。東京国際フォーラムは有楽町駅がすぐ近くにありあまり混雑することもありません。京葉線からJR山手線や京浜東北線、東京メトロ有楽町線に乗り換える場合に限りますがとても便利な裏技です。

ビジネス利用と単身者が暮らしやすい街

八丁堀は東京駅や日本橋に近いため、江戸の発展とともににぎわってきた歴史のある街です。ビル化が早くから進んだためにオフィスやビジネスマン向けの飲食店が多く、街並みに昔の面影はほとんど見られません。
昼間は交通量も多くビジネスの活気でにぎわっていてランチタイムにはどの飲食店も混雑しています。一方、夜になると人通りはなく道路を走る車もほとんどタクシーです。

狭いエリアに出版社のオフィスが集中する「八丁堀」

出版社が多いことで有名な街と言えば“本の街・神保町”ですが、八丁堀にも出版社が複数オフィスを構えています。八丁堀駅近辺には次のような出版社があります。
日之出出版、マイクロマガジン社、地球の歩き方のダイヤモンド・ビッグ社、トーソー出版、八重洲出版、日本印刷新聞社、印刷学会出版部、インタープレス、消費と生活社、日本写真企画、学芸書林、大成社出版部、フロムワン、金型ジャーナル、商事法務、IOP英国物理学会出版局、ユニタックスなど(順不同)。

単身者や子どもがいない家族向けの街

前述しましたが八丁堀は近年、マンションの建設が進んで住居地として注目されています。選択肢は少ないものの勤務地によっては交通アクセスが良くて徒歩や自転車でも行ける範囲に東京駅や銀座、京橋・日本橋があることが理由となっているようです。
都心のオフィスビルが建ち並ぶ地域のため子育て向きの住環境ではありません。どちらかと言うと単身者がメイン。または小さな子どもがいない家族向けの街です。その点、勤務地によっては交通アクセスも良くビジネスマン向けの飲食店があるため外食には困りません。ただオフィスが休みになる土日祝日は多くの飲食店が営業しないのが難点でしょう。

水上バスが見える憩いの場「隅田川テラス」

東京の北東部を流れる隅田川は、江戸の頃から生活用水や憩いの場、運河として付近に住む人々の暮らしを支えてきました。現在は河川敷の整備が進み、「隅田川テラス」として地域住民や観光客、ビジネスマンの憩いのスポットとして親しまれています。
平日と休日を問わずジョギングや散歩を楽しむ人をはじめ、お昼時はお弁当を食べたり休憩したりするサラリーマンやOLの姿が多く見られます。

浅草から日の出桟橋を結ぶ水上バスも運行しているため、水上から隅田川テラス越しに東京のビル群を臨んだり、隅田川にかかる橋を眺めたりできます。また東京湾の夜景を満喫しながら江戸前の天ぷらや料理を楽しめる屋形船もあり、外国人観光客などを中心に人気を集めているスポットです。

八丁堀の歴史

町名として「八丁堀」という地名がついたのは1931年(昭和6年)のことで、江戸時代に8丁(870m)もの掘割(地面を掘った水路)が作られたことが八丁堀の名前の由来であると言われています。
京橋川から隅田川に通じる長い堀は江戸城に物資を運ぶ目的のほか、城を攻めてくる大型の船を近づけないようにするために作られました。当時は江戸城へのアクセスに非常に便利な場所であることから、多くの大名や武士の屋敷が並んでいたようです。

町奉行所の与力・同心の組屋敷

時代劇などでよく「八丁堀の旦那」などと呼ばれているのは、八丁堀に「与力・同心」の組屋敷があったことが理由です。そのため「八丁堀」が彼らを指した通称となり現在でもそれは語り継がれています。
江戸時代における「与力」には、上官を補佐する役割がありました。有名なのが町奉行配下の「町方与力」です。町奉行を補佐しながら江戸市中の行政・司法・警察の役割を果たします。与力は馬上が許されていたため、単位は「騎」として数えられていました。南町・北町奉行所にはそれぞれ25騎ほどの与力が配置されたそうです。

「同心」は与力の下にあたり、主に庶務や見回りなどの役割を担っていました。南町・北町奉行所にはそれぞれ100人ほど配置されていましたが、このうち警察業務を執行する「廻り方同心」は、南北を合わせても30名にも満たないほどでした。この人数で江戸の治安を守ることは難しく、同心は私的に「岡っ引」と呼ばれる手先を雇うなどしていたようです。
与力・同心にはそれぞれ役宅として、現在の八丁堀にあたる場所に、今で言う宿舎である組屋敷が与えられました。与力が約300坪、同心が約100坪の規模だったようです。現在は残っていませんが、「与力・同心組屋敷跡」として京華スクエアという建物の前に説明板が立っています。

江戸で活躍した浮世絵師「東洲斎写楽」が住んでいた街

江戸で活躍した浮世絵師の「東洲斎写楽」は、近年まで生涯や正体など不明な点があまりにも多く、謎多き人物とされていました。役者や力士のリアルな表情や姿態を描いたことで人気を獲得し、日本を代表する浮世絵師として世界中にその名が知られています。
謎の多い写楽の情報が世に出始めたのは1844年のことで、斎藤月岑(さいとうげっしん)という人物が『増補浮世絵類考』で「斎藤十郎兵衛」という人物について記載し、これが写楽ではないかと考えられました。さらに1997年には、埼玉県越谷市にある法光寺で、同じく斎藤十郎兵衛という人物についての過去帳の記述が発見されました。
このようなデータをもとに、写楽と斎藤十郎兵衛が同一人物との見方が強まり、八丁堀に住んでいたという説が注目されるようになったのです。亀島橋のたもとには、写楽をはじめ、八丁堀にゆかりのある歴史上の人物の説明板などが設置されています。

四谷怪談の“お岩さん”を祀っている「於岩稲荷田宮神社」

新川にある於岩稲荷田宮神社は、「東海道四谷怪談」で有名な“お岩さん”を祀っている神社です。もともとは1719年に四谷へ創建されたものでしたが、社殿が火災で焼失したのを機に1879年に新川へ造られました。その背景には四谷怪談を演じる際に於岩稲荷田宮神社を参拝していた、歌舞伎役者の市川左団次による「芝居小屋の近くに移転してほしい」という強い要望があったようです。
その後、四谷の社殿も復興されたため現在は都内に2つの於岩稲荷田宮神社が存在しています。八丁堀の於岩稲荷田宮神社の境内には、中央区内に現存する最古の百度石があり、現代でもお百度参り祈願者が後を絶ちません。
“お岩さん”といえば夫に殺された恨みで幽霊になったという、悲劇のヒロインのイメージを持たれている方も多いでしょう。田宮神社は彼女にゆかりのある神社ということで、厄払いや悪縁を切るスポットとしてひそかに噂されているようです。

どんな飲食店がある?(1km圏内)

八丁堀にある飲食店のうち大半を占めているのが、267件の和食店や292件の居酒屋です。次いでBARやカフェの件数も、他の業態に比べると多い印象を受けます。オフィス街のため、接待や打ち上げなどで利用できるお店が重宝されるようです。

どんな業態が出店チャンス?

八丁堀はオフィスで働くサラリーマンやOLをターゲットにした『和食店』や『居酒屋』での開業がおすすめです。接待での利用や会社の少人数・大人数を問わず飲み会でお酒を楽しめるようなメニューや店作りをしましょう。ランチタイムにはコスパの良いランチメニューを提供すれば、多くのサラリーマンが通ってくれるお店になるはずです。また働く女性も多くいるので店内の装飾やメニューにこだわったオシャレな『BAR』や『カフェ』も狙い目です。
ほとんどの店がビジネスマン利用をターゲットとしているため、敢えてそこから外れる必要はありませんが都心に住むアッパー層と言えるマンション住民の単身者を狙って、イタリアンやスペイン調のお酒も飲めるカフェやバル、食材にこだわった家庭料理をやってみるのもおすすめです。

周辺の主なスポット

・三越日本橋本店
・東京駅
・日本橋高島屋
・於岩稲荷 田宮神社
・隅田川テラス
・鉄砲洲稲荷神社
・歌舞伎座
・東京クルーズ(東京都観光汽船)
・堀部安兵衛武庸之碑
・築地本願寺
・日本橋
・警察博物館
・河村瑞賢屋敷跡碑
・歌川広重住居跡

八丁堀に似た地域

■茅場町
八丁堀の隣に位置する茅場町はオフィスが多く東京駅まで徒歩圏内にある点で似ていると言えるでしょう。
→茅場町駅周辺で居抜きで飲食店を開業するための街情報
■日本橋
茅場町のお隣にある日本橋もビジネス街であり落ち着いた雰囲気があるため八丁堀と似ている点が多くあります。
■有楽町
オフィスや商業施設が多く立ち並び都心へのアクセスが良好で何より犯罪件数が少なく治安が良い点が八丁堀との共通点です。

類似地域 周辺の募集物件一覧

有楽町・茅場町・日本橋駅の居抜き物件一覧

どんな客層?

【平日/昼】
多くのサラリーマンで賑わうオフィス街が多くある中央区は、日中の人口が60万人を超えます。
東京の中心とも言える中央区ですが、ランチの平均単価は1,000円以内と毎日利用する方には嬉しいリーズナブルな料金設定のお店が多いようです。
【平日/夜】【土日】
中央区の夜間の人口は14万人ほどに落ち着きますが、マンションの進出による世帯数の増加により昼間に比べて増加率が高い傾向にあります。ディナーの平均単価は3,000~4,000円と少々高めの金額です。

人口特性

平成30年1月1日現在の八丁堀には、2,204世帯3,503人の人が暮らしています。そのうち男性は1,727人、女性は1,776人と、ほぼ同数となっています。京橋地域全体で見ると、女性の方が2,000人ほど多く暮らしているようです。

乗降人数

2017年度の1日平均乗車人員は、JR東日本で34,289人、東京メトロで111,924人と地下鉄利用者の方が3倍ほど多い結果です。東京メトロ全130駅の中でも33位の多さを誇っています。前述したように世帯数の増加もあり乗降人員の推移を見ても、近年は増加傾向であると言えるでしょう。

八丁堀の賃貸相場

東京駅にも歩いていける八丁堀はマンション建設の増加とともに物件も増加傾向にありますが、物価は高く家賃相場も高めです。1R・1Kの単身者用物件の家賃相場は最低でも10万円を超えてしまうでしょう。1LDKで18万円ほど、2LDKでは25万円を超えます。

八丁堀の店舗賃料相場

八丁堀駅周辺の店舗賃料は20~40万円に設定してある店舗が全体の約半分を占めています。20万以下の物件を含めると62%もの店舗が40万円以下という結果になり、意外にもリーズナブルな相場といった印象です。賃料の安さがランチタイムの価格の安さにつながっているのでしょうか。しかし、平均坪単価は21,582円で徐々に増加傾向にあるようです。

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