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居抜き店舗の内装工事 和風居酒屋ができるまで ― 千鳥町 「そば・和食 風鈴亭」内装工事密着レポート -

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【2019/05/08更新】『そば和食 風鈴亭』がオープン1周年を迎えました!
2018年に密着取材いたしました、東京都大田区『そば和食 風鈴亭』が2019年春にオープン1周年を迎えました!
新たに公開した記事では、人気のメニューや季節の和食と蕎麦をレポート。ぜひご覧ください!
▼本格和食と手打ちそばを楽しむ!千鳥町『そば和食 風鈴亭』がオープン1周年【東京都大田区(和食/蕎麦/居酒屋)】
【2018年5月更新】和風居酒屋ができるまでの内装工事に密着
居抜き物件を取得したら、次にとりかかるのは内装工事です。今回は、東急池上線 千鳥町駅に4月24日にオープンした「そば・和食 風鈴亭」さんの内装工事に密着し、年季の入った大衆居酒屋だった店舗が、高級感ある和風居酒屋に生まれ変わるまでの様子を取材しました。
「内装工事ってどんなことをするの?」「費用や期間はどのくらい?」など、初めての開業はわからないことだらけ。そんな新米オーナーさんにもわかりやすいように、写真や資料を交えながらレポートしていきます。
Chapter1 工事スケジュールと内装図面
それではさっそく、今回の工程表をみてみましょう。
この工程表から、工事期間約1か月間の、全体の作業の流れがみえてきます。
実はこの工程表ができる前に、オーナーさんは5~6回の打合せを通して業者へイメージを伝えてきました。一回の打合せが終わるごとに、業者が平面図に手直しを加え、理想に近づけていくというプロセスを経て、店舗デザインは完成していきます。
そうして完成したのがこちらの平面図です。
もとの図面と比べてみましょう。
居抜きのメリットを活かし基本的なつくりは変えていませんが、小上がりの部分がフラットになり、テーブル席が設けられるなど、大きな変化もみられますね。
また、平面図ではわからない什器のデザイン、壁や床の質感などは、イメージが沸きやすいように実物を見せてくれたり、このようなボードを用意して説明してくれるので安心です。
Chapter2 気になる工事費用は・・・?
さて、次は気になるお値段です。工事のレポートに入る前に、ざっと今回の費用についてみておきましょう。
今回の内装工事費用には、次の内容が含まれています。
設計・デザイン、解体撤去工事、内装工事、建具工事、塗装工事、板金工事、左官工事、木工造作工事、電気設備工事、冷暖房設備工事、換気設備工事、給排水設備工事、看板工事、その他工事、椅子・テーブル代、クリーニング代
これらを合わせた内装工事の合計金額が525万円。
今回は、これに加えて厨房機器一式 約130万が加わることになります
今回は居抜きからのリフォームとなるため費用が抑えられていますが、スケルトンから同様の店舗を作るとなると、内装工事費だけでも1,000万はみておいた方が良いそうです。
気になる費用がクリアになったところで、さっそく工事のレポートに移りたいと思います。
Chapter3 解体 ~ 給排水や空調設備工事
今回の場合、工期の初日に実物の床材や壁材を見ながら「どの材質がよいか」「椅子やテーブルはどうするか」など、細かい部分の最終決定をしました。全てのプランがFIXしたところで、業者が必要な資材を発注してくれる手はずになります。
その後はいよいよ、3日間かけての解体作業です。
3日後には、店舗奥の小上がりもすっかり取り払われ、全体的にフラットな空間になりました。
工程表では、撤去が終わると同時に水回りの工事(給排水設備工事)や、エアコン・ダクト等の設置工事(空調設備工事)に入ることになっています。
上の写真からもわかるように、解体後すぐ、ちょうど奥のエアコンの撤去作業がはじまったようですね。
Chapter4 塗装 ~ 厨房機器の設置など
その後も、電気・ガス回りの工事、塗装・左官・板金工事と着々と進行し、いよいよ壁のクロス貼りができるようにまで形になってきました。
カウンター上部の壁にも、職人技で丁寧にクロスを貼っていきます。
クロス作業が終わったら、今度は厨房部分の工事です。各種厨房機器を搬入したら、つなぎ込みをし、保健所対策でもある衛生器具の取り付けもおこないます。
こちらは、ほぼ何もなかった厨房に、ガスやコールドテーブルなど大きな機材が一通り運び込まれた後の様子。照明も暖色系の落ち着いた色味に変わり、いっきに高級感がでてきました。
ご存知かもしれませんが、火を使う厨房の壁はクロスではなく塗装が必要です。そのため、このようにきれいな壁に仕上げるためには、一度壁面の凹凸を削って下地を作ってから塗装する必要があり、意外と時間と手間がかかります。
今回も見事な職人技で、フラットな美しい壁に仕上がっている様子が、写真からもわかっていただけるのではないでしょうか。
ちなみに、このあとさらに、卓上ショーケースや冷蔵庫、製氷機など残りの機材を搬入し、厨房は完成となります。
Chapter5 最後の仕上げ ~ 引渡し
厨房と並行して、イスやテーブル等の什器の搬入が行われました。
徐々に完成形がみえてくる時期なので、オープンへむけての、オーナーさんの期待と緊張感もおのずとたかまってきます。
内装の目途がたったら、外の看板やサインの取り付けを行い、全体をクリーニングして、ついに完成!いよいよ引渡しの日を迎えます。
何回かチェックにきていたオーナーさんも、完成した店舗の様子をみるのはこの日がはじめて。これから毎日通うことになる自分の店を目の当たりにし、大満足の様子でした。
Chapter6 居抜きリフォームBefore & After
それではさっそく、「そば・和食 風鈴亭」がどのように生まれ変わったのか、工事前の様子と工事後の様子を照らし合わせながら、Before & Afterをみていきましょう。
全体的に薄暗い印象だった外観ですが、ヒバの白木の質感を活かした、明るく清潔感ある印象に生まれ変わりました。写真ではわかりにくいかもしれませんが、白い壁面には大小さまざまな石が敷きつめられ、“洗い出し”という技法によって表面に表情が加えられています。
店の主役とも言えるこだわりのカウンターは、電球色に映えるメープル材を使用。メープルは、木目が緩やかで触り心地も最高級といわれる木材の一つです。
以前より厚みが増した天板の端には、このような細工が施されていました。華美な装飾は避け、シンプルなデザインを徹底しながらも、ちょっとした遊び心を忘れない。そんなカウンターは、ここに饗される料理の美しさを、いっそう引き立ててくれそうです。
飲食店の内装設計で最も重要とされていることの一つに、イスの座面から天板までの距離があります。そのため業者は、デザインだけでなく、お客様の座り心地にも細心の注意をはらいます。
通常250㎜~300㎜が理想とされていますが、今回はその中間値である280㎜に設定。小柄なご婦人から長身の紳士まで、どなたが座っても疲れない高さになっています。
掘りごたつ式だった小上がりを撤去し、フラットにすることでバリアフリーに。コンパクトではありますが、お1人様から4名のグループまで、フレキシブルに対応できるテーブル席へと生まれ変わりました。
見落としがちですが、実はトイレが綺麗であることは、繁盛店の必要条件の一つといわれています。今回は、旧式の和式からウォシュレット付トイレに変更。白を基調とした空間は、清潔感を演出しています。
照明は、蛍光灯から暖色系のライトに変更することで食材が美しく見えるように工夫。冷蔵庫、ガス台、製氷機、コールドテーブル、グリラー、シンク、卓上ショーケースなどの機材がそれぞれの定位置に配置され、薄暗い年季の入った以前の厨房に比べると、見違えるほど高級感ある厨房へと生まれ変わっています。
ちなみに、今回は厨房機器の発注もすべて一括で請け負ってくれる内装業者だったため、機材の手配もおまかせとのことでした。経験がものをいう飲食店の内装工事は、業者選びにかかっているといっても過言ではありませんが、経験の豊富さはもちろん、今回のようにトータル的にサポートしてくれる業者を選ぶことで、開業時のオーナーさんの負担やリスクを軽減することができます。
内装工事をスムーズにおこなうためには、信頼できる業者を見つけることがなにより大切になりそうですね。
幸先のよいスタートをきるためにも、これから開業を考えているオーナーさんは、まずは、なんでも相談できる相性のよい業者さん探しからはじめてみてはいかがでしょうか。

今回取材にご協力いただいた施工業者
(株)グリーンプロダクツ
飲食店舗の新装・改装に関わる、プランニングから設計・施工までのすべての工程を請け負う施工業者です。千葉県内をはじめ、東京都、茨城県、埼玉県など関東一円で数多くの実績があります。
住所:千葉県習志野市谷津1-18-47 ライオンズマンション
電話:047-474-1081
メール:ken@greenpro.co.jp
営業時間:午前9時-午後6時 日曜、祝祭日定休
竣工までの流れ

そば・和食 風鈴亭
オープン日:2018年4月26日(木)
最寄り駅:千鳥町駅(東急池上線)
住所:大田区千鳥1-18-4
電話:03-6410-3807
営業時間:17時~22時
定休日:毎週水曜日
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