特集

「開業してよかった」開業後のリアルな話をしよう。~【人形町】オープンから一か月。ランチも満員の「和酒 焼鳥 ももふく」~

目次
初めての開業
「自分の好きな串を刺したかっただけなんです」
これからの”ももふく”
末永くみなさまに愛されるために
店舗情報【人形町 ももふく】

都営浅草線 人形町駅より徒歩5分。中央区日本橋の住所を持つ都心の地域。
趣のある路地裏にひっそりとたたずむ、一見すると古民家のようなお店。
それが「和酒 焼鳥 ももふく」。店主の能登さんが丹精込めて焼く串が大人気。ランチは連日満員となっている。

「ももふく」は3月25日にオープンしたばかりだが、すでにランチは満員の人気店へと成長している。
夜は今のところ予約客のみ。「仕込みが間に合わないんです」と、店主の能登さんは笑いながら語る。

「夫婦二人ではじめたこのお店を、コツコツと育てるつもりです」
開業前の気持ちから、開業後の率直な感想までインタビューさせていただいた。

お店の外観。古民家のような雰囲気。

初めての開業

11:30にお店を開けて、誰も来なかったらどうしようと不安だった

開業される方は、長年の夢や希望を持って勇気を出して一歩を踏み出す。
もちろん、夢が叶うという高揚感はあるが、それ以上に不安な気持ちも大きいだろう。

能登夫妻ももちろんそうだ。

「幕開けは静かにやろう」と宣伝やSNSなどは一切行わず、3月25日にお店をオープンさせた。
最初は誰も来ないと思っていたそうだ。

 

Q.オープンしてすぐはいかがでしたか?

「やはり不安でしたね。お店を始めるのも初めてでしたし、誰も来ないんじゃないかって思ってました。静かに始めようと思ったんです。宣伝も何もせず。
11:30にお店をオープンして、誰も来ないだろうな、でもお客さん来て欲しいな、って思っていました(笑)」

 

Q.でも、そんなことありませんでしたね。

「ええ。オープンさせてすぐにお客様がいらっしゃったんです。すっごく嬉しかったです。」

人形町と言えば、多くの焼き鳥店が存在する焼き鳥激戦区。
だが、今や「ももふく」はランチも満員の人気店へと成長している。

「嬉しい悲鳴」があがった

驚きと同時に、嬉しい悲鳴が上がった。
仕込みが間に合わないのだ。

 

Q.元々お二人だけでやるつもりだったんですか?

「ええ。そうです。しばらくは誰かを入れるつもりなんてありませんでしたよ。
でも、ありがたいことに仕込みが間に合わない。早急に人手を増やしました。」

能登夫妻は奥様が40代、旦那様が60代。
そこに20代のスタッフが入る。

ランチの後に仕込みをするスタッフ。

「うちは年代が幅広いですね~!」と奥様。
良く笑う奥さんはお店の太陽のようだ。

ランチが成功。それが夜の集客にも繋がる。

「ももふく」の集客の一つに、ランチの成功があげられる。

ランチのお客さんは半分以上が女性。
その女性が口コミしたり、会社の人を連れてきてくれる。
また夜はその女性たちが男性を連れて来る。

そうすると夜は、男性客が別の人を連れてきてくれるそうだ。

 

Q.とても良い相乗効果ですね。

「はい。そんなこと考えたこともありませんでした。嬉しいことです。

 

Q.集客をしていないとは思えないです。

「初日にどなたかが食べログに投稿してくれました。それを見ていらっしゃる方も多いんです。大変ありがたいことだなと思います。」

初日の食べログの書き込みによってお客さんは増え、一週間後には満席になった。
それに「女性の口コミ力はすごい」と思わず唸るお話である。

夫婦のセンスで出来上がった店内

居心地の良い店内は、木目調で統一。
店内はあったかい雰囲気と、清潔感がある。

穏やかで、とても謙虚な店主は元々、施工業の職人。
奥様はデザインをやっており、お二人とも飲食とは違う業界での経験も豊富。

図面を二人で引き、デザインや内装も二人で行った。

まあるい照明がとにかく可愛い。

店内は非常にセンスの良さを感じる。
「古民家カフェみたいにしたかったんです」
と言うままに、二人の頭の中のイメージをそのまま表現した店内となっている。

玄関にある鶏の足跡。とても可愛らしいデザイン。

玄関を見ていると、「これ見てください」と言われた。
玄関脇に鶏の足跡が彫ってあった。

それは“酔ったニワトリが店内に入る足跡”で、店主のアイディアで掘られたもの。
鶏もお客さんも入ってほしい、という2人の思いが込められていて、非常に可愛い遊び心だ。

人形町で運命的な物件との出会い

物件との出会いも運命的。

 

Q.物件は人形町の辺りで探していたんですか?

「はい。そうなんです。実は、ここの前のお店の時に二人で食べに来たことがあったんです。
他の物件を見た帰り道に、たまたまここを通った時に閉まっていたのでその話を妻としていました。
そしたら次の日、営業さんからここを見ませんか、って電話がありました。」

 

Q.運命的ですね!

「はい。私たちも驚きました。それからとんとん拍子でここに決まりました。声をかけてくれた営業さんには感謝しきれませんよ。」

「自分の好きな串を刺したかっただけなんです」

店主の夢は焼き鳥屋。それを目指して10年以上修行をつんだ。

老舗の焼き鳥から、新しい焼き鳥屋さんまで様々な場所で働いたそうだ。
自分がやりたい串を試行錯誤した。

ただ、それは決して簡単なことではなかった。

串を触らせてもらえなかった時代が自分を作った

店主の能登さんは元々、内装業の職人。店舗を作る側、として職人の経験を積んだ。
店舗がオープンの際は職人として立ち合い、いくつもの開業初日を見届けてきたそうだ。
そしてお客さんと飲み会や食事会を重ねるうちに、自然と「第二の人生は自分もこういうお店を持ちたい」と思うようになった。

50を過ぎて、自分の夢のため内装の仕事をやめ、焼き鳥屋の門を叩く。
だが受け入れてくれるお店はほとんどなく、たくさんの店に問い合わせをした。
その中で入らせてもらったお店でも、最初は串を触ることすらできず、掃除や開店準備などの雑用の時代が続いた。
それでも諦めず、独学とお店から学んだことを全て活かして『ももふく』を開業させた。

開業までの道のりは、決して平たんな道ではなかった。

 

Q.10年間の修業期間はいかがでしたか?

「色んな所に行きましたね。老舗から新しい所まで。
色んな串を見てきました。オーソドックスなものから、一風変わった串まで色々やりましたね。
今自分が刺している串はその集大成。
結局は自分の好きな串を刺すしかできないんです。」

好きな串だからこそ、自信を持ってお客さんに提供できる。

職人として10年以上の経験を詰め込んだ串、一本一本に魂が込められている。

これからの”ももふく”

今は1Fしかオープンしていない”ももふく”だが、5月以降準備が整い次第、2Fもオープンする予定だ。

 

Q.2Fは何席くらいですか?

「テーブルが3つほどです。今はまだ準備が追い付いていなくて。5月以降にオープンさせるつもりですよ。」

 

Q.今は予約のお客さんが多いそうですね?

「そうなんです。本当はすべてのお客さんを向かい入れたいのですが、まだ準備が整っていなくて。いつも立ち寄ってくださるお客様には申し訳ないと思っています。本当ありがたいことです。」

2Fは広々とした空間。
古い建物ならではの、木の柱が歴史を感じさせる。

2Fのオープンを楽しみにしているお客さんもたくさんいるだろう。

末永くみなさまに愛されるために

夫婦のあったかい人柄を感じながらいただく串は絶品。
これから更にファンがつくお店になるだろうが、能登夫妻はどこまでも謙虚。

「お客様に末永く愛されるように、日々努力していきます」

人形町にお住いの方や、勤務先が近い方にはぜひ一度行ってみてほしい。
夫婦のあったかい人柄で、心もほっと一息つける焼き鳥屋さんが人形町にはある。

店舗情報【人形町 ももふく】

特集『なんていい街、人形町』前編:Googleストリートビューで甘酒横丁のお店検索。
【検証】Googleストリートビューで知らない場所の土地勘をどこまで掴めるか!?【後編】
ABCテンポ情報局
居抜き開業ガイド
開業ノウハウ
おすすめの記事

街レポート

大田区|蒲田はどんな街?居抜きの物件で飲食店開業するための街情報

詳細を見る