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味で勝負だけでは通用しない!繁盛店になるために必要な要素とは

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飲食店を経営するにあたり、当然のように「味の追求」は行うものですが、味の勝負だけで通用するわけではありません。
そのため、味以外の部分でもさまざまな工夫をしようと検討するでしょう。
しかし、具体的にどのような工夫をすれば店が繁盛するのでしょうか。
ここでは、繁盛店になるために必要な要素について詳しく解説し、繁盛する店とそうでない店の決定的な違いについても紹介します。
「味で勝負」だけでは通用しない理由
料理の味は美味しいにもかかわらず、お店が繁盛しておらず、経営が安定しないと悩んでいるオーナーは多いのではないでしょうか。
集客に成功できないのはお店の料理の味ではなく、他の理由が考えられるでしょう。
考えられる理由を明確にして、改善するための方法や、集客の基本について解説します。
飲食店の集客に必要な要素
飲食店の集客に必要な要素は、「味」だけではないことを認識する必要があります。
メニューについては再度検討することが可能ですが、内装や看板、業態などは簡単に変更できるものではありません。
お店をオープンする前に十分なリサーチを行わなければ、料理の味が美味しかったとしても集客はできないのです。そこで、後悔しないためにチェックしておくべき集客に必要な要素を解説します。
味と値段のバランス
料理の味には自信があるものの集客できない飲食店は、ターゲットのニーズに適していないケースが多いです。
例えば、男性が多いオフィス街に若い女性向けの可愛らしいカフェがあっても、集客は見込めないでしょう。
メニューに関しても同様であり、ターゲットのニーズとお店のメニューが合致しなければ、新規顧客もリピーターも獲得できず、集客につながりません。
集客を安定させるためには味を重視するだけでなく、値段設定とのバランスも重要です。
例えば、一般的に1,000円以下で提供されることが多いラーメンに対して、こだわりの食材を使用しているという理由で2,000円の値段をつければ、お客さんは「高い」と感じます。
お店側は仕入れ値をベースに値段を付けても、バランスが悪ければ食べてもらうことすらできません。
さらに、値段設定だけではなく、清潔感がなかったり接客態度が悪かったりすれば、自然とお客さんの足は遠のきます。
また、雰囲気が独特であるなど、自然とお客さんを選んでしまっているお店も少なくありません。
飲食店は味を重視する必要がありますが、繁盛店にするためには雰囲気や清潔感、立地や価格設定など、味以外の部分も重要視し、バランスを取ることが大切です。
さらに、味のみでなく料理のボリュームに関しても重要であり、ボリュームのある料理を求めているお客さんが多いエリアでボリュームのないメニューであれば満足度が低くなり、再来店にはつながらないでしょう。
立地
オフィス街にある飲食店の平日のランチには、行列ができるほど混雑し、夜の時間帯は比較的早い時間からお客さんが来店するケースが多いです。
3月、4月といった歓送迎会の時期や、年末年始は数十人の団体客の予約で埋まるケースが一般的です。
これらの集客を見込んで、オフィス街に飲食店を開業するケースも珍しくありません。
しかし、同じオフィス街でも裏通りにお店を構えている飲食店は家賃が表通りとほとんど変わらない、休日は人がおらず、営業は月に20日ほどであり、売上が家賃に見合わないと考える人も多いです。
実際には、オフィス外で成功をしている飲食店は周囲に休日営業している飲食店がないので、週末も予想外にお客さんは来店します。
エリアのイメージだけで集客率を予想すると、お客さんを取りこぼす可能性があるのです。
出店する際には、人通りを含め、立地条件も重要な要素だといえるでしょう。
居心地の良さ
料理の味が美味しかったとしても、接客マナーが悪い、衛生的ではないといったお店は再来店しようと思わないものです。
お客さんは、味だけで飲食店に足を運ぶわけではないことを忘れないようにしましょう。
どれほど料理の味が美味しかったとしても、居心地が悪い飲食店に再来店しようと考える人は極めて稀であるといえます。
オリジナリティ
オリジナリティを出したメニューを開発し、周辺の競合店との差別化を図り、「このお店でしか食べられないメニューがある」という認識を持ってもらい、特別感を演出することが重要です。
味はもちろん、産地にこだわった食材を使う、個性的な盛り付けをするなど、他のお店にはないメニューの開発も検討しましょう。
飲食店の宣伝方法
飲食店を繁盛させるためには適切な方法で宣伝をしていくことが大切です。
すぐに実践できる宣伝方法を紹介します。
積極的にSNSを活用する
ユーザーが新しいお店を探す際には、口コミやグルメサイト、インターネット検索などが一般的です。
そのため、インターネット上で注目してもらいましょう。高い広告費用を払う必要はなく、来店したお客さんにお店を気に入ってもらい、お客さんから宣伝してもらう方法でも十分だといえます。
お客さんがお店の口コミを投稿するグルメサイトやTwitter、Instagramなど、さまざまな発信方法があるのです。
SNSで発信してくれたお客さんに対してドリンクや小鉢もサービスするなど、お店の工夫次第でお客さんは宣伝してくれるようになります。
写真はプロに依頼する
素人がスマートフォンやデジタルカメラで撮影した写真と、プロがカメラを使用して撮影する写真には大きな差があります。
お店がこだわって作った料理も魅力が伝わらなければ意味がありません。
インターネットから依頼できるプロの写真撮影は、出張撮影2万円~3万円が相場です。
インターネットサイトやメニューなど、さまざまな場所で長期的に使用する写真を撮影してもらえるので、コストパフォーマンスは良いといえるでしょう。
ストーリーを感じられる独特なメニュー名
客さんは料理を注文する際に、自分が注文する物がどのような料理なのか、調理方法や食材の産地、メニューを考案した人のこだわりなどを重要視する傾向にあります。
そのためメニュー名を考える時には、分かりやすく、メニューのストーリーが伝わるようなものにすることが大切です。
繁盛する店とそうでない店の違い
繁盛する店とそうでない店の違いとしては、接客、オーダーを取る方法、リピーターを獲得するための工夫に違いがあります。
繁盛店は、お客さんが入店した後にスマートに席へ案内し、荷物や上着を置く場所を知らせ、おしぼりを提供し、注文を取るタイミングなども決めていますが、繁盛していないお店は、お客さんに座りたい席を選ばせることが特徴です。
回転率などを意識しなくてもよい客数であればよいのですが、基本的には、従業員が案内した方が良いでしょう。
また、繁盛しているお店では、お店側がお客さんに食べて欲しい物をおすすめしています。
反対に、繁盛していないお店は席への案内同様に、全てお客さんに任せる方法でオーダーを取っていることが特徴です。
さらに、繁盛店はポイントカードを導入するなど、リピーターを増やすための工夫も行なっています。
プロダクトアウト・マーケットインの概念を飲食店経営に役立てる
飲食店を繁盛させるうえでは、「プロダクトアウト・マーケットイン」という概念が役立ちます。
飲食店と、プロダクトアウト・マーケットインにどのような関連性があるのかを見ていきましょう。
プロダクトアウト・マーケットインとは
プロダクトアウトとは、企業の方針や導入できるサービス、導入したい物などを基準として開発を行うことです。
プロダクトを作成し、どのようにして提供するかを検討します。
マーケットインとは、プロダクトアウトとは異なり、顧客のニーズや意見を重視してサービスや商品を開発することです。
物やサービスを作ったら作っただけ売れるわけではないうえに、簡単に競合と比較されやすい現代では、プロダクトアウトよりもマーケットインを重要視し、顧客の求めている物を提供できるかどうかがポイントだといえます。
飲食店経営×プロダクトアウト・マーケットイン
飲食店を経営する際には、自社で販売できる自信がある物だけを作るというだけでは、繁盛店にはなれません。
売れる物だけではなく、ニーズに応えられるメニューを開発することが大切ですが、顧客がリピートできるように工夫する必要があります。
数え切れないほど存在する飲食店と差別化するためには、顧客の立場で考えているだけでは十分だといえません。
必要なことはマーケットインとプロダクトアウトの両方を重視した形にすることだといえるでしょう。
まとめ
飲食店経営では、味にばかりこだわらずニーズを満たすことも重要視しなければなりません。
お客さんの目線で客観的に見つつ、競合店と差別化を図るためのメニュー開発や店舗作りを行いましょう。
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