インタビュー
『MUSIC BAR i'll〜アイル〜』 平島蘭さん

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株式会社ABC店舗の公式サイトでは、飲食店開業を目指す方が物件探しからオープンまでのリアルな日々を綴る『開業ブログ』を公開中。
今回は、ミュージックバーの開業を目指しての開業ブログを2018年12月よりご執筆いただいている平島蘭さんを直撃。平島さんは2019年9月に池尻大橋にて『MUSIC BAR i’ll〜アイル〜』を見事オープンさせました。
晴れてオープンしたお店にお邪魔し、初めての開業に関する経験談を赤裸々に伺いました。
2019年9月 『MUSIC BAR i’ll〜アイル〜』をオープン!
平島さんは、大学卒業後に飲食店向けの開業サポートや厨房機器の販売等の事業を行う会社に入社し、5年以上にわたって勤務。さらに、DJとしても活動を行っています。
多くの飲食店経営者との関りを通じ、自身が経営することに興味が湧いてきたという平島さん。
DJとしての活動を通じて、夢や目標を持った若者たちがお互いに感化し合える場所を作りたいとの想いも抱いていたことから、ミュージックバーの開業を決意しました。
2019年中の開業を目標に、前年からの約10ヶ月にわたる準備期間を経て、2019年9月22日に『MUSIC BAR i’ll〜アイル〜』の開業が実現しました。
音楽を聴きながら、お酒や食事を楽しむ

『MUSIC BAR i’ll〜アイル〜』では、ブリトーをはじめとする食事やお酒を楽しみながら音楽を聴くことができ、非常に良い雰囲気の中で過ごすことができます。
平島さんが開業を決意した際、日本と欧米のミュージックシーンにおける「飲食と音楽」に関する隔たりについての憂いがありました。
平島さんが開業した『MUSIC BAR i’ll〜アイル〜』では、飲食をしながら音楽を聴くことができる空間です。
また、都内を中心に活躍するDJたちの選曲をエントランスフリーで楽しむことができる「DJ DAY」や、生演奏を楽しむことができる「LIVE DAY」なども設けられています。
利用客は音楽を身近に感じながら飲食や会話を楽しむことができ、音楽活動を行う人々も障壁が極力下げられた状態でアクトできる場所―。
『MUSIC BAR i’ll〜アイル〜』は、平島さんが描いていた想いが実現した場でもあります。
店内にはDJブースも!週1で「解放デイ」も
店内にはDJブースも完備。
週に1回「解放デイ」が設けられており、手が空いていれば現役DJでもある平島さんから簡単なレクチャーを受けることもできます。
ランチはブリトーを提供
12時~16時のランチタイムは、ブリトーのお店として営業。
ラインナップの中には月替わりのブリトーも。
絶品のブリトーは夜の営業でも楽しむことができます。
詳細は、お店の公式サイトやSNSをご確認ください。
店舗公式サイト
平島さんの開業経験談
ミュージックバーの開業を実現させた平島さんに、これまでの開業に関する経験談を伺いました。
音出し可能な店舗を求めての物件探し
平島さんが開業したお店はミュージックバー。業態柄、店内で音を出すことが物件探しの必須条件でした。
音を出せる店舗を開業するための物件探しには、どのような実態があるのでしょうか。平島さんの経験談を伺いました。
「ミュージックバーなので、音が出せる物件を探すことになりました。音出しの可否について募集資料に明記されている物件もあれば、可能か不可能か自体が明記されていない物件もありました。音出しについて触れられていない物件は、内見に行って大家さんと話をしてみないと分からない場合も多かったので、手間はかかりました。」
物件探し中には、気に入った物件を競合負けによって逃してしまった経験もあるという平島さん。
内見で大家さんと話をした際、音を出すことについてあまりよく思っていないように伺える節があったことから、音を出す業態であることがネックになったのではないかと振り返ります。
物件や業者によっては、募集資料上では音出しの可否が明確にされていない場合も。
中には音出しに関して想定や取り決め自体がされていないこともあるため、資料上では音出しに関する記述がなかったとしても、交渉次第で可否が決まることもあり得ます。
平島さんのように音を出せる物件の取得を目指す場合は、事前に不動産業者や大家さんに音出し可否の確認を取ってから申し込みを行うことが推奨されます。
業態名の変更まで考えた競合負け。どのように挽回した?
前述の競合負けを喫した物件は渋谷にありました。
平島さん自身がDJとして渋谷近辺で活動していることもあり、渋谷は物件探し開始当初から一番の理想としていたエリアでした。
競合負けとなってしまった際の心境を伺うと、ミュージックバーという業態名の変更も考慮しかけたと平島さんは振り返ります。
「その時の物件は不動産会社経由ではなく、知り合いのつてを辿って飲食コンサルをやっている方に紹介していただきました。申し込む前から『MUSIC BAR i’ll〜アイル〜』と店名を決めてロゴも作っていたのですが、競合で落ちた時に『ミュージックバーという業態名自体を考え直したほうがよいのではないか』と紹介してくれた方に言われてしまって…。すでにロゴに業態名を入れてしまっていましたが、やっぱり業態名から変えた方がいいのかな、との話をするぐらいにはなっていました。」
「何件かの選考落ちはよくあること」
競合負けから業態名の変更が持ち上がるようになったという平島さんですが、気分が落ち込むようなことはなかったと振り返ります。その裏には、競合時の選考に関する心構えがありました。
「でも、その時に落ちたような(音を出すことが望ましくないとされる)物件ばかりではないと思いましたし、物件探しでは何件かの選考落ちはよくあることだと思っていたので、そこまで落ち込むことはなかったですね。」
当時は法人相手の競合であった点からも、選考落ちの可能性についての冷静な心構えができたといいます。
「私は個人での申し込みでしたが、もう1件の申し込みが法人でした。音を出すこと以前に、法人と個人が天秤にかけられたら法人が優先される傾向にあるだろうとは思いましたし、そのような面からも選考落ちは誰にでもあり得ることだと思えました。そう思えば気持ちの切り替えも早かったですね。」
しっかりと気持ちを切り替え、業態を変えずに物件を探し続ける道を選択した平島さん。
自ら積極的に不動産業者をまわりながら物件を探し、2019年9月に池尻大橋にてミュージックバーの開業を果たしました。
クラウドファンディングを実施
平島さんは開業資金を集めるため、クラウドファンディングにも挑戦。

知っている方々からの支援も多かったと振り返りますが、これも周囲から応援されている証。
総勢70人からの支援を受け、見事目標金額の100%を達成しました。
クラウドファンディングを利用するにあたっては獲得金額から所定の手数料が引かれることになります。しかし、自身の想いを書くページがあったことや、周囲の方々も応援してくれたことから、手数料が掛かっても「やって良かった」と振り返ります。
開業して感じた喜び「人との繋がりを得られた」
開業して感じた「喜び」について伺ってみると、人との繋がりを得られたことが良かったと平島さんは語ります。
お店では平島さん自身がカウンターに立つため、様々なお客さんとの交流が日々生じます。
また、ミュージックバーということもあって音楽関係の方の来店も。さらに、その方が友人・知人を連れて来てくれることで輪が広がっていき、メジャーな方が来てくれたこともあったようです。
開店から半年弱が経過した現在、地元住民を中心に常連になる方も着々と増えており、中には「ここに来るのが楽しみなんです」オープンから2~3日に1回のペースで来続けてくれる方も。
平島さんは「人に楽しい時間やパワーを与えられる場所が作れていることが嬉しい」と、笑顔で語ってくれました。
夢語るノート
平島さんが開業する際に抱いていた想いには「夢を追いかけている人同士を繋ぎたい」との考えもありました。
そこで、『MUSIC BAR i’ll〜アイル〜』には「夢語るノート」を設置。

ノートには、平島さんが綴った想いをはじめ、来店した方々の夢への想いが書き綴られています。
ご興味のある方や、追いかけている夢をお持ちの方は、ぜひ一度お店を訪れてみてはいかがでしょうか。
店舗情報【MUSIC BAR i’ll〜アイル〜】
- 住所
- 東京都世田谷区池尻2-31-23ニュー池尻ビルB1
- 営業時間
- [火~木] 12:00~16:00 20:00~24:00
[金・土] 20:00~深夜
[日] 20:00~24:00 - 定休日
- 月曜日
- 業種
- ミュージックバー
- 店舗情報
- https://musicbarill.work//Instagram
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