開業ブログ
【第54話】新店舗狂奏曲Part1
山田 耕路 さん
こんにちは、焼鳥酒場鶏のから騒ぎ 中の人のこー爺(じぃ)です。
想定以上に暑く、テラス席用に冷風機を導入しましたが追いつきません。
外の2席が稼働しないと大幅な売上減となり、8月・9月は苦戦が予想されますね。
7月は週末2日間において月末の土日が久々にコケましたが、全体的には大入りで、社内売上目標としては酒類提供が解禁された昨年の10月より”10ヶ月連続達成”と悪くない数字を叩き出すことができました。ご来店頂いたお客様には本当に感謝しかありません。引き続き鶏のから騒ぎを宜しくお願い致します。
さて、表題にもある新店舗情報についてですが、昨年断念した寿司居酒屋「ネタの踊り喰い」の企画以降も実は2号店出店に向けて精力的に動いていました。
今年2月末には鶏のから騒ぎがある商店街内でお花屋さんが閉店した為、その物件を狙いにワインバー業態を企画。
ドミナント戦略を進めます。
立ち飲みのワインバーとして都内で30店舗以上展開しており、閉店後によくお伺いさせて頂いている「Vivo daily stand」さん。今回FC加盟を視野に、その創業者である会長さんへアポを取り、お話を聞きに。
…結果から言うと、自身がオリジナル業態で攻める判断をしたことから加盟には至りませんでした。
しかし、貴重なお話の数々を聞かせていただきました。有難うございました。
そして、頭の中の様々なイメージを具現化させて、いざ大家さんへ直談判。
実は、大家さんが同じ商店街の組合員だったんですよ。
結果として、プレゼン資料はとても評価されたのですが、この物件には共同オーナーがいらっしゃるとのことで飲食業態の参入は否定的。
残念ながら契約には至りませんでしたが、またチャンスがあればアタックしてみたいですね。
ちなみに新業態のワインバーのイメージ画像を貼ってみますね。
店舗名は「鉄板焼き&ワインバー しゃべくりワイン」の予定でした。

ワンバーの検討図面
いかがでしょうか。
こちらはオーナーが30年以上運営してきたお花屋さんのイメージを崩さない形でデザインしています。
練馬にあるオザキフラワーパークさんはとても参考になりました。花の溢れる前テナントを忘れさせない良いデザインだっただけに残念ですね。
つづいて検討したのが、西武池袋線椎名町駅前の商店街にある物件。
物件を問い合わせたら既に申し込みが入っていた為、断念…
と思いきや、後日、たまたま店舗物件専門業者の担当者と話していたら、実はその業者が申し込んでいたのが発覚。事態は急激に動き出しました。
本気で獲りに行こうと、今回は内見に内装業者の社長にも同伴していただき現地へ。
12.34坪のスケルトン物件ですが、本来の公募価格は25万円。
今回はサブリース扱いになる為、30万円以下に抑えてくれれば借りる事を検討すると伝え内見。
広さ的には問題ないのですが、ガス容量がほとんどなく、プロパンを店外に置くのもスペースが無い為無理。
IHで調理するしかない物件でしたが、そこが一番の問題ではなく、実は、この商店街が3年後に取り壊されてリニューアルする計画があるとのこと…
ただ、今回の物件、契約種別が普通借家契約なんですよ!驚きですよね!
通常だとそういう物件は定期借家契約なはずなんですけどね。
貸主と借主の間で賃貸契約を結ぶことを「借家契約」と言います。
・「普通借家契約」…1年以上の賃貸借期間が定められており、契約の更新が可能。貸主からの中途解約については正当な事由が無い限り認められません。
・「定期借家契約」・・・契約期間が決められており、契約の更新が無い or 再契約しづらい。また、中途解約が認められにくいです。
普通借家契約において立ち退きを強いられた場合には、交渉することが可能で、おおよそ立ち退き料を請求することができます。
でもね、たぶん2000万円位の投資を3年で回収するのは不可能だと思いますし、立ち退き料がいくら入るかも不透明。ギャンブル的要素が激しいので、ここも断念です。
鶏のから騒ぎ業態で立ち上げれば、椎名町の他の居酒屋には勝てると思ったんですけどね…
さあ、どうしようか…
途方に暮れていたこー爺(じぃ)。
しかし、またまた神様はピッタリな物件情報をプレゼントしてくれます!
から騒ぎがある中板橋の駅の反対側、北口駅前徒歩2分に13坪の物件が出ました!
メイン通りにあるその物件は元美容室跡地で広さも申し分なく、家賃も30万円と手が出る範囲内です。飲食も可能ということで、今回5月に諦めた花屋跡地に予定していたワインバー業態を再挑戦する事にしました。
ラーメン屋や唐揚げ屋など、競合他社も続々と手を挙げる中、うちも負けじと申込みを行います。
ここからは大家さんに選んで頂く為に、他社とのプレゼン勝負。
お店のコンセプトや平面図、営業時間、料理のイメージ写真などを添えて不動産担当者経由で大家さんに渡してもらいます。これについては既に花屋さん跡地のプレゼン資料があったので、多少の手直しですみました。

平面図

パース
そして、7月20日。
見事にプレゼン内容が認められ、うちが借りられる事になりました!!
嬉しい!
前テナントが8月中旬にスケルトン戻しをするということで、契約期間が中途半端にならないよう9月1日からうちが借りるという条件のもと、契約書を交わすことになりました。
平面図のイメージは既に出来あがっているので、内装業者に外観・内観のイメージを伝えて本格的な見積もりを取っていただき、厨房メーカーには機器類を細かく指示。その他、USENやマット、おしぼり業者などとどんどん打ち合わせを重ねていきます。
鶏のから騒ぎでは、8月はメニュー内容を固めるために酒販業者と市場調査を繰り返すため、営業を半分に減らしてシフトを作成。
あわせて人材採用も検討する為、社員を迎えるにあたっての就業規則や給与体制などについて複数の社労士にプレゼンしていただき、そのうちの1社にこちらの要望を伝えます。また、助成金も活用する為、委託業者を介して事業再構築補助金をお願いする手筈も整えました!
…ところが、まさかの事態が!!!!!
8月1日に不動産屋の担当から電話が入り、
「大家さんがやっぱり飲食店にテナントを貸したくないと言っているのでこの話は無かった事にしてくれ」
と言ってきました。
…( ゚Д゚)ハァ?
どうやら近所の親戚がテナントビルをお持ちで、過去に飲食店に貸したらトラブルだらけだったので貸さない方がいいよと告げ口したみたいで…
こちらとしても寝耳に水で、既に業者さんも手配しているので「引けませんよ、なんとかならないですか」と食い下がります。
ですが、不動産屋も「これ以上大家さんに言うとうちも切られてしまいますし、そもそもまだ契約書を交わしていないから契約違反ではないですよね」という始末。
をぃをぃ、そんな事あるのか…
たしかに、うちで決まりましたと言われてから、まだ前テナントがスケルトン工事に入っていなかったし、9月1日でこれから契約書交わしましょうと口約束しただけで、最初の「うちに決まった」という言葉を鵜吞みにした自分も悪い。
…いや、でも、完全に詐欺にあった気分ですね。
何度も食い下がりましたが、不動産屋がグルな為、大家さんにも1度も話が出来ないまま想いを伝えられなく終戦。
皆様、契約書を交わすまでは自分のテナントではありませんよ!
(これ大事)
「他の業者にひっくり返されて取られることも充分にあります」
と、よく起業セミナーで言われていたことを3年ぶりに思い出しましたよ…
2月末から8月までの狂騒曲、いかがでしたでしょうか。
相思相愛になるテナント物件を見つけるのは、本当に大変な作業ですよね。
なお、現在は引き続き物件を模索中です。
最近、“この物件が撤退したら借りたいな”と昔に思っていたテナント物件が12月に撤退する情報を仕入れました!
現在、全力で獲りに行こうとしていますので、この話の続きも書ければと思います。お楽しみに!
そして、表題に「新店舗狂奏曲Part1」と書いたように、今回の話と同時並行で頭を悩ませていた案件がこのブログでは書ききれなかったので、次のブログ投稿にてPart2として書きたいと思います。将来2号店を検討されている方は知識としてぜひ参考にしてみて下さい!
本日も最後までお読みいただきまして有難うございました!
次もなるべく間を開けないように書きます!
がんばりますので応援宜しくお願い致します!
また、飲食業コンサルタントも始めました。
■開業支援
■店舗撤退支援
■FC加盟事業
■物件情報
■水光熱費のコストダウン提案
■厨房備品のコストダウン販売
■税理士紹介 など
サポート内容に少しでもご興味ありましたら直接こー爺(じぃ)までご連絡下さいね。
実際に飲食店舗を開業して継続運営しているこー爺(じぃ)の経験値を生の声でお伝え、支援しています。
物件情報はABC店舗さんでもご相談頂けます。

経営
山田 耕路さん
高校卒業1週間後、地元の北海道より役者になる為に上京。
大手劇団に所属するも、自分の目指す芝居と方向性が違う為、1年後に自分で小劇団を立ち上げ、約9年運営。
劇団運営中、知り合った別の劇団の嫁と結婚を機に飲食業の世界に就職。
自分の接客・料理でお客様が喜ばれる事が肌で感じられ、舞台のスポットライトとはまた違うやりがいを感じ、天職と思い20年以上勤務。
外食・中食・給食と様々な経験をして、残りの人生を「社会に飲食業で貢献する」仕事をしたいと独立を決意。
夢は「毎日オープンしているこども食堂」を開く事!
中板橋駅前にて、2020年4月20日に『焼鳥酒場 鶏のから騒ぎ』をオープン!
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