開業ブログ

【第63話】オープンしてからの受難は続くよ? ~ 人の問題編 ~

山田 耕路 さん

 

こんにちは、鶏のから騒ぎグループ 中の人のこー爺(じぃ)です。

現在、新店舗はオープンしてから2ヶ月が経過しています。

 

さて、オープン前後でどの経営者も総じて何に苦労するか、皆様ご存じでしょうか?

 

…そうです、【人】の問題です。

 

今回、新店舗はゴールデンウィーク明けと想定していた4月オープンは間に合いませんでしたが、アルバイトを募集するには丁度良い期間でした。学校も新学期を迎えて生活に慣れてきた頃である為、そろそろ余裕も出来たしバイトを始めようか、という頃合いです。

 

求人を3月中旬からの掲載に設定。

リクルート社のタウンワークに今回もお世話になりました。

 

「オープニングスタッフ」というキーワードは求職者にとって非常に人気が高く、続々と応募が続きます。また、鶏のから騒ぎでは若い子達をターゲットにしている為、意図的に下記のワードを必ず入れてもらっています。

 

はい、皆様メモのご用意!!

【1】髪型・髪色自由
【2】ネイル・ピアスOK
【3】おしゃれOK

 

昔の飲食業界は黒髪のみ、ピアス・ネイル不可というところが大半でした。

今でも高級店なんかは多いと思いますが、そんなものは頭の固い経営者が運営しているところです。10代・20代のアルバイトを採用したいなら、時給ばかりに注目するのではなく、こういう「おしゃれ」を柔軟に取り入れるべきです。

多くの若い女の子たちがこのキーワードで求人を探していますよ!

 

こー爺(じぃ)は自身も赤髪の為、髪色が派手な娘やネイルなんかもその娘たちの「個性」だと思い、特にルールに縛り付けたりはしません。

唯一NGにしているのは「香水や匂いのきつい化粧品や整髪料」のみです。お料理の邪魔をしちゃいますからね。

 

こうして開業前から多くの応募があり、有難い!

鶏のから騒ぎでは、基本的に従業員は女性を採用しているのですが、今回は男性も数人面接予定に組み込みました。

 

北区の東十条は、隣の十条に大学が2つある為、最初から求人訴求には自信がありました。なんせこの時期、尚且つ「オープニングメンバー募集」の見出しは強い!

 

…とは言え、本当に集まるかは半信半疑。

ですので、女性のみ募集予定でしたが男性も数名面接してみることにしました。

 

応募で来た最初の男性面接。

山口県から上京してきた28歳の元営業マン。

面接中ながらとても好感が持てる性格でした。

 

ですが、フリーターは要らない。

 

23出勤を複数名採用予定だったので、フリーターで週5勤務を採用してしまうと、この後の採用予定人数が大幅に減ってしまいます。

何よりフリーターに依存してしまうと、いざ辞められた際にいきなりシフトが回らなくなってしまいますのでそんな冒険は出来ません。

 

「君が正社員になる気があるなら採用するけど、フリーターのアルバイトは要らないので、このまま面接を終了するけどどうする?」

 

すると、本人はゆくゆく正社員希望を考えていたらしく、すんなり採用が決定!

彼を仮でM君とします。

 

この後も続々と面接が続いていきます。

JK4名。

JD3名。

短時間希望のフリーターが1名。

イケメン大学生が1名。

OL1名。

採用です。

 

こう並べるとかなり多くの人員を採用しているように見えますが、実際はオープン前に音信不通が2名。学校の成績や親に反対されて働くことなく去っていったJK2名…とオープン前日までに採用出来たのはJK1名、イケメン大学生1名+M君のみです。

 

これではまったく足りないので追加募集をかけていきます。

求人費もなかなか馬鹿になりません…

 

なんとかオープン後にはなりますがJK3名、JD1名、イケメン大学生1名、遅番専門OL1名+M君の陣容が固まりました。

 

ここから教育という段階に入るのですが、

 

ですが、

 

が!

 

JK1名が初出勤翌日、お店におばあちゃんが乗り込んできて、「うちの孫があんなに疲れているのを見たことが無い。どうか辞めさせてくれ」と。

 

…え???

 

続けて、JD1名のお父さんが急遽重度の脳梗塞で倒れて、「週末実家の手伝いに帰らないといけないので辞めさせてくれ」と。

 

さらに、JK1名は躁鬱病になってしまい、「医者に休むように言われたので明日から出勤出来ません」と…

挙句の果てには、イケメン大学生までも「留学が決まったので来月で辞めます」と…

 

…オープン1ヶ月で崩壊です。

 

そして追い打ちをかけるように、オープン2週間後にこー爺(じぃ)があまりの忙しさに疲労が溜まり、腰が砕け散り立ち上がれない状態に!!

 

激痛が走り、ぎっくり腰で現場に立てなくなりました。

ちなみにオープン2週間は24席が毎日3回転している激しい状況です。

 

新店舗を休むことは出来ない為、本店を臨時休業にして、社員・アルバイトを新店舗に集結させてこー爺(じぃ)の代わりに営業してもらうことに。

本店社員とM君では全体指示はまだ難しいのか、急激に売上が落ちていきます。

 

しかし、動けないこー爺(じぃ)はどうすることも出来ません。

1週間後、痛みがどうにか我慢できるレベルになったところで、本店社員を新店舗に持っていき、本店にM君を配置してマンツーマンで短期研修することに。彼の強化が全体の底上げになるとの決断でした。

 

順調に経験が積み上がるかと思ったのも束の間、金曜日の出勤時間に来ない…

30分近く遅れた頃に出勤。

 

こー爺(じぃ)がいなければ店は開いていませんでした。

尚且つ、開店前から並んでいるお客様もいて、M君は叱責されます。

 

さて、翌日。

土曜日はランチから激しく大入り状態で、そのままディナー営業まで途切れません。

 

ようやく21時頃に落ち着き、こー爺(じぃ)は新店舗も心配なので本店をM君とアルバイトに任せてタクシーで新店舗へ向かうことに。

 

M君には「こー爺(じぃ)が新店舗を見て忙しければ落ち着かせてからその後早上がりする。本店を閉めた後、新店舗の様子を見て、もしまたやられているようなら少し手伝ってから帰るように」と指示。

 

実際にはタクシーで向かった後、案の定新店舗はバタバタ状態。

全員に指示を出してオーダーを捌いていき、全体的に落ち着いたのがおおよそ24時前でした。

 

こー爺(じぃ)はもう大丈夫と判断して帰宅。

腰がヤバい…

 

翌日本店に出勤。

 

また出勤時間を過ぎてもM君は来ない。

ため息をつきながら電話連絡するも応答なし。そのまま営業中何度電話しても繋がらない。

 

新店舗の社員に確認すると昨日24時半頃来たが、こー爺(じぃ)が店内を落ち着かせた為に特にやる事が無く、お店に来た常連客と飲みに出かけたとのこと。

 

出勤時に事故にでもあったのかとさすがに心配したが、夜まで電話したが繋がらない。

 

そして、その翌日も出勤してこず。

本店社員に休みのところ悪いがM君が心配だから自宅まで様子を見に行ってほしいとお願い。

 

自宅マンションは不在だったが台所の窓が開いていて、匂いから近い時間にタバコを吸っていたようだとの報告。

とりあえず本人はいなかったが、事件性は無さそうだと二人で安堵。

 

さらに翌日も出勤せず、電話にも出ない為、連休中の本店社員にまた自宅まで迎えに行くようお願いをする。

 

おそらく寝坊遅刻したばかりでまた寝坊し、来ずらくなっただけだと予想。

やってしまったことは仕方ないので、ただ謝れば良いだけなのに、自尊心やプライドが邪魔して逃げているだけ。このままでは逃げ癖がついてしまうので、本人を連れ戻した方が良い。また、店の鍵や金庫のカギを持っている為、何かあった際にM君を疑うことになってしまう、それは避けたい。

 

その夜、本店社員が自宅へ行くと、寝起きのM君がいました。

熱く語る本店社員の言葉は本人の心を通過しているよう…

結果、連帯保証人の親へ連絡する前に本人が朝方鍵を返却していました…

 

M君が退職後、お店にはM君に会いに来た近所の人たちが何人もご来店。

彼の人柄は短期間で確実にお客様の懐に入っていたのですね。良い店長になった可能性があるだけに勿体ない。

 

学生時代から逃げてばかりいた本人は、地元でも変わることができず、東京に出てきたら変われるかもしれないとようやくチャンスを掴みかけていただけに、寝坊をきっかけに「寝坊したのは仕事が忙しくて身体が疲れていたせい。自分の責任ではなく、休みが取れなかったお店の責任だ」と言い訳しているのかもしれませんね。とても残念です。

 

さて、残り2名では営業できません。早急に人員を立て直しかけます。

 

創業時と2号店出店時、共通するのはとにかく【人】の問題です。

ここさえ乗り越えられれば営業に集中できるようになります。

 

再度募集するには時期がずれてしまい、苦戦は免れない為、予算50万円をかけて3つの媒体(求人ドットコム・マイナビ・バイトル)にがっつり掲載します。

「オープニングスタッフ」というキラーワードはオープンから3か月間使用できる為、今回もこちらを武器に。実に30名ちかい応募が集まり、現在は立て直しに成功しました。

 


 

…いかがでしたでしょうか。

 

「人材」は、入社したばかりでは「人在」です。

そこから指導・教育していき「人材」になります。

しかし、教育が悪いと仕事は出来るけど言うことのきかない「人罪」になってしまいます。

本人に想いをぶつけて一緒の方向へ歩み始めた時、いつしか「人材」は「人財」となり、お店の大切な存在に昇華していきます。

 

人の問題は飲食店を運営している限り、ずっとついてきます。

 

本日も最後までお読みいただきまして有難うございました!

これからも2号店の現況や創業店の出来事なども織り交ぜながら、さらに起業準備中の皆様のお役に立てる情報を発信していきますね。

また、飲食業コンサルタントも始めました。

■開業支援
■店舗撤退支援
■FC加盟事業
■物件情報
■水光熱費のコストダウン提案
■厨房備品のコストダウン販売
■税理士紹介 など

サポート内容に少しでもご興味ありましたら直接こー爺(じぃ)までご連絡下さいね。
実際に飲食店舗を開業して継続運営しているこー爺(じぃ)の経験値を生の声でお伝え、支援しています。
物件情報はABC店舗さんでもご相談頂けます。

経営

山田 耕路さん

高校卒業1週間後、地元の北海道より役者になる為に上京。

大手劇団に所属するも、自分の目指す芝居と方向性が違う為、1年後に自分で小劇団を立ち上げ、約9年運営。

劇団運営中、知り合った別の劇団の嫁と結婚を機に飲食業の世界に就職。

自分の接客・料理でお客様が喜ばれる事が肌で感じられ、舞台のスポットライトとはまた違うやりがいを感じ、天職と思い20年以上勤務。

外食・中食・給食と様々な経験をして、残りの人生を「社会に飲食業で貢献する」仕事をしたいと独立を決意。

夢は「毎日オープンしているこども食堂」を開く事!

中板橋駅前にて、2020年4月20日に『焼鳥酒場 鶏のから騒ぎ』をオープン!

■食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1322/A132203/13246567/

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