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飲食店の店舗内装を作る流れは?デザインや見積もりなど、押さえるべき4つのポイント

飲食店の店舗内装を作る流れは?デザインや見積もりなど、押さえるべき4つのポイント

飲食店を開業する上で、お店を印象づける内装はとても重要。いくら提供する商品に魅力があったとしても、土地柄への適正や居心地の良さが欠けていると客足を掴むことは難しくなります。そこで今回は、飲食店の内装を施す際の工程とポイント、費用などについて解説していきます。

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飲食店における内装の重要性

店舗の内装は、外観と同様に「お店の顔」を担っています。
低予算での開業を希望している方の中には、内装工事費をできるだけ削ろうと金額の安さばかりを追い求める方がいますが、一度つくった内装は変更することが難しく、営業の最中で問題が生じれば反って時間やコストを無駄にしてしまう可能性も出てきます。従って、オープン時に一番理想とする状態でスタートさせることが望ましい。
特に、顧客が出入りする間口は、回転率や来店のしやすさなど集客にも影響する部分なので十分に注意を払う必要があります。

内装デザインを決めるにあたっては、「コンセプト」を明確化することが大切です。どこに行っても似たようなつくりのチェーン店が流行っていた時代とは異なり、現在はひと味違うコンセプトで他店との差別化に成功したお店に人気が集まる時代となっています。

コンセプト設計は、店内のデザイン的な要素だけでなく、ターゲットとなる客層や商品の単価・プロモーション方法など多岐に渡る項目について考えながらお店のイメージを固めていきます。「どんなお客様にどんなものを提供したいか」「どんなお店として売り出したいのか」といった顧客の利用価値を考えることで、おのずとお店の空間を創造し内装の適正化を図ることができます。
内装デザインを施行会社やデザイン会社などのプロに任せるのであれば、このコンセプトを詳しく説明した上で、予算に見合う設計を依頼することが大切となります。

コンセプトの設計方法については、
こちらの記事をご参照ください!

内装工事の流れ

内装業者に設計や工事を依頼する際には、おおまかに以下の流れとなります。

【1】現場調査(店舗内の採寸、エントランスの状況確認etc.)
【2】内装の完成イメージをCGパースなどで三次元的に再現
【3】打ち合わせ
(業者のプレゼンを受けた上で、修正箇所の洗い出しと詳細の取り決めを行う)
【4】工事費用の見積もり
【5】契約
【6】着工
【7】工事完了

なお、契約の際には「〇〇月△△日までに工事が終了する」という取り決めが確認され、業者は工程表に従って工事を進行。一般的に、飲食店の内装工事では、まず電気や給排水・給排気・空調設備などの部分から取り掛かり、その後に厨房・フロアの内装・照明・什器、そして通信配線・看板といった順で作業が行われます。そして、期間内の工事が終了した時点で責任者立ち会いの下物件を確認し、問題がなければ工事完了となります。

スケルトンから内装をつくる場合の費用相場

これまでお店を持ったことのない人にとって、店舗の内装・施工にいくらかかるかというのはなかなか想像がつきにくいところだと思います。ここでは、躯体だけの【スケルトン物件】で内装をイチからつくる場合にどのくらいの費用がかかるのかを詳しく見ていきましょう。

【アパレルショップや整体院、物販店】
複雑な設備を必要としない店舗の場合、坪単価15万円~20万円
【美容室、エステサロン】
水廻りの設備を必要とする店舗の場合、坪単価が30万円~40万円
【飲食店】
厨房設備を必要とする店舗の場合、坪単価30万円~50万円

この費用相場は地域によって異なり、東京や大阪などの都心部と地方都市では大きく差が生じています。また、内装業者によってもばらつきがありますので、複数の業者に見積もりを依頼し比較検討することをおすすめします。

ひと昔前までは、店舗を閉店して物件を解約する際にはスケルトンの状態に戻す「原状回復工事」が必須となっていましたが、ここ数十年では、居抜き物件の人気が高まったことで、解約後に内装・厨房設備や空調、什器類などを引き継ぐ「造作譲渡」が多く見られています。【居抜き物件】を利用して開業する場合の費用相場は坪単価15万~30万と、大幅に工事費用を抑えることができます。また、居抜き物件を利用することで工事日数の短縮を図ることも可能となり、物件契約後すぐにオープンできるメリットを得られます。

スケルトン物件と居抜き物件の比較については、
こちらの記事をご参照ください!

開業にかかる費用と売上予測のシミュレーション

店舗の内装は最初こそお金がかかりますが、年ごとに内装を変える訳ではないので耐用年数や営業年数なども加味して十分に採算が取れる範囲で予算を組むことが大切です。予算を組むにあたっては、まず開業全体にかかる費用の把握と売上予測を立てることが必要となりますので、こちらで詳しく解説していきます。 「どれくらいの費用をかけて、どれくらの利益が見込めるのか」は、おおよそシミュレーションで算出することができるので早速やっていきましょう。

まずは、【費用項目】を細かく洗い出していきます。

開業前に
必要な資金
(イニシャルコスト)
物件取得費 物件を取得する際にかかる費用
店舗投資費用 店舗の内外装の施工や、設備購入にかかる費用
開業後に
必要な資金
(ランニングコスト)
運転資金 お店を運営していく為に必要な費用
生活費 ご自身の生活に必要な費用

飲食店の開業にかかる費用には、開業前に必要な【イニシャルコスト(初期費用)】と開業後に必要な【ランニングコスト】があり、さらに「物件取得費用」「店舗投資費用」「運転資金」「生活費」の4項目に分けられます。以下、費用項目の内訳と相場についてまとめましたので詳しくみていきましょう。

イニシャルコスト(初期費用)

物件取得費用

費用項目 どんな費用か? 相場
保証金 退去時の原状回復費用や
家賃滞納時の補填に使われる費用
賃料の6~10カ月分
礼金 お礼の意味を込めて支払う貸主へ費用 賃料の0~2ヶ月分
仲介手数料 物件取引を成立させてくれたことの対価として不動産会社に支払う金額 賃料の1カ月分
造作譲渡費 *造作譲渡がある場合
前テナントから譲り受けた内装、設備などに対して支払う費用
物件によって異なる
(0~300万円程度)
前家賃 契約時にあらかじめ支払う入居月の家賃 賃料の1カ月分or日割り分

店舗投資費用

費用項目 内訳 相場
厨房設備費 調理台やガス台、冷蔵庫など 物件によって異なる為、
各業者に見積もりを取って
確認してください。
外装費 主に看板の制作・施工
内装・設計費 店舗の壁や床、照明機器や電気、ガス、水回り、インテリア
備品費 調理器具や食器、洗剤などの消耗品
レジ導入費 POSレジ・タブレットなど
販売促進費 宣伝の為のチラシやWEB広告、食べログなどの各種サービス
人材募集費 アルバイト募集にかかるチラシや求人サイト掲載
販売促進費 開店前の研修など

おおまかに初期費用がどのくらいかかるのか、必要な資金の算出が出来るよう、計算フォームと店舗投資費用額の相場を記載した【初期費用額計算シート】をご用意しましたので、お気軽にダウンロード(無料)してご活用ください。

ランニングコスト

運転資金

費用区分 内訳
固定費 賃料、通信費、保険料、リース料、減価償却費、支払い利息など
変動費 水道光熱費、人件費、広報・宣伝費、仕入れにかかる費用、
消耗品費、修繕費、交通費、交際費など

生活費

店舗に関わる費用だけでなく、生活に関わる費用も忘れずに予算計上しておきましょう。こちらは、お店の売上がたとえ0円だとしても、ご自身やご家族が生活するのに最低限必要な金額を指します。家の家賃や水道光熱費、食費、お子さんの教育費など、運転資金同様に半年分は用意しておくのが安心です。

次に、【売上予測】を立てます。

売上予測の立て方

月々の売上を予測するにあたっては、以下の公式で求めることができます。

売上高 = 客単価×席数×回転数×営業日数(/月)

飲食店経営では売上の良し悪しを判断する指標として、「坪月商」という考え方があります。
これは、1坪当たりの面積に対してどれくらいの売上を立てることができたかといった視点で売上をみていく方法で、【月商÷坪数】で算出することができます。坪月商が15~20万円程度であれば一般店、坪月商が30万円を超えれば繁盛店といわれており、中には3.5坪で月の売上が500万円、つまり坪月商が143万円といったモンスター級のお店も存在しています。これは店舗の規模に関係なく、小さな飲食店であっても高い業績をあげることが可能であり、いかに経営戦略が重要かを示しています。

また、売上を伸ばすためにカギとなる指標についても触れていきます。

回転率 = 1日当たりの客数÷席数
稼働率 = 満席時の客数÷総座席数

「回転率」とは、お客さまが一日に何回入れ替わったかを表す指標。
「稼働率」は、テーブルが満席になった場合に総席数の何%が使用されているかを表す指標です。一般的に、稼働率は60~70%が平均といわれていますが、稼働率が低い場合には本来受け入れ可能なお客様を逃していることになり、大きな機会損失となります。特に、テーブル席が多い店舗では、複数人での来店に対して荷物置きでの利用や空席があると稼働率が下がってしまいます。

回転率と稼働率を上げる対策としては、➀2人席を多く配置し来店客に合わせて変更できる席構成にする、➁大テーブルに仕切りを作って相席スタイルにする、➂滞在時間に制限を設ける、などが挙げられますので参考にしてみて下さい。

DIYで内装をつくる場合

さいごに、内装をつくる手段として挙げられるのが、専門家に依頼せず自分で作業を行う「DIY」。日曜大工が趣味の人であれば、お店の内装も自分でやってみようと考える人もいるかと思います。
DIYの大きなメリットは、何といっても費用が安く抑えられること。特に、クロスやカーペットの張り替えなどは、内装業者に依頼するよりも格段に安く仕上げることができ、自分で手をかけることによってお店への愛着も湧いてきます。また、業者へ依頼する場合には急な変更が難しいですが、自身で内装を施す場合には「こっちの方がイメージに合っているかも」「看板はこの方がお客様の目につきやすいかも」などといったひらめきで変更することも自由に可能となります。

ただし、DIYだけで全てまかなうことができないのもまた事実。開業準備期間ギリギリまで他で勤務しているのであれば、完成するまでに大幅な時間を要すだけでなく、空家賃が発生する可能性も出てきてしまいます。
従って、クロスの張替えや照明の設置など手の付けやすい範囲はご自身で作業し、設備の設置や大掛かりな作業を要する範囲は業者に依頼する、といったように効率性を踏まえて検討していくことをおすすめします。


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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