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飲食店経営の基本「原価率」の適正な決め方と下げる方法

飲食店経営の基本「原価率」の適正な決め方と下げる方法

飲食店の原価率について
飲食店を開業したいと思っているけれど、知識がないので開業に踏み切れない…と諦めていませんか。
開業を目指しても「店舗選び」や「メニューの考案」「原価率」など、考えなければならないことがたくさんあると混乱してしまいますよね。

そこでこの記事では飲食店経営の基本である「原価率」の適正な決め方と、原価率の下げ方について解説していきます。
飲食店経営を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店の経営の基本は原価率

原価率とは

原価率とか?
「原価率」というのは、売り上げに対する原価の比率のことです。
「原価」というのは商品やサービスを生み出す際にかかる費用の合計の事です。
飲食店では、料理や飲み物を作る際にかかる食材・飲料費が原価です。

お店を経営していくにあたって、とても大切な要素となります。

原価率の計算方法と業態別の平均

原価率の計算方法と業態別の平均
原価をより下げることで、お店の利益を増やすことができます。
原価率を低く抑えることができるよう、この章では原価率の計算方法を解説します。

また「飲食店の平均原価率はどれくらいなのか」という疑問も解消していきます。

原価率の計算方法

原価率の計算方法に関しては、決まった式で算出することができるので、その計算式を紹介します。

原価率は、
 「売り上げの原価÷売上高×100」
という計算式で求めることができます。

原価100円で仕入れた材料で、500円の商品を売った場合、
 原価率=(100÷500)×100
    =20.0

となり、原価率は20.0%であることがわかります。

飲食店の平均原価率

飲食店の平均原価率は、30%程度の場合が多いようです。
下図は【飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)】169名が回答したインターネット調査から得られたアンケート結果です。

この調査に回答した中で57.9%が東京での飲食店経営をしており、66.2%は一店舗のみを運営しています。

グラフを見るとわかる通り、7割以上の飲食店が原価率は30%以上と回答しています。
最も多かった回答が「30~34%」の範囲で40.8%でした。

次いで多かったのが「35~39%(26.6%)」その次が「25~29%(17.8%)」「40%~(10.7%)」「~24%(4.1%)」という回答でした。
飲食店の平均原価率
しかし、業態によっても差異が出るので、原価率は一律で30%程度というわけではありません。

<業態別の平均原価率>
 カフェ…約24~35%
 ラーメン…約30~32%
 レストラン…約37~45%
 居酒屋…約28~35%

個人経営の飲食店の原価率の決め方

個人経営の飲食店の原価率の決め方

個人経営の飲食店を開業する際に、どのように原価率を決定すればよいのかについて解説していきます。
自分のお店に合った原価率を決めるポイントを参考にして原価率を決定にしてください。

<原価率の決め方>
FLコスト・FL比率を考える
FLコストのFLとは、Fが食材費つまり原価のことを、Lが人件費の事を指します。
このFLコストの合計を売上高で割ったものがFL比率になります。
一般的にFL比率は50%程度に抑えるべきだと言われており、この比率を一つの指標にすることができます。

フードとドリンクの比率を考える
一般的な飲食店では、ドリンクの方が低い原価率となっています。
レストランなどでは、フードの方が高い比率になりますが、その中でもドリンクの比率を少しでも上げることができたら、原価率を低く抑えることができます。

原価の高い・低いメニューのメリハリをつける
メニューが豊富な場合は、原価が高いメニューと低いメニューにメリハリをつけ、全体で見たときに原価率を低く抑えられるような工夫をすることが大切です。
個人経営の飲食店の原価率の決め方

原価率が上がる原因

原価率が上がる原因
理想の原価率を算出し、理論上は可能だった場合でも、営業しているうちに思わぬ原価率の上昇がみられることがあります。
原価率が上がってしまう原因とは一体何でしょうか。

<原価率が上がる原因>
 食材のロス
 オーバーポーション
 仕入れ価格の上昇
 原価が高いメニューの比率が高い

これらの原因について詳しく解説していきます。

食材のロス

食材ロスが発生する原因として、以下のことが挙げられます。

<食材のロスにつながるもの>
 オーダーミス

オーダーミスによって廃棄となる商品が出てしまい、食材のロスに繋がります。
オペレーションミス
レジでのオペレーションミスによって、キッチンで違う商品を作ってしまい、結果的に廃棄となる食材のロスになります。
過剰な仕入れ
商品の売れる数を考えない過剰な仕入れをしてしまうと、使いきれなかった材料が余ってしまい、食材のロスとなります。

オーバーポーション

飲食店における「ポーション」とは、提供する食事の分量の事を指します。
オーバーポーションとは、この分量が過剰である、つまり決められている分量よりも多く提供してしまうことで食材のロスにつながるということです。

オーバーポーションしてしまうと、もともと得られていたはずの利益が得られないことからお店の損失につながります。
一つの商品に対してかかっていたはずの食材費、つまり原価が高くなってしまうので原価率が上がります。

仕入れ価格の上昇

食材費は価格の変動が激しく天候や伝染病の影響はもちろん、輸入品であれば為替の変動にも左右されます。
悪天候や自然災害などにより野菜や果物などの収穫量が悪かった場合、それらの仕入れ価格が上昇します。

お店によっては仕入れ価格によって商品の値段を変えているところもありますが、多くのお店は定額の価格にしているため原価が上昇すると原価率も高くなります。

またワインなどの輸入製品においては、為替の変動によって仕入れ価格が変動します。
よって円高の時には仕入れ価格は下がり、円安の時は仕入れ価格が上がってしまいます。

原価率が高いメニューが多い

単純に原価率が高いメニューが多いことも、原価率が高くなる原因の一つです。
お店の主力となる商品は良い食材やこだわった食材を使うことが多いので、原価率が高くなる傾向にあります。

新メニューを考えるときにも、高品質な食材を選んでいると原価率が高いメニューが増えてしまうのです。

飲食店の原価率を下げる方法

飲食店の原価率を下げる方法

飲食店の原価率を下げるためには、以下のような方法があります。

<原価率を下げる方法>
 ロス管理を徹底する
 調理マニュアルを徹底する
 価格変動を計算にいれておく
 メニュー構成や材料を見直す

それぞれについて詳しく解説していきます。

ロス管理を徹底する

食材のロスを少なくするためには、ロス管理を徹底する必要があります。

ロス管理を徹底するためにはまず「廃棄量・ロスを可視化すること」が重要です。
一日や一週間、一か月という期間内に、どのくらいの量のロスが出てしまったかを数値に出して可視化することで、現場のロス削減への意識を上げることができます。

また「在庫管理」を徹底することも欠かせません。
在庫管理をしっかりとすることで、次に仕入れる食材の量を適切に予測することができ、ロスを削減することができます。

他にも複数のメニューで共通の食材を使うことで、注文が少ないメニューの食材も効率的に使用することができ、ロスの削減につなげることができます。

オペレーションを改善する

オーバーポーションの対策として、オペレーションを改善することが重要になってきます。

作る・盛り付ける工程での食事の分量に関して、曖昧な表現ではなく、分量を明記することでオーバーポーションを防ぐことができます。
明確なオペレーションを心がけることが、ロスの削減に繋がるのです。

オペレーションを改善しオーバーポーションを防ぐことで原価率を抑えて、健全な飲食店経営を実現しましょう。

価格変動を計算に入れておく

仕入れ価格の上昇への対策として、事前に原価を多めに計算しておくことが挙げられます。

現時点での食材の値段だけを見て材料費の計算をするのではなく、食材が多少高くなってしまった時のことを考慮に入れ、多めの計算をしたうえで仕入れることで、食材が高くなっていても予想外の出費にならずに済みます。

メニュー構成や材料を見直す

原価率が高いメニューが多いことへの対策として、メニュー構成や材料を見直すことが挙げられます。

ある程度のこだわりは必要かもしれませんが、食材や仕入れ先を変更することでコストを下げることができたら原価率も抑えることができます。

またメニューの構成も原価率が高いメニューを多くするのではなく原価率を抑えたメニューをたくさん考案し、原価率の高いメニューを主力としておくことで原価率を抑えることができます。

原価率を安定的にコントロールする方法

原価率を安定的にコントロールする方法
原価は低ければ低いほどよいというわけでもありません。
安定的に適正な原価率で経営できることが重要です。

原価を安定的にコントロールする方法としては、以下のやり方があります。

<原価を安定的にコントロールする方法>
 棚卸し時に原価率をチェックする

毎月の月末に食材の在庫量を確かめる「棚卸し」を行うことで、原価率を知ることができます。原価率をチェックしていれば、メニュー価格を柔軟に見直し、在庫のロスを削減することができます。

ITシステムを導入する
ITシステムを導入することで、簡単で正確な在庫管理や売り上げのチェックをすることができます。
POSシステムという、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いるシステムがあります。

回転率アップの工夫をする
回転率を上げることで、定期的に注文があり、廃棄のロスを少なくすることができます。

まとめ

飲食店を開業するためには、原価率をどうすれば良いのかという知識は不可欠です。
原価率を下げることを意識することで、廃棄やロスを削減しお店の経営をよりよくすることができます。

今回解説した「原価率」を下げる方法を活用し、素敵なお店を開いてみてはいかがでしょうか。

原価率を計算する方法

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