特集記事

居抜きの厨房設備・機器類は使える?よくあるトラブルをチェックして対応方法を知っておこう!

居抜きの厨房設備・機器類は使える?よくあるトラブルをチェックして対応方法を知っておこう!

居抜きの厨房設備には注意が必須

飲食店の新規開業を考えている方の中には、居抜き店舗の取得を検討している方も多いと思います。
前の店舗が使用していた設備や内装がそのまま残されている居抜き物件は、開業費用を安く押さえられるだけでなく、開業までの時間も短縮することができます。

そんな居抜き物件は、一見メリットだらけのようにも思えますが、より安く早く、そして手軽に自分の店を持つことができる半面、きちんと物件を見定めないとトラブルにつながるリスクもはらんでいます。
そのため、事前に正しい知識を得ておくことが大切です。

今回は、居抜き物件に含まれている厨房機器に注目し、内見時にチェックすべきポイントやトラブル予防策、そして万が一トラブルになってしまった場合の対応策などをお伝えしたいと思います。

開業ノウハウ


▶その他の「飲食店開業のトラブル」に関する記事はこちらから!

居抜きの厨房機器類でよくあるトラブル

居抜き物件では、店舗だけでなく残されている厨房機器類もそのまま引き取り、使用することができます。
厨房機器を新しく購入する手間や費用を省くことができ、うまくいけば大幅なコスト削減にもつながりまる居抜きならではのメリットですが、中古の機器だけに「引渡し時には問題なく動いていたが、いざ開店してみると故障やスペック不足が発覚した。」などのトラブルも多いので注意が必要です。

もし故障してしまった場合、その機材を廃棄して新しく購入することになるため、安く抑えるどころか費用がかさんでしまうことにもなりかねません。
そうならないためにもどんなトラブルがあり、それを予防するにはどんな点を気をつければ良いかを知る必要があります。

まずは、居抜きで手に入れた厨房機器にありがちなトラブルを把握するところから始めてみましょう。

 
 
 

厨房機器別
トラブル実例
厨房設備 トラブル例
コールドテーブル 冷えない
排気しない
製氷機 氷ができない
すぐ溶けてしまう
水が垂れる
冷凍冷蔵庫 冷えない
扉が落ちる腐る
ショーケース 水が漏れる
冷えない
異音が聞こえる
ガスコンロ 火がつかない
コックがない
五徳がない
つけてもすぐに消える

これらの厨房機器を引き継ぐことになった場合は、動作チェックをおこない上記のトラブルがないかを最初に確認してください。

確認するべき厨房機器のチェックポイント

上記のトラブルを未然に防ぐために何をすればよいのでしょうか。今度はその具体的なチェックポイントをお伝えしたいと思います。
以下は内見の際に確認しておきたい最低限のチェックポイントです。

水漏れがないかチェックする

厨房機器類の置いてある床や壁戸の隙間の状態を確認し、水漏れがしていないかチェックしましょう。

使用年数を確認する

厨房機器の使用年数を確認しましょう。あまりに古いものは故障のリスクだけでなく、いざ壊れてしまった時にメーカーに部品がない場合があります。
また、厨房機器にも耐用年数があり、それを過ぎると経済的価値がなくなってしまうため、いざ売却しようとした時に買い取ってもらえなくなる可能性もあります。
比較的新しい厨房機器であれば、売却してそれを元手に新品を購入するという選択肢も念頭においておくとよいでしょう。

メーカーを確認する

飲食店の厨房機器には、ホシザキ、マルゼン、タニコーなどのメーカーがあります。どこのメーカーが製造した厨房機器かも確認しておきましょう。厨房機器の前面にロゴやメーカーラベルに記載されていることが多いです。
わからなければ不動産会社の営業担当や現店舗のオーナーに確認しましょう。

引継ぎ元を確認する

厨房機器が店舗に残っている場合でも、それがリース契約である可能性もあります。居抜き物件でリース契約が残っている場合は、「リースの権利も譲渡される=債務を継承する」ことになるため、あとから発覚して思わぬ出費にならないよう、事前に確認しておく必要があります。
確認先は不動産会社または現テナントオーナーです。
またリースの支払いが完了している場合でも、保守点検などを行うために契約が継続していることもあるため、現テナントオーナーとリース会社の間で、リース契約についてきちんと確認がなされているかも聞いておくと安心です。

使用の有無を確認する

厨房機器の中で使用していないものがないかについても確認しましょう。使用していない厨房機器がある場合には、なぜ使用していないか、そしてどのくらいの期間使用していないかも併せて確認します。
確認先は現テナントオーナーですが、直接コミュニケーションができない場合は営業担当を通して確認しましょう。

使用方法を確認する

厨房機器の説明書が残っていればよいですが、古い厨房機器などは説明書を紛失してしまっていることも考えられます。
その場合は、必ず現テナントオーナーもしくは営業担当に使用方法を確認しておきましょう。

いつ・どのタイミングで・何をチェックするか

チェックポイントがわかったところで、続いてはタイミング別にどのようなことをチェックすれば良いかをみていきたいと思います。

内見時にチェック — 厨房機器のトラブルがないか

居抜き物件を取得するためには、まず不動産会社が開催する内覧会や内見に参加することが最初のステップになりますが、その際、不動産会社の営業担当または現テナントオーナーに確認していただきたいのが上述のチェックポイントです。

居抜き物件に付随する設備や厨房機器などを「造作」といいますが、居抜き物件にはそれらを譲渡する料金として「造作譲渡料」が加算されていることが多いです。最初の内見時には、どの機材が譲渡に含まれていて、どの機材は含まれていないのかというおおまかな内容についてだけでも確認しておきましょう。
特に厨房機器のリース契約の有無や、その機器を引き継げるか否かについては、後々トラブルになることが多いので注意が必要です。

契約前にチェック — 造作譲渡リストを細かく

そしていくつかの内見を経て、候補となる物件が見つかれば、今度はその物件について細かく確認する必要がでてきます。契約を交わす前に、必ず「造作譲渡リスト」をチェックしましょう。
基本的には、不動産会社がリストを作成してくれていますので、それを見ながら、できれば現地で一つ一つの内容と価格を確認し、あらかじめ打ち合わせして決めておくとよいでしょう。
特に注意が必要なのが、「一式」として譲渡され、その中に不必要な造作が含まれていた場合です。別途処分費がかかってしまうことになりますので、その場合は見込まれる処分費用を引いてもらうなどうまく交渉をしてみるとよいです。
そしてすべて納得をした上で、賃貸借契約・店舗資産譲渡契約をかわします。

これらのことを怠ると、引渡し時に「不要な厨房機器が残されたままでその処分に困ってしまう」などのトラブルに発展してしまいます。
また余談ですが、厨房機器や設備の確認と同時に、退去時のゴミの処分についても取り決めておくことをおすすめします。居抜き物件の引渡し時のトラブルの一つに、物件の鍵の受け取りをし、いざ明け渡しとなった際、「掃除もなにもされないままゴミが散らかっていた。」というケースをよく耳にします。
自分では常識だと思っていることも、相手にとってはそうでない場合が多々ありますので、少し細かいくらいの確認がトラブルを未然に防ぐことにもつながります。

トラブル回避はコミュニケーションが鍵

ここまでお伝えしたチェックポイントをひとつひとつ確実に実行すれば、多くのトラブルは予防できます。とはいえ居抜き物件にある厨房機器類は、年式の違いはあれど基本的には中古品です。あまり過信はせずに、故障などはあり得ることと想定して予算やスケジュールに調整可能な範囲を組み込むことも大切です。
またトラブルを未然に予防するためには、円滑なコミュニケーションが大切です。それもただやみくもにコミュニケーションをとるのではなく、不動産会社や内装・施工業者など第三者を経由して連絡したほうが効果的な場合もあります。状況に応じて臨機応変に対応できる心の余裕ももっておきましょう。
そして、上記のチェックポイントを参考に、気になることは細かいことでも必ず営業担当者に聞くよう心がけましょう。
また直接現テナントオーナーに質問ができる内見の機会も積極的に利用するとよいです。

万が一トラブルがおきてしまった場合の対応

細心の注意を払いトラブルを限りなく0に近づけることはできても、100%トラブルが起きないという保証はありません。そのためもしもトラブルが起きてしまった場合、どのように対応をすればよいかも考えておきましょう。
万が一トラブルがおきてしまった場合は、感情的になるよりも事務的に粛々と事を進めるほうがかえってよい場合が多いです。
感情的になることで別のトラブルをうんでしまう危険性があるからです。以下の手順を参考に、落ち着いた対応を心がけましょう。

”なにを” ”いつまでに” ”どのように” と明確化

営業担当者は日々複数の案件を動かしているため、連絡する際はこちらである程度情報を整理し、返答に期限をもうけて依頼することでスムーズな対応を得られます。

トラブル対応にどの程度費用負担が発生するかを確認

トラブルが発生してしまったら、気になるのが費用面です。予算の範囲内におさまるかどうかまず必要経費を確認しましょう。

責任の範囲を明確化

費用面が明らかになったら、次はトラブルの責任がどこにあるかを確認しましょう。
たとえば物件引渡しを終え、内装工事中に突然の厨房機器の故障が起こった場合、責任は売主にあるのか、内装・施工業者にあるのか、はたまたご自身にあるのかをまず確認する必要があります。
契約書の「契約不適合責任(瑕疵担保責任)」(売主側の責任)に該当するかも含め、営業担当に問い合わせるなどして責任範囲を明確にしましょう。

オープンに影響がある場合、不動産会社と協議する

そしてトラブルによって予定していたオープン日に間に合わなそうな場合は、すみやかに不動産会社と対応方針の決定のために協議しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。どれだけ細心の注意を払っても、完全にトラブルを防ぐということは難しいことです。そのうえ居抜き物件はメリットが多い半面、知らないと大きなリスクとなってしまうことも少なくありません。
自己防衛のためにも事前に知識を得ておくことは、安心やトラブル予防にもつながります。これから店舗の開業を考えている方は、ぜひ物件の内見をする前に、最低限見るべき厨房機器類のポイントを把握しておきましょう。

関連記事


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
物件のご紹介はもちろん開業までをサポートいたします!


簡単30秒で会員登録完了!

飲食店、物販、テイクアウトなどの店舗物件をご紹介します!

記事に登録されているタグ

Copyright © 居抜き店舗ABC, All Rights Reserved.