Before & After
前店舗からどのように生まれ変わったのか、実際の店舗写真を比較します。

外観

Before

img_b01

After

img_a01

もともとあった引き戸の表面に、新しく格子状の木材を取り付け、落ち着いた和の雰囲気と高級感を演出している。もともと木材でできていた扉横の縦長のスペースには、店の屋号がわかる看板を設置。「日本酒を扱う店」というのが伝わるようにと、目立つ位置に杉玉を飾り付けている。

1階

Before

img_b02

After

img_a02

クリーム色だった壁の色を黒と赤に塗り替えた以外は、ほとんど変えていない。厨房内も、鉄板を外し、中華用の五徳を入れ、カウンター前に耐熱ガラスを取り付けた以外はそのまま。

2階

Before

img_b02

After

img_a02

1階同様、テーブルや椅子、床などは手を加えずに使用。壁の色をクリーム色から黒へ変更し、デッドスペースになっていた左奥の倉庫を解体、そこにバーカウンターを設置した。

レビュー

京王新線で新宿から2駅の幡ヶ谷駅至近の「酒廊 而空」は、賑やかな甲州街道から一本裏に入った細い通りに面しているため、「駅近」と「隠れ家」という相反する特徴を併せ持った稀有な店だ。四川料理と日本酒という意表をつくペアリングがウリで、酒匠の資格を持つオーナーの山下勲さんが、それぞれの料理に合う日本酒を提案してくれるペアリングコースも人気を博している。

基本的に前テナントの内外装を活かし、手を加えた部分が少ないのが、この店の特徴だ。

一番大きく変えたというファサード部分は、既存の扉に格子・看板・オブジェを付け足すことによって、以前の大衆的な雰囲気からうってかわった、高級感ある店構えへと一変。店内は、1、2階ともに床、カウンター、テーブル、椅子などはすべてそのまま使用しているものの、壁の色を黒く塗り替えることによって、空間全体を引き締めてみせている。

強い火力を扱う中華の厨房は、オープンキッチンでも、お客さんに背中を向けた配置で作るのが一般的だそうだが、今回は、カウンターと厨房の間に耐熱ガラスを設置するというアイデアで、大規模な工事を避け、安全面にも配慮することに成功。

山下さんが地元の友人デザイナーと相談しながら考えたというプランは、マイナーチェンジで最大限の効果を引き出す、居抜きの利を活かした店づくりの好例といえる。

四川料理×日本酒という店のコンセプトを、内装で表現するのは難しいが、趣ある和の雰囲気と、赤と黒を基調とした内装イメージで、二つの個性をうまく融合させている点も、さすがといえる。