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喫茶店経営の基礎知識|カフェとの違いや純喫茶の魅力

喫茶店経営の基礎知識|カフェとの違いや純喫茶の魅力

最近、喫茶店に行かれたことはありますか?
カフェはよく行くけど、喫茶店は……と、多くの人がカフェと喫茶店を区別していますが、どんな違いがあるか明確に説明できる人は少ないかもしれません。
実はカフェと喫茶店は業務内容に違いはなく、一般的にはイメージだけで区別されているんです。

この記事ではカフェと喫茶店の違いと経営の基礎知識をご紹介します。

カフェ・喫茶店のイメージの違い

カフェ・喫茶店が日本で初めて開店されたのは、1888年と言われています。コーヒーを飲みながら文化交流するという目的で現在の上野に建てられました。
カフェと聞くと、現代的でおしゃれな空間を思い浮かべる人が多くいる一方、喫茶店はレトロな雰囲気をイメージされる人が多いのではないでしょうか?

しかし、街中の至るところで営業している、カフェや喫茶店の業務形態には特に違いがありません。

多くの人が持っているイメージにより、カフェと喫茶店が使い分けられています。
両方にどんなイメージの違いがあるか詳しく説明します。

カフェのイメージ

喫茶店とカフェの違い
カフェという言葉を聞いて、イメージされることは下記のようなものです。

<カフェのイメージ>
・おしゃれでスタイリッシュな内装
・新しい
・チェーン店
・カウンター席がある
・テラス席がある
・照明が明るい
・従業員に学生など若い人が多い
・駅や商業施設に併設されている
・セルフサービスのところが多い

カフェの需要は高く、大きい駅にはなどたくさんのカフェ店舗が併設されています。
スターバックスやドトール、エクセルシオール、タリーズなどカフェと聞くと思い浮かぶ店舗がたくさんあります。
街中に溢れていて、チェーン展開されているという印象が強いようですね。

喫茶店のイメージ

喫茶店のイメージ
喫茶店という言葉には、カフェとは全く違う印象を思い浮かべる人が多くいます。

<喫茶店のイメージ>
・レトロで落ち着いた内装
・店内はちょっと暗めの照明
・個人経営が多い
・オーナーやマスターが常にいる
・ナポリタンなどの食事がある
・ソファ席、ボックス席がある
・フルサービス(席までオーダーを運んでくれる)

このように喫茶店はどこか懐かしい、昔からある店というイメージが強いようです。
またカフェのようにチェーン展開されておらず、個人で経営されている店が多いように思います。

法律で定められたカフェと喫茶店の違い

カフェと喫茶店は、その言葉からイメージにかなり差がありますが、業務形態としては、店内でコーヒーや紅茶、または軽食を提供するという内容に違いは何も感じません。
しかし、同じようにも捉えられるカフェと喫茶店という呼称ですが、法律上で明確に違いが定められています。

第三十五条 法第五十一条の規定により都道府県が施設についての基準を定めるべき営業は、次のとおりとする。
一 飲食店営業(一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、レストラン、カフエー、バー、キヤバレーその他食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業をいい、次号に該当する営業を除く。)
二 喫茶店営業(喫茶店、サロンその他設備を設けて酒類以外の飲物又は茶菓を客に飲食させる営業をいう。)

上記のように法律に定められ、カフェには飲食店営業許可が必要になります。
それに対して、喫茶店は喫茶店営業が必要です。

カフェは「飲食店営業」

カフェは飲食店営業
前項で紹介したよう、カフェは飲食店営業許可が必要になります。

<飲食店営業で許可されている範囲>
・アルコールを含む飲み物の提供
・食事の提供

上記のように飲食店営業では、アルコールと食事の提供が許可されます。
カフェはコーヒーや飲み物だけではなく、パスタなどを注文できる店舗も多いです。
さらに夜はお酒を提供するお店もあるため、飲食店営業許可が必要になるのでしょう。

喫茶店は「喫茶店営業」

喫茶店は喫茶店営業
カフェは飲食店営業の許可が必要でしたが、喫茶店は喫茶店営業とカフェとは別の許可が必要です。

<喫茶店営業で許可されている範囲>
・アルコール以外の飲み物の提供
・茶菓の提供

喫茶店営業では飲食店営業よりも規制が強く、アルコールと食事の提供ができません。
茶菓子やサンドウィッチのような調理を必要としない食事の提供のみ許されています。
しかし、ここで疑問に思うことがありませんか?
喫茶店と言えば、昔ながらのナポリタンが売られているはずでは…?
そう、昭和レトロな喫茶店にナポリタンの組み合わせは鉄板です。
しかし、どう考えても調理が必要ですよね。この疑問には次でお答えします。

営業形態とお店の名前は関係ない

お店の名前と営業形態は関係ない
喫茶店営業では、アルコールと食事の提供が許可されていませんでした。
しかし、喫茶店で定番のナポリタンやカレーライスを食べたことがある!という方も多いはず。
そうなんです。喫茶店でも食事を提供しているお店はあります。

それはなぜかというと、喫茶店という店名がついているだけで、喫茶店営業許可ではなく飲食店営業許可を取っているお店だからです。
喫茶店という名前だから喫茶店営業である必要はなく、名前の付け方は自由なのでこのような現象が起きます。
喫茶店でアルコールや食事を出してくれるお店があるように、逆にカフェという名前でも、コーヒーや調理の必要ない軽食だけを提供するところもあります。

それはそのお店がカフェという名前ですが、喫茶店営業許可を取っているということです。

スタバやsazaなどチェーン店の業態


ここでは、コーヒーチェーン店といったらここ!という代表的な店舗をご紹介します。
さきほど説明した飲食店営業なのか、喫茶店営業なのか、店舗ごとにどちらの業態になるか、区分けしてみましょう。

●スターバックスコーヒー
特徴:アメリカのシアトルで開業し、世界規模で展開しているコーヒーのチェーン店。
日本で一番の店舗数を持っています。
フラペチーノなどフローズンドリンクが人気で、女性ファンが多いです。
業態:雰囲気はカフェですが、食事はサンドイッチや軽食がメインとなるため喫茶店寄り。

●sazaコーヒー
特徴:自社のコーヒー農園を南米コロンビアに持つ日本の会社です。おいしいコーヒーにこだわり抜き、コーヒーの木を育てることから、加工、焙煎、抽出、提供するまですべて自社で管理。コロンビアの品評会で優勝するほどの品質を誇っています。
業態:レトロな内装で、イメージは喫茶店。提供しているものもコーヒーとコーヒーに合う軽食のため、喫茶店営業寄り。

●タリーズコーヒー
特徴:アメリカシアトル発祥のコーヒーチェーン。25歳以上の客層を意識しており、分煙でタバコが吸えるなど、ビジネスマンから支持されています。
業態:空間のイメージはカフェ。お菓子やサンドイッチの他、パスタのような本格的な食事も提供しています。業態は飲食営業より。

ブーム再燃“純喫茶”の魅力

順喫茶の魅力

最近新しいカフェ文化の形として、「サードウェーブコーヒー」というものが注目されているそうです。
サードウェーブとは第3の波です。どんな波がきているのでしょうか?
その波とは、バリスタがハンドドリップで1杯ずつ淹れるスタイルです。
カフェ文化の当初、ファーストウェーブでは流通の発達により安価になったコーヒーがインスタントコーヒーとして手軽に飲まれるようになりました。
そして、セカンドウェーブではコーヒーショップのブームが起こります。

インスタントより高品質なコーヒーが求められ、ラテやカフェオレなど、アレンジした飲み方が広がりました。
現在のサードウェーブでは、より品質にこだわりその場で丁寧に1杯ずつ淹れていく手法がトレンドに。
しかし、この新しいと言われるスタイルですが、日本の喫茶店が強く影響しています。
日本の古き文化、アルコールやフードに頼らずにコーヒー1杯で勝負する、昔ながらの純喫茶の再燃と言えるでしょう。

純喫茶の歴史

130年ほど前から喫茶店やカフェは普及し始めました。
お酒を提供したり、女給が客の接待をしたりするバーやキャバレーのような形態も、カフェや喫茶店という名前だったため、そういった店舗と区別するため純喫茶と呼ばれる店舗ができました。
純喫茶はお酒類を扱わない、純粋にコーヒーを提供するお店のことをいいます。
銀座にできたカフェー・プランタンが日本初のカフェと呼ばれ、そこは女給が働いており、洋酒やグラタンなどの食事も出していました。それに対するカフェですが、業態はキャバレーでした。
谷崎潤一郎、森鴎外などの文化人が集まるサロンとして人気を博し、それをきっかけに至るところに喫茶店やカフェが続出。
その中でも大正時代に創業したカフェー・パウリスタは、コーヒー文化を支えた純喫茶として高い人気を誇っていました。

創業者の水野龍氏はブラジル政府との関係性を持っていたため、店内では純ブラジル風のコーヒーを提供していたと言われています。
カフェという名前ですがコーヒーを中心としたメニューで女給はおらず、今でいう純喫茶だったといえます。
こういった喫茶店やカフェという名前でも色んな業態が混在している時代でした。

喫茶店と純喫茶の違い

純喫茶はお酒や女給を扱わない、本来の意味での喫茶店の呼称となりましたが、その呼び名に特に法的な制約はありません。
明治以降、次々と喫茶店やカフェと呼ばれる店舗が増えていきましたが、多くはバーやキャバレーと言った業態のお店でした。
そのお店は「特殊喫茶店」と呼ばれています。
純粋にコーヒーを楽しむお店のことを純喫茶といい、またそのスタイルがブームを呼んでいるのです。

まとめ

カフェや喫茶店という文化は明治時代に生まれ、現代でも私たちの生活に根付いています。
明治時代のキャバレーのようなお店から大きく変容しているものもあれば、純喫茶と呼ばれ現代まで姿を変えず残っているものもあります。
また、喫茶店やカフェという同一の名前でキャバレーという業態が混在していたとは、現代では驚きですね。
今回ご紹介したように、日本人は喫茶店とカフェで大きなイメージ分けをしています。

それを踏まえて、今後喫茶店やカフェと言ったお店を開きたいという方は、店舗名だけでなく、飲食営業か喫茶店営業のどちらにするのか業態を決めていきましょう。

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