飲食店を開業しようと決め物件探しに着手するとき、みなさんはどんな基準で物件を選びますか?
「自宅から通いやすい」
「元職場の近く」
「知り合いが多い」
など、開業者の数だけ契約の理由があります。
しかし物件取得費用は高額で、一度契約を結んだ後に物件の変更や手放す、と言ったことは容易には出来ません。
そのため、物件の取得は慎重でありながら、納得行くものを選ぶ必要があります。
今回は「臨機応変にエリアを変えた人」「希望のエリアにこだわった人」と、2人の事例から【場所選び】に焦点を当てていきましょう。
【飲食店開業・物件探し】知らない街との出逢い
『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』という漫画をご存知ですか?テレビ東京でドラマ化も実現し、注目を浴びた漫画です。
吉祥寺の重田不動産という、少々変わり者の双子姉妹が経営する不動産屋を舞台に、様々なお客さんの物件探しを淡々と描く構成になっています。
物語に登場するお客さんは皆「慣れ親しんでいる」「住みやすい」といった理由で吉祥寺住まいを希望しますが、双子姉妹は彼らの話を聞きながら、彼らが住むべきなのは吉祥寺ではないと、様々な街へ強引に案内します。
お客さんも最初は戸惑いを見せるものの、双子姉妹と共に街を歩くにつれて自分の求めていた街、そして物件に出会う――簡単にいえばそんな物語です。
これは十分、物件探しにも通じるのではないでしょうか?
居抜き物件を探すとき、多くの人はサラリーマンに来てほしいから新橋や、若者をターゲットにしたいから中央線沿いとか、「場所」を条件に挙げる事が多いです。
もちろん、飲食店において場所は“重要なファクター”であり、それを条件として物件を探すことは自然なことですが、先に挙げた漫画の物語のように思いがけない街に運命の物件があることも少なくありません。
東京は不思議な街で、長く住めば大雑把な土地勘は身につきやすい一方、いくら住んでも気付かなかったような魅力ある街に出会うこともあります。
また、似ている街を探すことも物件探しには役立ちます。
例えば「住人の年齢層」「平均所得」「飲食店の平均単価」「物件の価格帯」など。
実際に足を運んでその街の雰囲気や肌感を感じるのもいいでしょう。
こういったもので分かる「似た街」を探すと「客層」も似ていることが多いです。
例え自分が知らない街であっても、ターゲットが【似た街】で開業した方が、戦略が打ちやすくなるでしょう。