神戸発!行列必至の特製ローストビーフ丼
経営者自ら開発した質・量・スピード兼ね備える逸品
JR山手線・西武新宿線高田馬場駅の早稲田口から、北側の神田川方面に歩いて4分。駅前と違い少し静かなこの近辺をお昼時に歩くと、とある店の周りに人々が行列する姿を目にするだろう。こちらが今回ご紹介する「Red Rock 高田馬場店」。土日ともなると2時間待ちともなるこの店で、多くの人が目当てとするのが、小高く盛られた牛肉が美しい特製「ローストビーフ丼」(並880円、大1,150円)。これまでテレビや雑誌等のメディアでも多数紹介されてきた看板メニューである。FacebookやInstagramに思わず投稿したくなるようなフォトジェニックな外見に柔らかなビーフ、癖になるタレ・ソースが特徴的な逸品だ。
経営者の有限会社アール.アンド.ビー守破離代表取締役・増田昭さんは店の成り立ちについてこう語る。「店名の由来は、“赤身の肉を掴む=ロックする”ということから連想して、レッドロック。2013年に最初はワインも飲める肉バルとして神戸にオープンしたけれど、メニューの中のローストビーフ丼やステーキ丼が爆発的人気を呼び、今のようなかたちになりました」現在では、神戸、京都、名古屋、東京、博多に全9店舗を展開し、ここ高田馬場店は5店舗目として14年9月にオープン。東京進出1号店に当たる。
商売を営む家庭に生まれた増田さんは、自身も若い頃から飲食店経営を目指し、1989年に法人を設立、地元・神戸三宮に焼鳥居酒屋「りとりーと」、バー「Blues Alley」の両店を開店した。以来、居酒屋、和食店、しゃぶしゃぶ専門店、ジンギスカン店、お好み焼き店など様々な業態の開発に挑戦し、現在では9業態21店舗を関西、関東、その他地方都市で展開している。セントラルキッチンシステムの導入によるローコスト・ハイクオリティな自社食材調達の強みを活かし、創業から27年、新規性と料理・接客の質を兼ね備えた魅力的な飲食店開発に取り組んできた。
多数の店を束ねる忙しい身だが、新業態のメニュー開発は、自ら厨房に立って試作を重ね、納得いく品が完成するまで突き詰める。味、見た目もさることながら、高回転で提供するオペレーションシステムを確立した上で初めて事業にゴーサインを出す。Red Rockのローストビーフ丼についても、ターゲットとする女性客を徹底的に意識。料理のビジュアルに強い関心を抱く女性層に向けて、美しい盛り方にこだわり、料理面では味の要となる特製ヨーグルトソースの開発に注力し、不動の人気メニューを創出した。完成度の高い一品だが、効率的な調理ステップを練り上げ、時間がかかりそうなビーフの盛り付け所要時間もわずか50秒。そのスピーディーぶりには感嘆の一言だ。