Before & After
前店舗からどのように生まれ変わったのか、実際の店舗写真を比較します。

外観

Before

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After

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黒塗りの引き戸に映える赤提灯と白暖簾をとりつけた以外は大きな変更を加えていない。暖簾に書かれた店名は、オーナーの平田侑城さんの学生時代のあだ名をあえて平仮名表記にしたもの。親しみやすいフォントも演出の1つだ。

多くの飲食店が軒を連ねる浅草橋西区口界隈で酒好きの印象に残るようにと赤提灯をセレクト。店頭にはグランドメニューには載せていないオーナー厳選の“隠し酒”の酒瓶が並び、日本酒へのこだわりも垣間見せている。

内観

Before

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After

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外装同様に、内装もほとんど手を加えていない。変えたところは、壁にかけられた短冊メニューと、入り口横のクロークスペースのみ。クロークスペースは、お客様に少しでも居心地よく過ごしていただけるようにと、もともとあった物入れを壊し、荷物やコートを置けるスペースに変えたのだそう。

厨房

Before

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After

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厨房はガスだった焼き場を炭焼き用の焼き場へと変更。そのことによって煙が前よりも上がるようになったため、今後はダクトの調整を検討しているそうだ。

レビュー

秋葉原と両国に挟まれ、中央・総武線と浅草線が乗り入れる活気ある町 浅草橋は、やきとんや立ち飲み屋など、コスパの良い名店が多い。そんな浅草橋の中でも飲み屋街として賑わいを見せる西口で、数少ない本格的な炭火焼鳥を提供する「炭火焼鳥 ひらちゃん」は、安さでだけでなく、味で勝負し着々とリピーターを増やしている今注目の新店だ。丁寧な仕込みを経て炭火焼きされる焼鳥と、オーナーの出身地である熊本の馬刺しなどの一品料理が、舌の肥えたサラリーマンたちを魅了して止まない。串焼きでは、“ひも焼き”などの希少部位の他、鶏レバーが人気だ。フォアグラのような食感がレバーの先入観を覆し、レバーが苦手な人でも食べられると評判を呼んでいる。

そんな「ひらちゃん」は、これぞ居抜きの醍醐味ともいえるほど、ほとんど手を加えずにオープンした店舗だ。数少ない変更点であるファサード部分は、“わかりやすさ”を第一に考え、赤提灯と白暖簾を掲げた。そんな下町酒場定番のアイテムも、既存の黒い扉と対照的なカラーリングで、道行く人がつい足を止めてしまう人目を惹く店舗づくりに一役買っている。

最小限の変更でコストをかけずにオープンしたものの、オープンから半年が経った今、実際に運営をしてみないと分からなかった改修点が見えてきたそうだ。ちなみに現在懸案となっている点は、炭焼きにしたことで煙が気になるようになってしまった厨房部分のダクト、お客さんとの会話を遮ってしまう耐熱ガラス、カウンターの幅の3点だそう。それらについては、これから徐々に改良を加えていく予定とのことだ。

オーナーである平田さんが、先輩飲食店経営者のアドバイスを受けながらつくりあげたという「ひらちゃん」の店舗づくりは、使えるものはそのまま使うという居抜きならではの醍醐味が最大限に活かされた一例といえるだろう。平田さんが最も大切にする徹底した顧客ファーストという視点を貫きつつも、コストや開業準備期間の削減にも成功している。

まずはできる状態でオープンさせて、開業しながら改良点を見つけ、臨機応変に対応していく運営方法は、最短でコストを掛けず開業を目指している人にとって最良のお手本になるのではないだろうか。