開業ブログ

【第55話】新店舗狂奏曲Part2

山田 耕路さん

こんにちは、焼鳥酒場鶏のから騒ぎ 中の人のこー爺(じぃ)です。

今回は、前回のブログの続きとなります。
まだお読みになられていない方は、『【第54話】新店舗狂奏曲Part1』からどうぞ。


 

2号店を立ち上げる、または会社を大きくする時には重要なポイントがあります。

さて、それはなんでしょうか。

そうです、2番手の存在です。

結局、2店舗目を立ち上げても社員が居なければどうにもなりません。
特に会社を大きくする時に社長の右腕となる2番手の存在はとても重要です。

会社は掲げている経営理念を実践する為にあります。
逆に言うと、理念のない会社は道しるべがないことになり、ブレにぶれて、思い描いていた理想の会社像からどんどんズレていきます。

社長になると怒られることもほとんど無くなるわけで、時には社長を諫めることが出来る優秀な2番手は本当に重要な存在なのです。

さて、鶏のから騒ぎも2号店を立ち上げる際に社員雇用が至上命題となりました。

個人事業主の場合、社員を雇用するには社会保険や雇用保険を完備する必要があります。そして、会社が社会保険料の半分を負担しないといけなくなる為、金銭的にも結構重くのしかかります。

また、社員を迎えるにあたっては、就業規則の策定や給与体系の確立、福利厚生などを考え、現時点でのPL上の負担をシミュレートします。

鶏のから騒ぎでは労働条件通知書も作っていなかった為、早急な準備が必要となりました。

そして、こういう時こそ正社員雇用の助成金を活用します!

「キャリアアップ助成金正社員コース」

色々な助成金がありますが、上記は簡単に言うとアルバイトや契約社員を雇用後6か月以降に正社員にすると一人当たり57万円が支給されるのです。
こういう助成金はどんどん活用したほうが良いですね。

ただし、就業規則が重要になります。
必要事項が押さえられていないと対象外となってしまう為、今回は社労士さんにお願いして就業規則の作成及び助成金の申請までお願いすることにしました。

社労士さんを選ぶにあたっては、税理士さんを探す際にも活用した「比較ビズ」というサイトでランダムに5名のエントリーを頂き、検討することに。

5人ものプレゼンを受けるとかなり時間と労力が奪われますが、将来のことを考えるとしっかりと話を聞き、内容を理解しなければなりません。金額もやれることも条件がそれぞれ違うので、約1ヶ月かけてお願いする社労士さんを決めました。


 

さて、ここまでは狂騒曲とは言えませんね。

実はこの時、2号店の出店時に右腕となる社員候補がいました。

鶏のから騒ぎを創業した当時、近所に同じく出店した海鮮居酒屋がありました。
板長とはとても仲良くさせていただいており、ランチ営業を早く切り上げてアルバイトとそのお店にランチに行ったこともありました。

そして、その時にいた新人アルバイトの女の子が、当店の社員候補としていた人物でした。

今年に入り、その海鮮居酒屋は社長の思い付きで煮込み居酒屋に業態変更することになりました。

コロナ禍の時短営業も無くなり、続々と居酒屋が営業を再開し始めましたが、どこのお店にも煮込み料理の1つはある為、よほど美味しいか、奇抜な煮込みでもない限り、失敗するだろうとこー爺(じぃ)は考えていました。

板長が鶏のから騒ぎにお客様と飲みに来た時に、「煮込み専門店は止めたほうがいい」と具申したところ、板長も同意見で、社長に強く反対したそうなのですが聞き入れられず。既にお店を辞めたということでした。

…え?

「じゃあ、今のお店は誰が運営しているのか」と聞くと、あの新人だった女の子がアルバイト店長として頑張っているとのこと。

それを聞くや否や、心配になって久しぶりに定休日に顔を出してみると、案の定苦戦しています。

話を聞くと1日1万円も売れてない日もあるとか。
アルバイト6名でなんとかお店を運営しており、社員数も足りない為、会社からは放置状態。メニューも煮込み定食とそれに豆腐がのった定食のみ。

これは厳しい…

出来る限りのアドバイスはしましたが、結局、業態変更3か月後に閉店することになりました。そして、アルバイト6名は新店舗に移籍か解雇ということに。

さすがにうちのお店では6人を採用することは難しい為、そのアルバイト店長に声をかけ、うちで社員にならないかとお誘いしました。

27歳とまだ若い中で最後まで責任感を果たし、他の5名を統率し、お店をなんとか軌道に乗せようと頑張っていた根性は尊敬に値するものです。

結果は、「お世話になります」と。

現在の鶏のから騒ぎでは社員2名体制は給与的に厳しいので、早急に2号店の計画を練らなければならなくなりました。

その子に1号店を引き継ぎ、こー爺(じぃ)は2号店へ移ることにしました。


 

…と、ここで、
今年の春に鶏のから騒ぎを卒業し、飲食業界へ就職した元鶏から娘から連絡が。

「会社は好きだけど上司が嫌いで、このお店でやっていけないから辞めたい。お店に戻ってよい?」

…はいぃ?

「超仕事出来る同期も一緒に連れて行くから面接して」

…はいいぃ?

ここに来て3人の社員候補が揃ってしまいました!!

1人雇うだけでもPL上かなり厳しいのに、3人もとなると毎月社員のみの人件費だけで100万円以上消えていきます。

かといって、今働いてくれているアルバイトの子達をクビには絶対出来ません。

いやぁ、困った…

でも、この人材難の時代に飲食業で働きたい若手が3人も来てくれるなんて贅沢なことです。

面接次第ではありますが、余程のことが無い限り、採用の方向で検討することにしました。

そうと決まれば行動も迅速にしなければなりません。
現在検討している2号店のみならず、3号店も同時並行で計画することに。
久しぶりに物件情報を血眼で探す日々です。

そして、会社を辞めたい二人を呼び出しました。
正直、二人が来るまでの数日間、悩みに悩みぬきました。

親が4年間の大学の多額の授業料を払ってくれて卒業したのに、入社後3か月で会社を辞める。

正直それは駄目だろう。
勿論、その会社が肌に合う・合わないはあるかもしれないが、「会社は好きだけど上司が嫌で辞めたい」は理由としては弱すぎます。大きな会社にいれば上司は常に変わるし、選べません。それは今後どこの会社に行っても一緒です。

こー爺(じぃ)は前職で人事を8年間やっていたので、この時期の新入社員の心情もわからなくはないのですが、採用担当者側の意見としては“3か月で退職してしまう子はうちに来ても長続きしないんじゃないのか”と考えられてしまう為、よほど人手が足りない会社以外は採用を見送る傾向にあります。

2号店立ち上げの為に社員は必要ですし、ましてや鶏のから騒ぎを大好きで戻ってきたいと言ってくれるのは親心としても大変嬉しい。

でもさ。
でもね。

やっぱり新卒の子は最低でも1年間はその会社で頑張るべき。
それでやるべき事をやって学んで、それでやっぱり鶏のから騒ぎに戻りたいということなら、その時は喜んで迎い入れるよ。

そうして、二人は納得して今の会社で改めて頑張ることにしました。この一連のやり取りには3週間かかりました。


 

さて、一方のアルバイト店長ですが。

前回のブログで、2号店の出店場所が決まりかけていた契約直前に破断されたことを記載しましたが、それと同時期にアルバイト店長が病気になってしまい、正社員辞退となりました…

悪いことは重なりますね…

ということで、社員候補0になってしまった鶏のから騒ぎ。

ですが、2号店立ち上げは諦めておらず、現在着々と準備中です。
幹部候補も「マイナビ」と「求人.com」というサイトで11月まで募集しております!

“将来独立を検討していて、勉強したい”
“店長としてマネージメントを学びたい“
“将来幹部(または社長)になりたい”

といった希望者がいらっしゃれば是非ご応募下さい。

こー爺(じぃ)は15年後の65歳で引退を決めていますので、将来の社長候補も募集しているのです。


 

いかがでしたでしょうか。

お店の創成期は本当にバタバタするものですね。

引き続き新店舗情報はこのブログに記載しようと思いますので、その後も是非お楽しみに。

本日も最後までお読みいただきまして有難うございました!
次もなるべく間を開けないように書きます!
がんばりますので応援宜しくお願い致します!

また、飲食業コンサルタントも始めました。

■開業支援
■店舗撤退支援
■FC加盟事業
■物件情報
■水光熱費のコストダウン提案
■厨房備品のコストダウン販売
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サポート内容に少しでもご興味ありましたら直接こー爺(じぃ)までご連絡下さいね。
実際に飲食店舗を開業して継続運営しているこー爺(じぃ)の経験値を生の声でお伝え、支援しています。
物件情報はABC店舗さんでもご相談頂けます。

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記事を書いた人
山田 耕路さん

高校卒業1週間後、地元の北海道より役者になる為に上京。 大手劇団に所属するも、自分の目指す芝居と方向性が違う為、1年後に自分で小劇団を立ち上げ、約9年運営。 劇団運営中、知り合った別の劇団の嫁と結婚を機に飲食業の世界に就職。 自分の接客・料理でお客様が喜ばれる事が肌で感じられ、舞台のスポットライトとはまた違うやりがいを感じ、天職と思い20年以上勤務。 外食・中食・給食と様々な経験をして、残りの人生を「社会に飲食業で貢献する」仕事をしたいと独立を決意。 夢は「毎日オープンしているこども食堂」を開く事! 中板橋駅前にて、2020年4月20日に『焼鳥酒場 鶏のから騒ぎ』をオープン! もっと読む

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