子どもやお年寄り。なかなか来られない人こそ、訪れやすいサロンに
感度の高いショップが軒を連ねる「一度は住みたい憧れの街」として名高い、自由が丘。オーナーの池和田さんは、去年2017年7月、ここ自由が丘にヘアサロンを構えた。駅から歩くこと徒歩4分。駅チカでありつつも次第に駅周辺の喧騒から離れ、落ち着いた住宅街にさしかかろうとするあたりの雑居ビルの一角に「fleuve(フラーブ)」は佇む。
サロンに入ると、明るくも隠れ家的な落ち着ける空間。カット席とシャンプー席は、ともに2席のみ。のんびりカットを受けリラックスするには格好の場所だ。そしてスタッフは、オーナーである池和田さん一人だけ。プライベートな空間が心地いい。
おしゃれタウン・自由が丘にあれど、実は目指すのは「敷居が高くなく気軽に来られる空間」。その理由は、池和田さんが美容師になるきっかけとなったルーツに基づいている。
「高校生のとき、障害を抱える友達がなかなか髪の毛を切りに行けない……と悩んでいて。そんな姿を見て、美容師になって力になりたいと思った んです」
内装も自身で手がけ、「おしゃれ過ぎて足を踏み入れるのに躊躇する」というふうに思わせない、アットホームな空間にした。
「今来てくださっているお客さまは、みんな友達みたいなもの。お年寄りから小さな子まで、僕に対して敬語なんて使わないですよ」と、屈託のない笑顔で笑うのだった。