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レジ選びのコツと飲食店の最新レジ事情

レジ選びのコツと飲食店の最新レジ事情

多様化するレジの現在

飲食店開業を計画している人にとってお店に必要なアイテムを選ぶのは楽しい作業です。店舗の契約を不動産業者・家主と済ませたら内装や厨房設備のイメージを決め、業者に見積もりを依頼します。いくつかの業者の見積もりを取ってどの業者にするか、だいたいいくらかかるかが決定したら次に行うのが看板や什器類・レジなどを選ぶ作業です。

レジというと昔は金額を打ち込んでお客さまから受け取った代金を収納したりお釣りを引き出したりするだけのレジスターしかありませんでした。しかし最近は非常に進化したものが出てきています。ここでは近ごろ飲食店で使われているレジの種類やメーカー、さらには各レジのメリットとデメリットについて詳しくまとめてみました。

レジスター

レジスターというのはいわゆる昔懐かしいレジのことです。正式名称は「キャッシュレジスター」で、1878年にアメリカで開発されました。最初に日本市場に登場したころ(1890年代)は「金銭登録機」などという名称が使われていたそうです。面倒な設定や機能などはいらないという人にはおすすめのタイプとなっています。

POSレジ

「POS」とは「Point Of Sales」の略で、日本語では「販売時点情報管理」と訳されています。商品管理など多彩な機能を搭載しているのがこのタイプのレジの特徴です。バーコードも読み取れるようになっています。

タブレット

最近人気が高いのがタブレットタイプのレジです。持ち運びに便利で場所を取らないのが大きな特徴となっています。

レジスターのメリット・デメリット

オーソドックスなレジスターを開ける時のあの「がらがらがっちゃん」という音にはいかにも威勢のいい商売をしている心地よさが感じられるものです。レジスターの最大のメリットは何といっても価格が安いところにあります。普及モデルなら2万円台から市販されていますので、手持ちの開業資金があまりない人にはおすすめです。
難しい設定をする必要もなく、買ったらその日からすぐに使えるのもレジスターのメリットです。レジスターは数字を打ち込むボタン部分とお金が入っている「キャッシュドロワ」の部分、そしてレシート印刷ができる部分だけで構成されているシンプルなもので、長く営業を続けている個人営業のお店などで今でもよく見かけます。

レジスターのデメリットは金額の入力時にミスタイプをする可能性がある点です。ミスタイプなどの不正入力が何件かあると後で精算したときに売上げとレジ内のお金が合致しないといったトラブルが出てきてしまいます。
開業しようとする飲食店でレジ打ちを従業員に任せるつもりであれば、不正やミスのできないタブレットタイプなどを導入したほうが無難かもしれません。

また、レジスターはデータ分析を行う機能を持ち合わせていませんので、特定のお客さまがいくらのお金を何に使ったとか、どのメニューがいくつ売れたかなどといった分析は自分で別途行わなければならないデメリットがあります。
お客さまが1日に30組以下の小規模の飲食店であればレジスターでも役に立ちますが、「◯◯が何食売れたから✕✕を2キロ仕入れる必要がある」といったような判断はマニュアルで行う必要が出てきます。
視覚的な点からいえばレジスターにも捨てがたい魅力があります。アンティークで凝ったデザインのタイプもあるので、雰囲気を大切にしたい飲食店ならタブレットやPOSレジよりもレジスターのほうがいいかもしれません。

POSレジのメリット・デメリット

POSレジは機能性が非常に高いため、経理業務を効率化させるという点ではメリットが大きいです。メニューごとにいくつ売れたか、時間帯ごとに何組のお客さまが入ってきていくら使ったかなどを簡単にデータ分析してくれますので、これさえあれば経理の人を別に雇う必要はありません。
お客さまの性別や年代、天候などといったデータはすべて記録に残りますので販売促進プランを練りやすいばかりか、レジ担当者の不正や間違いなどの危険性も防ぐことができます。1日の売上げを精算した時点でお金とデータが噛み合わないといったフラストレーションも味わわなくて済むわけです。

在庫管理と連動させれば無駄な仕入れを避けられるばかりか不良在庫を減らしていくことも可能です。
POSレジはインターネット回線を利用したクラウド型のシステムを採用していますから、もともとは店舗がいくつもあるチェーン店などで使われていました。それが最近では個人経営の飲食店でも使われ始めています。
メリットが多く感じるPOSレジですが、デメリットは導入費用が高価なこと。100万円以上もするような機器もあります。いくら税金の申告時に減価償却できるとはいってもいきなり100万円の出費をするのは無理であれば、レンタルを利用する方法もあります。

レンタルPOSレジは月々1万円代からありますので、「まずは試しに導入してみたい」という人にも重宝されそうです。

タブレットのメリット・デメリット

POSレジのように多彩な機能は昨今の商売では必要不可欠になってきました。しかし、POSレジはかさばってしかも場所を簡単に移動できないという大きなデメリットがあります。この点、タブレットタイプのレジであれば持ち運びも簡単でしかも投資費用もタブレット本体だけですので比較的安価で済みます。

タブレット端末にインストールするだけでPOSレジに遜色のない機能を使えるアプリはいくつかあります。中でも特に人気なのがリクルートライフスタイルの提供しているPOSレジアプリ「Airレジ」です。Airレジの最大のメリットは無料アプリだということです。インターネット接続環境さえ整っていれば今すぐに使えるのがこのアプリの特徴。キャッシュドロワとプリンター環境さえ整えれば即席で使用できるPOSレジのできあがりです。

アプリをインストールしたタブレットをネットにさえつなげれば自宅からでも仕入先からでもリアルタイムの情報にアクセスできるAirレジには「基本レジ機能」「売上分析」「顧客管理」「在庫管理」の他に「クレジットカード決済」「会計ソフト連携」機能も備わっており、効率のいい飲食店経営を行っていくには最適です。
日本国内で今いちばん使われているのがこのアプリですが、唯一のデメリットはiPadかiPhoneにしかインストールできない点です。他のPOSレジ人気アプリ「スマレジ」や「ユビレジ」もiPad専用なのでアンドロイドユーザーには使えないのが難点となります。アンドロイドタブレットでPOSレジアプリを使用したい人にはアロハスの「でん票くん」が人気です。

業態にあったレジの準備を

レジを選ぶ際には飲食店の業態に合わせたタイプのものを選ぶことが大切になります。飲食店といってもテイクアウト専門のお店であれば従来のレジスターでも十分です。また、テーブルがひとつかふたつだけで厳選したお客さまだけに来ていただく隠れ家的高級レストランなどでも大掛かりで高価なPOSレジは必要ありません。スナックやバーなど、お客さまによっては値段を「おまけ」したりするような人間味のあるお店でもPOSレジなどを導入してしまうとかえって事態が複雑になってしまうだけです。

POSレジなどクラウドシステムが活きてくるのは大人数のお客さまが入る回転率の高い飲食店のみと考えたほうがよいでしょう。いくら事業計画を入念に練ったとしても、商売は実際にオープンしてフタを開けてみないとどのぐらいの利益が出るかわからない世界です。ですからフランチャイズでもない限り、最初から高価なレジシステムを導入するのはやめてレンタルなどからスタートするか、タブレットでPOSレジ無料アプリを利用することをおすすめします。


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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