開業者インタビュー

独学で無化調ラーメンを追求 紅湯麺はハーブオイル入り新感覚ラーメン

古屋 達さん
独学で無化調ラーメンを追求 紅湯麺はハーブオイル入り新感覚ラーメン

無化調の新店登場!
木目調で清潔感に溢れた雰囲気は女性にも好評

「角煮酢豚麺 ゆきふじ」は地下鉄新御茶ノ水駅B3出口から徒歩1分。駿河台の交差点にある新御茶ノ水駅前郵便局を横道に入り、2つ目の角を左折するとすぐ「ゆきふじ」の看板が見える。小川町駅・御茶ノ水駅・淡路町駅からも徒歩5〜6分だ。
店主・古屋さんの一番のこだわりは化学調味料を一切使用しないこと。ラー油もハーブオイルもすべて手作りだ。
看板メニューは、オリジナルの「紅湯麺(フォンタンメン)」。酸っぱくてピリ辛のあっさりしたスープに肉味噌が利いている。その他、鶏白湯スープの鶏そば、昔ながらの中華そばの3種類があり、どのメニューにも豚角煮と極太メンマがトッピングされているのが特徴だ。
店内に入ると、木目を活かした壁や白木のカウンターが目に入る。明るく清潔感に溢れていて、女性一人でも入りやすい雰囲気だ。客層を伺うと案の定、男性7:女性3とラーメン屋としては女性客が多めの割合を占めていた。

開業までは紆余曲折
ラーメン屋で修行せず独学にこだわった

古屋さんは、進学のために山梨から上京し、学生時代に牛タン屋さんでアルバイトを始めた。その仕事が楽しかったことと尊敬できる上司がいたことでそのままその会社に就職。そこでキッチンもホールも経験し飲食業の基本を学んだ。約10年務めた後、将来独立することを考えていく中で、会社組織よりも個人経営の勉強をしたいと思い退職。だが、行く先々でお店が潰れ、5軒ほど転々とすることに…。今までは会社に守られていたんだな、結構お店って簡単につぶれてしまうんだ…と個人経営店の難しさを実感した。
ラーメンは元々好きで食べ歩いていたが、好きが高じて独学で作るようになった。独立するまでラーメン屋での修行は一切していないのは、固定観念を持ちたくなかったから。ラーメン屋の常識にとらわれず、料理の一つとして考えたかったのだ。そうして独学でラーメンを作っているうちに、たまたま務めているお店のメニューの一つとしてラーメンを作ってくれと頼まれいろいろ試す機会に恵まれた。これが後に自分の味を生み出すいい経験となった。
6年前、ついに自分の味を作り出し、ラーメンの大会に出品した。そして開業にあたって出資者を募ったがなかなか見つからず、やはり自分でやるしかないと独立資金を貯めるために居酒屋を経営する会社組織に入った。「1年くらいで辞めて独立するつもりだったんですけど、トントン拍子に出世して総括料理長まで上り詰めてしまい、辞めるまで5年かかってしまったんですよ(笑)」。
予定通りに行かず時間はかかったが、ようやく物件探しを始めたのが昨年のことだ。立地の条件はオフィス街。当初は神田駅前で探していたが、ラーメン屋は重飲食に分類されなかなか物件が出ないのが実情。そんな中で神田駅から徒歩2〜3分のところに家賃や立地の条件が合う店舗がやっと見つかったのだが、契約寸前で物件が他に流れてしまった。書類提出までこぎつけたのに…個人の難しさを感じたという。周りで独立した人に話を聞くと、契約書にハンコを押すまでは何があるか分からないと言われた。その後、地元でお世話になっており不動産屋さんの紹介でABC店舗が持っていた現在の物件と出会った。
神田から少し離れたがオフィス街でランチタイムはかなりの人出だった。夜はビックリするぐらい人通りが少なかったが、お昼をメインにしていけばやっていけると思い、ここに決めた。
カウンターの正面が全部棚で厨房がクローズだったためオープンキッチンに改装し、入口付近にも手を加えた。メニューは出来上がっておりテーブルも厨房機器もほぼ使える状態だったため、調理器具・食器・券売機を買いそろえて開店準備をした。
実際にオープンしてみると、この周辺の昼休みは時間を二部制にしている会社もあり、11時半から13時半まで客足は途絶えない。近くには大学もいくつかあるが、開店が大学が休み期間中だったことと、お店が駅と逆方向にあるためまだあまり認知されていないという。それでも学生のお客様も少しずつ増えてきている。

無化調と出会い、ついに自分の味にたどりつく
もっと今のメニューを追求し磨きたい!

古屋さんの一番のこだわりは化学調味料を一切使用せず、麺以外は調味料や具材も可能な限り手作りすることだ。独学でラーメンを作り始め自分の味を作っていたときに、ラーメンを作ることが心底楽しくなった。そして無化調に出会い、その味に感動した。こういうのが美味しいと思う味覚にならなければいけないと思うと同時に「自分も作りたい!」と強く思ったのだ。はじめはいろいろ考えて組み立ててもお蕎麦屋さんのスープのようになってしまい、何度作ってもラーメンの味にならず、自分の味が出来上がったときには泣いたそうだ。それが中華そば。原点の味だ。
その後作り出したオリジナルの味が紅湯麺(フォンタンメン)。これには自家製のラー油と12種類のハーブを使ったハーブオイルを使っている。
お店の売りである角煮はもちろん、極太のメンマも手作りだ。他ではあまり使われていない乾燥メンマを仕入れ、水で戻してから炊いて冷ましてを繰り返して味付けをし、最短でも6日かけて仕込んでいる。手間も愛情もたっぷり注ぎ込んだメンマも古屋さん自慢の味だ。
当初営業はランチタイムだけだったが、お客様のご要望もあり夜も営業を始めた。始めた頃はお店を見に来た時の予想を超えるほどお客様が少なくへこんだ日もあったが、少しずつ浸透し始めている。
どんなにしんどい日があっても、自分で編み出した味に「美味しい!」「久々にラーメンが美味しいと思った!」という感想をいただくと、やってよかった!と心から思う。
目下のところ、店舗やメニューを増やすより、今のメニューをもっと深く追求し磨いていきたい」と語る古屋さん。この味を多くの人に味わってもらうにはどう伝えていったらいいか、そこが課題だそうだが、「ゆきふじ」の味は確実にファンを増やし浸透していくだろう。
(取材日:2016年6月22日)

古屋 達さん
山梨県出身。学生時代にアルバイトをしていた牛タン屋さんにそのまま就職。約10年務めた後、将来独立することを見据えて個人経営の店舗で経験を積む。元々ラーメンが好きで食べ歩いたり自作したりしていたが、無化調ラーメンと出会って感動し、試行錯誤の末現在の味にたどり着く。2016年1月に「角煮酢豚麺 ゆきふじ」をオープン。

角煮酢豚麺 ゆきふじ
住所:千代田区神田駿河台3-3-11
TEL:03-3518-9797
営業時間:月〜土 11:00〜15:10(L.O.)/月・水・木 17:30〜20:00(L.O)
定休日 日曜日
店舗情報:HP食べログ


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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