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客単価を上げる6つの方法(前編) #専門家コラム

客単価を上げる6つの方法(前編) #専門家コラム

コラムを担当させていただきます、松本と申します。

私は、これまで多くの飲食店にコンサルという立場で携わらせていただき、飲食店の抱える課題に取り組んできました。
飲食店の経営では日々様々な問題が起こりますが、やはり一番大きいのは、どうすれば売上、利益が上がるのかということだと思います。
飲食店の運営において、一番早く利益にむすびつくのが客単価アップです。

 

客単価を上げるには6つの方法があります。今回から2回に分けて客単価のUP方法をお伝えしていきます。

ここで前置きしておきますが、客単価アップ=値上げではありません。
既存客、または一見のお客さまの飲食から、今までより少しだけ利益をいただくということです。

これからお伝えする数個の客単価アップ戦略は、基本的に現行の商品に値上げは一切しません。
お客さまには「今までより高くなった」と思わせないようにして、客単価だけを上げる方法をお伝えしていきます。
 
 

その1 アップセル

さっそく、1つめの方法を言いますと。
”アップセル”です。
これまでの商品の中の、良く売れているものの上に価値を増しながら二段階くらいの価格差を付けて行く方法です。

たとえば、カルビ680円があれば上カルビ980円、特選カルビ1280円という感じです。
マルゲリータ1200円であれば、ボッコンチーノマルゲリータ1480円、徳島県産フルーツトマトのマルゲリータ1580円という感じで二段階くらい上位の価格設定をします。

そうするとこれまで10個出ていたマルゲリータは 7個が既存のマルゲリータ、2個はボッコンチーノ、1個は徳島産フルーツトマトが出るようになります。
そうすると平均単価は800円(120円アップ)になり、1日に10個出るとして1日の売上は1200円アップの25日営業で30,000円アップ、粗利は21,000円になります。1ヶ月で21,000円あればメニュー変更の経費は出ます。

これが基本的なアップセルです。コツは良く売れている商品に対してアップセルすることです。
そうしないと出数に変化が出ないので効果は薄いです。

まとめるとこうなります。

1.良く売れている商品に対し
2.二段階の上位価格の商品を作る
3.品の平均単価は18%アップ、売上は30,000円アップ、粗利は21,000円アップです。

これがアップセルです。

その2 クロスセル

2つ目の施策は“クロスセル”です。

分かり易いのはラーメン店の餃子やトッピング、丼などです。

・ラーメンを食べる人は餃子を一緒に食べる傾向にある
・ラーメンを食べる人は追加トッピングする傾向にある
・ラーメンを食べる人はチャーシュー丼を一緒に食べる傾向にある
・ラーメンを食べる人の30%は大盛りにする傾向にある

要するに”ついで買い”を誘う商品を作っておくということです。
最近では、とろけたチーズをサイドメニューにしてついで買いを誘っているファミレスも見かけます。

冷や奴や出汁巻き、厚揚げの横に「美味しい山盛り九条ねぎ・・・180円」とそっと添えておけば、それらを注文した方のたとえ10%でも追加注文すれば単価はあがります。
牛丼屋のお新香、みそ汁、玉子、豚汁変更もクロスセルです。

料理と共に、料理に合うワインや日本酒をおすすめするのもクロスセルです。
お客様は自分の意志でついで買いをするので、加算されて単価は上がるのですが高い店とは思いません。

お店側は安くなるように基本の料理の単価は安くしてあるのに、お客様は自己満足のためにする追加注文なので店側のせいにしないのです。
クロスセルする時には、商品のとなりにそっと「この商品を頼んだ人はこんなものも一緒に食べていますよ」とまるで悪魔がささやくように配置しておきましょう。なるべく写真などで分かり易くしておくことが重要です。

およそ効果としては2%程度客単価を上げるイメージでやってみましょう。
 
 

その3 抱き合わせ(セットメニュー)

3つめはセットメニューです。一番分かり易いのは焼き肉店の大皿ですね。

数種の単品商品を抱き合わせて売ることで客単価アップにつながっています。
他にもレストランのコースメニュー、カフェのセットメニューも「抱き合わせ」の一種です。他業界では、ジャパネットたかたさんの抱き合わせ売りは思わず買ってしまいますよね。

ここで大事なのは抱き合わせにすることによって得られるお客様のメリットです。メリットがないと買っていただけません。

顧客メリットは大きく分けると2つになります。

・単品を選ぶのが面倒なのだが、おすすめ商品がまとめてあるので便利
・単品をプラスしていくと高くなるものが、まとめるとお値打ち価格に設定してある

例えるとこんな感じです。それぞれ単品をプラスすると価格は上がるが、まとめることで単価を高くしています。

・ホルモン3品セット・・・1,160円(単品ホルモン290円、ガツ450円、レバー450円)合計すると1,180円20円だけお得ですが、まとめてあれば頼みやすい。
・串盛り5本セット・・・730円(1本150円の串なので750円が20円お得)
・ワインのお試しセット(本来ボトル売りの高価な3種類のワインがお試しなのでお得)
刺身盛り併せや、おすすめにぎり3貫セットなども抱き合わせの一種です。

こうして、単品ばかりだと遠慮しがちなオーダーがまとめることにより、高額であっても頼みやすいという現象をおこさせるのです。

 

次回のコラムでは、客単価アップの残りの3つの方法について紹介します。

 

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記事を書いた人

松本 和彦氏

関西学院大学法学部卒業後、父の経営する松本司法書士事務所に勤務し法律の知識を得る。
1995年広島県福山市にて13席のイタリアンバル「タヴェルナヴェルデ」開業 オーナーシェフとしてディナーだけで一日4回転の繁盛店を運営。
その後OGMコンサルティングを経て飲食店コンサルタントとして独立、現在株式会社プリムス代表。
主に商品開発、開業計画書、Webを含むプロモーションとモチベーション開発を指導。

東京大学白熱講義、非常勤講師として服部栄養専門学校、東京モード学園、産業能率大学、国際フード製菓専門学校、東京すしアカデミー、山野美容芸術短期大学等の非常勤講師、大田区いちおしグルメ審査委員長、フードアナリスト協会学術委員を務める。

主な著書

『飲食店「メニューと集客」の黄金ルール』(日本実業出版社)
『夢を斬れ!希望を捨てろ!だから目標は実現できる』(ハート出版)
『五感を使った売れる商品づくりのアイデア発想法』(セルバ出版)
『ハートトゥハートマーケティングを使った開業計画書』
『メニュー作りに失敗する14の落とし穴』

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