特集記事

客単価を上げる6つの方法(後編) #専門家コラム

客単価を上げる6つの方法(後編) #専門家コラム

今回は、前回に続いて客単価UPの6つの方法の残り3つを紹介します。
前回のコラムでも伝えましたが、飲食店の運営において、一番早く利益にむすびつくのが客単価アップです。

今回お伝えする客単価アップ方法も、既存の商品の値上げをすることがないので「この店高くなった」と思われることなく「気が利いているね」と思っていただきながら客単価が上がる方法です。

 

その4 メニューの長読み

前回は、“アップセル”、“クロスセル”、“抱き合わせ”について書きました。

今回はまず4つ目の施策”メニューの長読み”についてお話しします。

私が15年以上も前に流通関係のお手伝いをさせていただいた時に「売場での滞在時間と購買単価は比例する」というデータを発見しました。
スーパーやモール関係者の間では常識となっていることです。

要するに、商品に接する時間が長ければ長いほど客単価は上がるということです。ならば、メニューブックを何ページも多く作ってできるだけ長く読んでもらって商品に接する時間を長くしたらどうよ!ということになりますよね?

そこで、試したのが「メニューのページを増やし、説明を深掘りしたら購入品数が多くなる」という実験でした。
実際にやってみると確かに上がります。ページ的にはだいたい、10ページ以上あると良いですね。
3店舗くらいで試して4店舗目はオーナーに協力してもらって、それまでたった4ページだったページ数を24ページに増やしたのです。
そうするとなんと4,500円の客単価が5,000円に上がったのです。
新商品の数自体はそんなに多く増やしていません、3品くらいでしょうか?

中には前回のコラムでも取り上げた抱き合わせ(セット販売)を3品入れました。ページ数を増やすにあたっては、素材の情報や、多くの写真、店名の由来、かつて来た有名人のことなど、あれこれ、料理と関係ないことも入っています。
単純にページ数を増やしただけではないのですが、相乗効果も伴ってなんと500円もアップしたのです。
ページ数を増やす以外にも、方法はあります。

・素材や商品の情報をしっかりと書いてできるだけ長く読んでいただく。
・テーブルのランチョンマットをメニューブックにする。
・居酒屋だと、短冊にして壁や柱に貼り付けておく。
・立体的なPOPにしてテーブルの上に置いておく。
・店内にモニターやテレビを置いて商品の映像を流し続ける。

まとめると、ページ数を増やしたり、情報量を増やしたりして、とにかく商品(メニュー)と接する時間を多く取れるようなメニューブック作りをすると、その結果として客単価は上がる。
これが客単価を上げる方法「メニュー長読み戦略」です。

 

その5 高額商品の導入

高額商品は、既存の商品の価格は据え置いて、新たな高額商品を作り出すということですので、お客様のほとんどは「新しく商品ができたんだな」と捉えるので問題になることはあまりありません(やり過ぎるとダメです、もちろん)。

やり方としては、現在最も売れているものをもっと高額な商品にアップグレードさせるのが一番やりやすく効果も高いです。

先日、そば屋のお手伝いで、もりそば680円が基本のお店で1,380円のもりそばを作って売れたことがあります。粗利は860円なのでけっこう儲かる商品です。
銘柄牛を使った熱いつけ汁で食べるもりそばですが、八甲田牛を使い、28センチの土鍋に入れ、グツグツ沸いたつけ汁に付けて食べるものです。そばも二段にしてボリュームもアップしています。
今まで10個のうち、7個が普通のもりそば、3個は大もりだったのが、10個のうち2~3個肉付けそばの注文が発生します。そうすると平均単価は上がります。このやり方が一番やりやすい方法です。
あとはまったく新しいジャンルの高めの新商品を作って売って行けばおのずと、既存の商品の価格はいじらずに、客単価は上がり、粗利益も上がってきます。

 
新たな商品開発は少しだけ技術が必要になります。それは客単価アップの方法シリーズが終わったのち、こちらのコラムでお伝えしますのでしばらくお待ちください。

 

 

その6 食事、デザート、ドリンクの特化

客単価UPの施策の最後は、”食事、デザート、ドリンクの特化”です。

特に居酒屋,バーなどは効果的です。
どういうことかというと、メインとする商品郡以外のカテゴリに特化された商品があれば、それは別会計に考えてくれるという心理的な勘違いを”お互いに良い方向”に利用して売上を伸ばすものです。

例えばホルモン屋で、一通り食べて飲んで大体2000円で済むところを、美味しい食事(尾道ラーメン690円)とか美味しいデザート(出来たてあんパン490円)とか、特別なドリンク(瀬戸内レモンハイ580円)などがあればそれは、2,000円を超えたとしても「自己責任」なので「お店側には罪はない」。

店側はせっかく安く飲み食べしてもらおうと思っているのに、お客様の方で、わざわざ高いメニューを追加オーダーするのだから、しょうがないと言う状況を作るのです。

お客様は2000円で飲み食べできる安い店(ホルモン290円、生ビール390円)で食べている感覚は失われないということです。したがって、特化した食事メニュー、デザート、ドリンクを開発するということは大きな収益源になります。
そして、ここが大切なことなのですが、お客様は凄く良いもの食べた、飲んだと思ってお帰りになるのです。もちろんリピート率も上がります。

 
2回に分けて客単価UPの方法を伝えてきましたが、いかかでしたでしょうか。使えそうなものはあったでしょうか。ぜひ、一つでも試してみてください。
次回のコラムでは、メニューの価格帯についてお伝えしたいと思います。

 

松本 和彦氏
関西学院大学法学部卒業後、父の経営する松本司法書士事務所に勤務し法律の知識を得る。
1995年広島県福山市にて13席のイタリアンバル「タヴェルナヴェルデ」開業 オーナーシェフとしてディナーだけで一日4回転の繁盛店を運営。
その後OGMコンサルティングを経て飲食店コンサルタントとして独立、現在株式会社プリムス代表。
主に商品開発、開業計画書、Webを含むプロモーションとモチベーション開発を指導。
東京大学白熱講義、非常勤講師として服部栄養専門学校、東京モード学園、産業能率大学、国際フード製菓専門学校、東京すしアカデミー、山野美容芸術短期大学等の非常勤講師、大田区いちおしグルメ審査委員長、フードアナリスト協会学術委員を務める。

主な著書
『飲食店「メニューと集客」の黄金ルール』(日本実業出版社)
『夢を斬れ!希望を捨てろ!だから目標は実現できる』(ハート出版)
『五感を使った売れる商品づくりのアイデア発想法』(セルバ出版)
『ハートトゥハートマーケティングを使った開業計画書』
『メニュー作りに失敗する14の落とし穴』

記事に登録されているタグ

Copyright © ABC TENPO Inc, All Rights Reserved.