寛ぎがメイン
落ち着きのある店づくり
「味寛 ほんまや」との出会いは、営業担当からの紹介だった。担当からはシャイで笑顔を作らせるのは難しいと言われていた。やはり料理人という人物は、気難しい人が多いのだろうか・・・。そう不安になりながら、曙橋駅を出て東新宿に続く坂を登ると、黒い看板の店が見えてきた。店内に入ると、まずカウンター席が目に入る。古民家を意識した店内は、黒を基調とし、木のあたたかみを感じる落ち着いた色合いで統一している。
店長・本間さんは笑顔で迎え入れてくれた。奥の座敷へ案内されると、カウンター席とはまた違ったイメージを感じる空間だった。壁は黒一色に塗られ、丸い和紙の照明が柔らかい灯りを燈しながら天井から下がっている。まるで本当に人の家にお邪魔したかのような、寛ぎが広がっている空間だった。そこで本間さんとのインタビューは始まった。
「味寛 ほんまや」は、店長・本間さんの地元・山形県から仕入れた素材を使った料理が味わえる店。メニューの中には、山形の郷土料理や、本間さんが実際に飲んで仕入れを決めた日本酒達も含まれている。頂いた名刺には、友人がデザインしてくれたと語る店のロゴが。メインの野菜と魚に囲まれた字には、三つの想いが込められている。一つ目は店長・本間さんの名前が、ひらがなで「ほんま」と入っている。二つ目は「味寛」の「味」の文字から、味がうまいを連想させる「んまい」→「んまっ」という文字が入っている。三つ目は、「寛」。寛いで「ほっ」としてほしい。という想いが込められている。そんな想いが込められた「味寛 ほんまや」の軌跡をたどる。