苦労の末に叶えたラーメン屋開業の夢 女性客の多い鴨出汁ラーメン専門店
福丸 直樹
「一匹見つけたら複数匹が生息している!」と言われるように、ネズミは非常に繁殖力が高い動物です。
もしネズミの被害がお客様に及んでしまうと、店の評判にも多大な悪影響を与えかねません。
そのため、飲食店の経営を考えている方の中には、「ネズミが出ないように予防する適切な方法は?」と情報を求めている方も多いはずです。
とはいえ、具体的にどのような予防策が効果的なのか、またネズミが出た場合にはどのように対処すれば良いのか、あまり自信がないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ネズミ予防の正しい情報を求める経営者の方々に向けて、飲食店にネズミが出ることのリスクや予防・対策方法について分かりやすく解説します。
飲食店にネズミが出るとさまざまなリスクが生じます。もっとも大きなリスクが健康被害です。
ネズミが体内に宿している病原菌が原因で食中毒などが起きてしまえば、従業員やお客様に対して甚大な被害が生じます。
ネズミが飲食店に出るとどんなリスクがあるのか、しっかりチェックしておきましょう。
ネズミはウイルスや細菌などの病原体を媒介する動物です。腸チフスやペストなど、ネズミが媒介する病気は数多くありますが、飲食店の経営者がもっとも注意しなければいけないのがサルモネラ感染症、いわゆる食中毒です。
食中毒の患者が出てしまうと営業停止処分になる可能性があり、店の収益や信頼に多大なダメージを与えます。
怖いのは食中毒だけではありません。飲食店に棲みつくネズミに噛まれたり引っかかれたりすると、鼠咬症を引き起こす場合があります。
この病気にかかると、肺炎や肝炎などの合併症から死に至ることもあるので非常に危険です。
ネズミの前歯は一生伸び続けます。そのためネズミは硬い物をかじって前歯の長さを調節する習性を持っています。壁や柱に小さな穴が開くのも、ネズミが前歯を短くするためにかじるのが原因です。
時には電気ケーブルをかじる場合もあります。通電している電気ケーブルをかじるとショートして火災が発生し、最悪の場合、店を焼失するおそれすらあります。
また、もしネズミが出た事実が不特定多数のお客様に知られてしまうと、「衛生管理もできない店」という悪いイメージを持たれてしまい、店の信用はガタ落ちとなります。
そうなると新規のお客様だけでなく、リピーターのお客様の足も店から遠のいてしまいます。
当たり前ですが、ネズミがかじった食材は廃棄するしかありません。被害にあった食材が高価だったり、入手するのが困難な希少な食材だったりすると、店にあたえる経済的ダメージは計り知れません。
また、食材を食べたネズミは尿やフンをしながら移動するので、尿やフンが食材や調理器具に触れてしまう場合があります。尿やフンには、サルモネラ菌、レプストスピラ菌などの病原体が高確率で含まれていますが、食材や調理器具に病原体が付着しているかどうかは、人間の目では判別できません。
消毒をしないまま調理に利用すれば、お客様に対して健康被害を与えてしまいますので、ネズミの尿やフンの処理には細心の注意が必要です。
ネズミが出ないようにするためには、「侵入しそうなスペースがないかチェックする」「店内を清潔に保つ」「罠や毒餌などの駆除アイテムを使う」など、適切な方法で予防することが大切です。
ネズミ被害を予防するには、ネズミの習性に応じた対策を取ることが必要です。
ネズミには次のような習性があります。
・繁殖能力が高く、生後わずか90日で出産を開始し、年に5〜6回出産する。
・侵入ルートは様々だが、ドブネズミの場合、クマネズミとは違って高所に移動することがほとんどないので、壁にできた穴や排水溝、トイレからから侵入する例が多い。クマネズミは高所から侵入するので、壁の高い場所にあるガス管や電気配線の導入口からも侵入する。
これらの習性をよくふまえながら予防対策を実践するようにしましょう。
ネズミが出現する時期のピークは冬だと言われていますが、1年中出産する習性を考えると、ネズミ対策は年間を通じて行う必要があります。
ネズミが侵入しそうな穴や隙間がないか常に目を光らせ、見つけ次第塞いでいくことが重要です。
食材の残りや食べかす、店内に付着した臭いなどを放置していると、ネズミをおびき寄せてしまいます。
ネズミの被害を防ぐためには、店内をすみずみまで掃除し、常に清潔に保つことが重要なのです。
店内を清潔にするためのポイントを説明するので活用してください。
<店内を清潔に保つための方法>
保管する場合も、冷蔵庫や収納庫などネズミが接触できない場所に保管することが必要です。ビニールや紙、段ボールなどで食材を包装しているだけだと、ネズミの被害を防ぐことはできませんので注意してください。
罠や毒餌といったネズミの駆除(侵入予防)アイテムは5つあります。それぞれの特長を理解して使い分けると良いでしょう。
ネズミが出てしまった場合には「自分で処理する」「業者に依頼する」という2つの選択肢があります。どちらも一長一短あるので、手間暇やコストなどをふまえ、適切な対策を取るようにしましょう。
ネズミを自分で処理する際、まず注意しないといけないのが「自分への健康被害」です。ネズミの尿やフンに含まれる病原体が体内に侵入すれば病気になるかもしれませんし、死体に素手で触れると真菌や寄生虫に感染することもあります。
駆除作業に不慣れで、ネズミを適切に処理する自信がない場合は、専門の駆除業者に依頼するのが賢明です。
自分でネズミ処理をする場合は、以下のポイントをふまえながら、適切な順序で行うようにしましょう。
前述のとおり、忌避剤に含まれる成分が火気に触れると引火し、爆発するおそれがあります。使用する際は、店内のすべての火気の使用を止めるのはもちろん、電気ケーブルの劣化で火花が発生することのないよう、ケーブル周りも入念にチェックしておきましょう。
また調理台や食器類に忌避剤の成分が付着すると、食中毒の原因になる場合もあるので、使用後は掃除を徹底してください。
自分でネズミを処理するのは決して簡単ではありません。方法を間違うとネズミの被害を拡大・悪化させるおそれもあります。自分で適切に処理できる自信が無い場合は、専門の駆除業者に依頼するのがおすすめです。
業者に駆除を依頼すれば、もちろん相応の費用がかかりますが、より確実にネズミが駆除できます。
ネズミ駆除業者の数は非常に多いため、どんなポイントに注目して選べば良いか分からない方も多いかもしれません。
駆除業者を選ぶ際は以下の3つに注意して選びましょう。
また、「見積もりが無料なのか」「保証やアフターサービスの有無」といったポイントも忘れずにチェックしてください。
駆除の技術に自信がある業者であれば、見積もりや保証、アフターサービスを無料で提供しているので、判断の目安になります。
駆除費用の相場はピンキリですが、おおむね10万円〜25万円程度です。
ただ、駆除する範囲が広い場合や、ネズミが大量に発生している場合などは、当然費用も割高になるので、複数の業者から見積もりをもらい、比較しながら検討すると良いでしょう。
一度ネズミの被害が出てしまうと、店に与える損害は計り知れません。
もしお客様に対して食中毒などの健康被害が生じてしまうと店の信頼はガタ落ちし、営業を再開できなくなるおそれもあります。
ネズミ被害は「発生させないこと」「被害を大きくしないこと」が肝心です。
この記事で解説したように情報に基づき、適切な予防策、駆除対策を実施して、ネズミの被害が店やお客様に及ばないよう心掛けてください。