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商業施設に飲食店を出店するメリット・デメリット

商業施設に飲食店を出店するメリット・デメリット

ショッピングモールなどの商業施設に飲食店を出店することはメリットが先行しますが、その一方でデメリットも存在します。華やかな商業施設に出店することだけをフォーカスしてしまい、そのメリットやデメリットまで把握している店主は少ないはずです。このままの店舗経営ではショッピングモールから撤退も余儀なくされてしまう可能性もあります。ここでは、商業施設に飲食店を出店するメリットやデメリットについて詳しく解説します。

飲食店を商業施設に出店するメリット・デメリット

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商業施設に飲食店を出店することは、営業時間中は時間帯に関係なく集客が見込めるメリットが生まれます。それとは逆に「テナント料」の負担や商業施設への協力負担などのデメリット面も挙げられます。ここでは、商業施設へ出店することで生まれるメリットやデメリットに関して解説します。

商業施設に出店するメリット

ショッピングモールや、ファッションビル、駅ナカなど商業施設にはいろいろな種類があります。そのテナントとして出店した場合には、次の7つのメリットがあげられます。

・開業商業施設の集客力がある
・天候の営業を受けにくい
・商業施設が宣伝を行ってくれる
・消費者の購買欲が高い
・人の流れや客層がわかりやすい
・スタッフが集まりやすい
・出店自体が実績につながる

これらはとても魅力があるメリットといえるでしょう。では、次の項目からこの7つのメリットを詳しく見ていきましょう。

商業施設の集客力がある

商業施設は、直営部門だけではなくたくさんのテナントを入居させて、その施設自体の存在価値を高めています。駅直結などのアクセス力の向上だけではなく、郊外店でも駐車場の規模を大きくして集客力を高めています。商業施設の規模にもよりますが、「一日中滞在しても飽きない」工夫がなされており、飲食店はその流れで高い集客力が見込めるのです。

天候の影響を受けにくい

商業施設の中に店舗が入っているというだけで天候に左右されることなく営業できます。駅直結・屋内駐車場完備というようにドアtoドアが叶う立地で営業している商業施設も多いため、荒天にならない限りいつでも集客が見込めます。路面店のように雨の日は客足が鈍るということもありません。また、他店の季節商品ラインナップなども手伝って、飲食店で提供される「季節限定のメニュー」が飛ぶように売れるというように、うれしい相乗効果もあるほどです。

宣伝を商業施設が行う

商業施設が出す新聞広告や、公式サイトなどでも、店の宣伝が展開されるので、広告配布日以降はスポット的に高い集客が望めます。これによって、広告宣伝費の削減が期待できます。もちろん、自店独自の宣伝も必要です。この場合は、商業施設の公式サイトとのリンクを行うほか、インスタグラム・ツイッターなどのSNS上での宣伝を行うだけでも費用削減につながります。

消費者の購買意欲が高い

商業施設には、衣食住すべてのカテゴリの店舗が複数出店しています。食料品やデリカテッセンなどの販売スペースも設けていることがあるため、客はワンストップで買い物ができるメリットがあります。一回の買い物で欲しいものを揃えたいというように、購買意欲が高い方が集まりやすいので、自然に飲食店にも人の流れが出来上がります。購買意欲だけではなく、滞在時間も長い傾向にあると考えることができるでしょう。

人の流れや客層がわかりやすい

例えば、都市部にあるファッションビルは10代~20代の男女をメインの客層に設定し、店舗展開を行います。駅前にある百貨店は、40代~60代の女性をメインの客層に設定しているというように商業施設ごとにターゲット層が設定されています。また、「日曜日は全館5%オフ」というような、定期的に行うイベントで人の流れがつかみやすくなるメリットもあります。

スタッフが集まりやすい

商業施設自体の認知度が高ければ、働き手も「あの商業施設で働いている」というように話題にしやすくなります。また、駅からのアクセスが良い、従業員駐車場完備(車通勤可能)といった好条件も多く、働いてくれるスタッフが集まりやすい傾向にあります。路面店でオープンする以上に店員の確保がしやすいというメリットがあります。

出店することが実績になる

商業施設へのテナント出店は、申し込みをしてすぐに契約締結という流れでは進みません。必ず、出店計画や経営体質などを総合的な審査を行い、商業施設のコンセプトに合致する場合にその申し込みを許可します。
「若者の聖地」と呼ばれるような商業施設や、メディアが定期的に取り上げるような、ネームバリューがある商業施設に出店できれば、それだけでお店の実績としてみなされます。

商業施設に出店するデメリット

商業施設に出店するメリットについてまとめましたが、もちろんデメリットも存在します。商業施設に出店した場合、5つのデメリットがあげられます。

・家賃が高い
・営業日と営業時間が施設に準ずる
・施設のイベントに参加する必要がある
・子供連れが多く店内が騒がしくなる場合がある
・店舗売上金が毎日入金されない

店舗経営を行う上で、このデメリット5項目を解決していかないと撤退を余儀なくされる場合があるので注意しましょう。では、次から詳しく見て解説します。

家賃が高い

商業施設も、出店店舗は店子として位置付けておりその区画に応じた賃借料を徴収します。毎月固定された金額での徴収ではなく、「売上保率」と呼ばれる手法にて賃借料を計算することもあります。お店の月次売上に対し、商業施設が設定した特定の利率をかけた金額が商業施設へ払う賃借料となり、売上があれば賃料は必然的に高くなります。毎月変動するのが一般的です。
その月に設定された最低保証売上額に到達しない場合には、賃料の下限額を支払う義務があります。

営業日と営業時間が施設に準ずる

その商業施設に出店するテナントは、すべて商業施設の営業日・営業時間に合わせることが一般的です。オープン時間まで開店準備を済ませ、商業施設恒例のグリーティングサービスを行うこともあるでしょう。
営業時間プラス2時間を基本的な勤務時間とすると、明らかに1日8時間以上という決められた労働時間から外れてしまいます。シフトが組めるほど店舗の従業員を確保すること、休日手当などを支給するなど福利厚生面を整備するというような工夫が求められます。

施設のイベントに参加する必要がある

商業施設では、クリスマスイベントや夏休みのイベントなど定期的な催しものが開催されます。何らかのイベントに際して、販促のための商品提供や負担金徴収などが科される可能性があります。また、有料駐車場を利用した客に対して、購入額に応じた駐車場料金の割引サービスを行います。こういった割引額の負担も、テナントに課されます。

子供連れが多く店内が騒がしくなる場合がある

その商業施設のコンセプトにもよりますが、家族連れが中心となる場所が大半です。飲食店では、子供向けのメニューの提供なども求められることがあります。また、店内が騒がしくなる場合があり、店員が店内の状況を丁寧に見守る必要があります。また、子連れNGのコンセプトで店舗展開を検討する場合はそもそも出店許可が下りない場合も考えられるでしょう。

売上金が毎日入金されない

商業施設では、テナント毎に店頭で会計が行われます。一日の売上金はいったんすべて商業施設へ送金する「預り金精算方式」を採用するケースが一般的です。売上のデータとともに吸い上げが行われます。預かり分は賃料や経費を差し引いた金額を月に数回振り込まれるため、売上金が毎日入金されないというデメリットがあります。飲食店の場合、仕入れに影響することも考えられます。

商業施設に出店する方法

Rental agreement form with signing hand and pen.

商業施設も利益を追求する企業です。店子として出店するテナントから毎月歩合制で賃料をもらい受けます。また、その商業施設の品格を落とさないよう、経営基盤がしっかりしている店、売上が見込める店などを見極めます。こういった点を踏まえ、毎月最低限の売上が保てるかどうかが見極められます。
商業施設側は最低保証売上額を設定しています。つまり、月商でその売上額に満たない場合でも最低保証売上額から歩合で賃料をとるという決まりを敷いています。売上が最低保証額に満たない場合、お店は大赤字になり撤退へリーチがかかってしまう仕組みです。
最低保証売上が保てればよいというものではなく、商業施設側も歩合で賃料を稼がなければいけないため「最低保証売上を上回る売り上げ」を期待しています。経営者が、商業施設内の店舗展開で売り上げが見込めるかを見極める必要があります。

商業施設に出店する時の注意点

商業施設に出店する場合には、前の項目でお伝えした最低保証売上問題のほか、それを計画するテナント側もいくつか注意しなければいけないポイントがあります。これらをクリアしない限り、出店許可が下りないということも意識しましょう。ではここからは「出店の際に注意すべき点」を紹介します。

店舗のデザインのコンセプトを施設と合わせる

路面店の場合は、内装が外装の自由度を高め店主のこだわりを詰め込むことができます。商業施設の場合には、それぞれにコンセプトがあるため、それに合わせたデザインを導入することが必要です。もっとも、その商業施設の客層に合わせた出店計画がなされるのですから、おのずと店舗デザインはお店のコンセプトに似通ってくることでしょう。
看板の大きさなどはほぼ制約がありますので注意が必要です。

メニューを顧客層に合わせる

飲食店の場合、メニューを顧客層に合わせる必要があります。若年層向けであれば、ファストフードやライトミール中心のお店、大人の来店が多い場合は甘味(スイーツ)や寿司、フレンチなど。その商業施設の格式なども考慮したうえで顧客層に合わせたメニュー作りを行いましょう。子供むけメニューも豊富に準備することも大切です。
平日と休日、時間によっても客の流れや滞在時間は変わります。こういったことも踏まえたメニュー作りを行うのが基本です。

まとめ

商業施設内に飲食店を出店することは、集客がある程度保証されるというメリットがありますが、売上ラインに満たない場合は大赤字になってしまうデメリットなどもあることを念頭に置き、出店にふさわしい店か検討する必要があります。また、商業施設のコンセプトにあった店づくりが要求されるため、企画の段階からテナント出店を意識した店づくりを行いましょう。


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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