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ジビエを提供する飲食店を開業する際の注意点とは?調理方法や衛生管理など、問題点を把握しておこう

ジビエを提供する飲食店を開業する際の注意点とは?調理方法や衛生管理など、問題点を把握しておこう

他の飲食店と違った料理を提供したいと思ったことはありませんか?通常の牛肉や、豚肉、鶏肉は他の飲食店も多く提供している食材であり、差別化が難しいですね。どうしたら、たくさんの飲食店の中でも差別化できるでしょうか。一つの方法は、ジビエ肉を提供するということです。今回は、ジビエ肉についてご紹介します。

ジビエ肉とは

ジビエ肉とは狩猟を通じて入手される肉のことを言います。牛や豚、鶏などは家畜ですので、狩猟をする必要がありません。通常、牛や豚、鶏などはジビエとは呼びません。主にシカやイノシシなどの肉をジビエと呼びます。

ジビエ料理は害獣駆除の一貫

害獣駆除には大きく分けて2つの対策があります。まず1つ目は、田畑等への侵入を防ぐ対策と、2つ目に被害を減少させるための捕獲対策があります。侵入対策では、田畑への侵入を防ぐために防護ネットを張ったり柵を設置したりします。

捕獲対策では、猟師が害獣を駆除します。ジビエ料理は害獣駆除の一環で入手された食材とも言えます。害獣として駆除された動物も、そのまま捨ててしまうのではなく、ジビエとして食すことが可能です。

ジビエ肉活用は地域活性化にもつながる

ジビエは、通常の家畜の肉と違って、流通ルートが確立されていません。通常の家畜の肉であれば、生産者から、流通ルートを経て一般消費者にわたる道筋がありますが、ジビエの場合確立されているとは言い難く、一般のスーパーにはあまり並んでいないというのが現状です。とはいえ、最近はジビエも地域資源の一つとして活用がはじまりました。地域の名物として、カレーやしぐれ煮などに加工され、農産物販売所やお土産店などで販売されています。少しずつですが、ジビエは地域活性化のために役立てられています。

ジビエ肉の種類と代表的な料理

さて、ジビエ肉についてどのような状況であるかを紹介してきました。次は、具体的にジビエにはどのような種類があるのかということを紹介します。厳密に言えば、ジビエは家畜の肉以外の肉を言うので、膨大な種類になります。

今回は、ジビエの中でも代表的なシカとイノシシとカモについて、どのような栄養素があるのかという特徴や料理方法をご紹介します。ジビエ肉は、肉の特性にあった調理法をすることで、おいしくいただくことができます。

シカ肉の特徴と料理法

シカ肉は、古くから食べられてきました。シカ肉の特徴は、脂肪分が少なくヘルシーであることです。ヘム鉄と呼ばれる鉄分が多く含まれているので、貧血気味の人にやさしい食材です。牛や豚肉との違いは、カロリーが低いわりに高たんぱくであることです。100グラム当たりで比較すると、豚肉の5割程度しかカロリーがない一方、たんぱく質は牛肉や豚肉の130%あります。味わいとしては、牛肉に似ています。

産地や処理方法にもよりますが、シカ肉には独特の臭みが残ってしまう場合があります。肉の臭みを消せば幅広い調理方法をすることが可能です。背ロース肉はステーキに、もも肉はから揚げなどにできます。
肉の臭みが気になる場合は、水や牛乳、ヨーグルトといった乳製品か、塩、塩麹などにつけて、しばらく置いてみてください。臭みが和らぎます。

イノシシの特徴と料理法

イノシシ肉も、高たんぱく低カロリーであるのが特徴です。日本ではしばらく食肉を禁じていました。しかし、ぼたんなどと植物の名前をつけて、こっそりおいしく食べていたようです。江戸時代には猪肉は薬とされていたという歴史があります。

味は豚肉に近いです。もともと、豚はイノシシを家畜化したものなので、味わいが似ていても不思議ではありません。肉の色は赤っぽく、触感は豚よりもちょっと固めです。そのため、煮込み料理に使われることが多いです。日本の伝統的なイノシシ料理と言えば、ぼたん鍋です。

イノシシの肉は比較的癖がないので、みそやしょうゆでに煮込んでもおいしいです。洋風にしたいのであれば、ハーブや赤ワインなどでしっかりと濃いめに味付けをして、加熱します。

カモの特徴と料理法

カモ肉は、クリスマスなどの行事ごとに対応した料理で見たことがある人も多いでしょう。特に一般的に出回っているのは、合鴨というカモとアヒルの間に生まれた中間種です。ジビエのカモ肉の場合、野生そのままの味わいなので、合鴨よりも力強い風味があります。

含まれる栄養素の特徴は、特にむねの部分に脂肪が多く、うまみとコクがあることです。カモの風味を楽しみたい場合はローストやスモークにしてサラダにトッピングすることができます。日本の伝統料理としては、鴨南蛮として麺類に活用するといった方法があります。地域によっては、鴨鍋として伝統的に食べてきたところもあります。ジビエの中では比較的流通量も多く、有名です。ジャンルを問わず、飲食店で導入しやすいジビエです。

ジビエ肉を扱う飲食店を開業するための基礎知識

ジビエ肉の中でも、シカやイノシシ、カモは比較的一般に知られており、受け入れやすい肉です。ジビエは人間に飼育されて大きくなった動物ではないので、個体によっては野性的な臭いが残ってしまうことがあります。牛乳やヨーグルトなどで臭み抜きをしましょう。

飲食店がジビエ肉を仕入れる方法

飲食店でジビエ肉を提供する場合に問題になるのが、どこで仕入れるのかという点です。ジビエの中でも、カモ肉の場合、地域や季節によってはスーパーの店頭で売っていることもあります。

ジビエは野生動物ですので、禁猟期間が存在します。禁猟期間は地域によって違いますので、年中ジビエを提供したい場合は、入手先を複数確保しておくといいでしょう。ジビエの入手ルートとしては、猟師さんから入手するという方法が思いつきやすいですが、違法となってしまう可能性があります。

食肉処理場の許可を受けた場所で解体されたジビエを使用してください。ジビエ肉は、人間の手で管理されて育てられたものではありません。そのため、解体にも特別な注意が必要になります。

食中毒を回避するためのジビエ肉の衛生管理

衛生管理は、飲食業に従事する者にとっての責任です。お客さんが、安心して食事をできる環境を整えるということは、基本であり原則です。前の章でも触れましたが、ジビエは人の手で管理されて育てられたものではないので、家畜の肉よりも衛生管理に気を遣わなければなりません。

まず、仕入れたジビエ肉に異臭がする場合は、ただちに破棄してください。もったいない感じがするかもしれませんが、お客様の安全を優先しましょう。

次に、ジビエ肉の保管環境にも気を配ってください。これは肉類全般に言えることかもしれませんが、冷蔵保存ならば10度以下、冷凍保存の場合はマイナス15度以下で保存します。温度はきちんと確認して、保存状況が適切であるかをチェックしましょう。

さらに、ジビエで使った調理器具や容器は、83度以上の湯または200ppm以上の次亜塩素ナトリウムで消毒します。
最後に、牛や豚などの家畜の肉とは保存容器を分けてください。一緒の容器に入れて保存することはやめましょう。

ジビエ肉の調理時の注意点

Close up female hand measures temperature of grilled patty

ジビエ肉の怖いところは加熱が甘いと食中毒やE型肝炎になってしまう可能性があるということです。どれくらい加熱すればよいのかと言うと、63度で30分、75度で1分加熱までの範囲とされています。金串を刺すなどの感覚で把握できるようになるまでは、中心温度計を使用し、内部が75度になっているかチェックしましょう。

まとめ

今回は、ジビエ肉についてご紹介しました。他店との差別化を図りやすい食材である一方で、人間の管理下で育ってきたものではないため、入手先や保管、調理については細心の注意を払う必要があります。日本でも、ジビエ肉の料理が一般的になりつつあります。ジビエ肉という自然の恵みを、お店のメニューに取り入れてみてはいかがでしょうか。


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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