飲食店も大注目のフェイクミート！プラントベースの代替肉はおいしいの？言われなければ気付かない？

フェイクミートとは？

フェイクミート（代替肉）とは、大豆や小麦等の植物性たんぱく質を主原料としてつくられる人工的なお肉のことをいいます。いわゆる”お肉もどき“です。
これまでフェイクミートは、動物や魚の肉の代わりとして食され、”ベジタリアン”や”ヴィーガン“といった肉を食べない人や健康に気を遣う人の間で広まっていました。

しかし、昨今、そのフェイクミートが世界中で大注目！
2020年の代替肉の世界市場規模は2,572憶6,300万円。2025年には6,732億1,900万円、2030年には1兆8,723億2,000万円にまで到達すると予測されています。（出典：「代替肉」の世界市場は2572億円に、国内では植物由来肉を使用した新商品が続々登場｜MONEYzine）

そして、このトレンドは日本にも波及しています。
日本国内のプラントベースフード市場は、2010年度で48億円でしたが、2019年度には178憶円と3.7倍。ここ2年の市場伸長率では130％と、イギリス、ドイツに次ぐ3番目の伸長率で急速な拡大をみせています。（出典：拡大する「代替肉」市場、高まる健康志向が追い風（連載／話題追跡） | 健康産業新聞）
2020年6月には、「地球を終わらせない」を理念においしく食べられる代替肉を開発する“ネクストミーツ株式会社”が設立し、フレッシュネスバーガーや焼肉ライクといった飲食店でも代替肉を利用した商品が販売開始されるようになりました。

フェイクミートが注目を集めるようになった理由

フェイクミートが現在これほどまでに注目を集め市場が大きく成長している背景には、SDGs（持続可能な開発目標）が深く関わっており、下記４つの理由があげられます。

【1】動物愛護
世界で流通している食肉のほとんどが人の手で動物を搾取し、商品として製造・販売。そうした畜産の在り方に疑問視する人や牛・豚等を食べることに反対意見を示す人が増えています。魚についても、水産資源の枯渇が深刻な問題として漁業における見直し等が行われています。

【2】環境保全
畜産においては、放牧するための広大な土地を開拓し、飼育に大量な穀物と水が必要となります。結果、世界中で森林伐採が行われ、生態系にも大きな影響を及ぼしていると問題視されています。また、牛の体内から発されるメタンガスは地球温暖化の原因の一つとなっています。

【3】健康への配慮
世界保健機関（WHO）によると、ハムやソーセージなどの加工肉や赤身肉には発がん性があり、過剰摂取するとがんを患う危険性が高いと指摘しています。ほかにも、高血圧や心臓疾患等のリスクも高めるとして健康面への被害が不安視されています。

【4】人口増加と食の不均衡
かねてより懸念されている食糧不足。世界各地では食の不均衡が生まれており、飢餓人口は増え続けています。世界の人口は増加の一途を辿り、2020年時点で約77億9500万人、2050年には約100億人に達するといわれています。今後人口増加による食糧不足はさらに深刻な問題となり、解決への取り組みが必要となります。
そこで、現在、畜産を減らし、世界中の人々が食べられる仕組みに変えていこうという動きが起きているのです。代替肉だけでなく同様に昆虫食が注目を浴びていることもまたその一つです。

ネクストミーツのフェイクミートで検証！進化する代替肉の気になるお味は？

上記でも紹介しました日本のプラントベース市場を牽引するスタートアップ企業“ネクストミーツ “。
日本国内のみならず、ベトナムや台湾ではすでに代替肉の商品販売を開始しており、2021年4月5日にはフードテックで注目を集めるシンガポールにも進出しています。

そして、2021年3月29日。そんな話題沸騰中のネクストミーツがイトーヨーカドーで商品を販売開始。念願の目標としていたスーパーの精肉売り場での販売を実現させました！
そこで今回、 皆さんが気になる代替肉のお味について、“進化する代替肉は実際おいしいのか”“何も伝えず食卓に上げたら代替肉だと気づかれないのか”を検証してみました。

まずは、スーパーでお買い物

今回は、販売店舗のイトーヨーカドー　アリオ亀有店へ。
従来、スーパーでの代替肉販売はありましたが、その多くは大豆製品コーナーや加工製品売り場に置かれていました。しかし、ネクストミーツの代替肉は精肉売り場で動物性食肉と並んで陳列されていました。
棚上部には『世界初！プラントベース焼肉　話題の100％植物性代替肉』とのPOPもあり存在感があります。

■値段について
「NEXTハラミ1.1」「NEXTカルビ1.1」ともに80gで429円（税込み）。同じショーケースに並ぶ同種類の牛肉と比較すると、「国産黒毛和牛バラカルビ」83gで609円（税込み）、「ハラミとタンの牛焼肉盛り合わせ」160ｇで842円と、金額としてさほど高くないようにみえますが、格安スーパーの西友や業務スーパーでは100ｇ200円代で購入できることを踏まえると少し割高に感じました。

■購入日からの日持ちについて
この日は2021年3月31日（水）。牛肉の”消費期限”が「2021年4月2日」とすぐに食べきらなければいけないことに対し、代替肉の”賞味期限”は4月20日と3週間程度まで保存可能。動物性の食肉では腐りやすくおいしく食べれる期間が短いですが、プラントベースの代替肉は長く日持ちするため、安心して冷蔵庫にストックできる点メリットを感じました。

■栄養成分について
一般的に牛肉のカロリー（100gあたり）はハラミが300-350kcal、カルビが450-500kcalと高カロリーですが、プラントベースの代替肉（100gあたり）では「NEXTハラミ1.1」が348kcal、「NEXTカルビ1.1」が266kcalとなっています。ハラミに関していえばカロリーに大きな差はありませんでしたが、カルビは2分の1までカット。加えて、ネクストミーツの代替肉は大豆由来であることから、たんぱく質が豊富で脂質も大幅にカットできると健康面で優っているといえます。

台所についたら、さっそく調理開始！

今回は、代替肉の味が損なわれないようタレを絡めるだけのシンプルな焼肉として、ハラミとカルビの違いを観察しながら調理していきます。

【1】見た目とにおいの違い
真空パックから取り出すと、見た目はどちらも醤油で茹でたようなほんのり茶色味がかったお肉。動物性特有の生臭さはなく、うっすらと大豆のにおいがします。
ハラミとカルビで大きな違いは感じられませんが、しいて言うのであればハラミの方は少しつやがあり、カルビの方は少し繊維があるように側面が凹凸としていました。

【2】焼き時間と油の出具合
焦げないようフライパンに油を敷き焼いてみると、どちらも2分ほどで焼き目がつき、動物性の食肉よりも早く全体に火が通ります。また、動物性のカルビであれば焼いた際に油が多く出てきますが、代替肉からはほとんど油が出てきませんでした。

【3】仕上がり
焼き目がついたらタレを絡めて、調理完了。
サンチュと合わせて盛り付けてみると、見た目では通常の焼肉となんら変わりなく仕上がりました。

いざ、実食。代替肉だと気づかれるのか…

今回は2名の方にご協力いただき、代替肉であることは伏せて食べていただきました。
食べた感想は下記の通りです。

【1】Aさん(女性)

【2】Bさん（男性）

最後に、これらの焼肉が普通の牛肉であると思ったかについて伺うと、両者ともに「牛肉だと思った。」と迷わずに回答。その後、プラントベースの代替肉であることを伝えると、「全くわからなかった。」「普通においしかったので、疑いもなく食べていた。すごい。」と驚きをみせていました。

以上を踏まえ、今回の検証からは、

“進化する代替肉は実際おいしいのか” ➡ “（多少の物足りなさは残るも）おいしい”
“何も伝えず食卓に上げたら代替肉だと気づかれないのか” ➡ ”全く気付かれない“

という結果に至りました。
※本記事記載の内容は個人の感想によるものです。感じ方には個人差がございます。何卒ご了承ください。

まとめ

食の均衡や環境保全等の観点からプラントベース食品には今後ますます注目が集まり、市場の拡大とともに進化を遂げていきます。
現況、飲食店舗での導入は少なく、スーパーでも販売が開始されたばかりですが、代替肉はいずれ動物性の食肉と同等に扱われるようになると予測されます。
当たり前のようにスーパーの精肉売り場で購入され、当たり前のように食卓に並ぶ日も近いといえます。
ぜひみなさんも一度手に取って、味を確かめてみてください。

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