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焼き鳥屋を開業する前に考えるべきこと

焼き鳥屋を開業する前に考えるべきこと

焼き鳥屋開業のメリット

サラリーマンの生活は毎月きちんとお給料がもらえるので楽といえば楽ですが、朝夕の通勤に時間を取られる、機嫌の悪い上司の顔色をうかがって仕事をしなければならない、自分の夢を実現する時間がないといったデメリットも多々あります。

自由に自己表現をしてみたい、一度しかない人生を思い切り生きてみたいというのであれば、独立起業して飲食店を経営するのも悪くありません。ただし、飲食店というのは仕入れの見込みを間違えると食材に大量のムダが出てしまうなどロスも多いものです。

飲食店の中でも比較的ロスが少ないのはラーメン屋や蕎麦屋、うどん屋、あるいはたこ焼き屋などメニューが煩雑にならないタイプのお店です。この点からいえば焼き鳥屋なども初めて飲食店経営をする人にはおすすめです。

薄利多売かブランド鶏か。コンセプトが重要

飲食店の経営というのは難しいもの。せっかく調子よくスタートしても、周囲の競合相手などに対応するために値段を下げ過ぎて採算が合わなくなり結局は閉店を余儀なくされるケースなども少なくありません。ですから開店する前に「どんな客層をターゲットにするのか」「何を売り物にするのか」を明確にしておくことが失敗しないポイントです。

一串200円以下の安い焼き鳥をたくさん売ってドリンク類で利益をふくらませる薄利多売タイプにするか、ブランド鶏を使用して価値観を持たせて客単価を上げるか。どちらを選ぶかは店舗の立地にもよるのです。

原価が安い、調理しやすい、酒の注文が多い、団体客が入る、テイクアウトも見込める

焼き鳥屋の最大のメリットは原材料費が安いということにあります。用意する食材は鶏肉とネギ、調味料などですが、他のレストランのようにさまざまな野菜や肉、鮮魚を取りそろえておく必要がありません。高級感にとらわれずにとにかく多売を目指すのであれば、名古屋コーチンや比内地鶏などといったブランド鶏にこだわらずに普通の安い鶏肉でも十分に集客ができます。

飲食店では通常、メニュー単価の3分の1ぐらいが原材料費となるように価格設定をしていきますが、料理よりも利幅が大きいのがドリンク類です。焼き鳥屋では当然、お客さまは料理の他にドリンクを注文しますので、ここで大きく稼ぐことができます。ドリンク目当てで来るお客さまが増えるように、珍しい銘柄の日本酒や焼酎などをそろえておくのもいいものです。「地元○○でしか手に入らない幻の焼酎入荷!」などといった話題作りも商売を活気づけるには大切な要素なのです。

飲食店を経営するとなると特別な料理の才能がなければ無理というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、焼き肉は基本的には鶏肉を切ってタレなどに付けて焼くだけなのでフレンチレストランなどのように調理過程に手間と時間をかけなくていいのも楽な点のひとつ。味に自信がない人はフランチャイズに加盟することも検討してみるといいでしょう。

従業員を何人か雇う予定があるのなら、テイクアウトのセクションも設置しておくのも売上げを伸ばすコツです。特にオフィス街に近い場所にお店を構える場合には、昼間はなかなか焼き鳥を食べに来てくれないもの。ですから早い時間に焼き鳥弁当などを作っておいて、ランチタイムに売るという方法があります。

必要な資格、費用

焼き鳥屋を開業するには、まず「食品衛生責任者」という資格を取得する必要があります。この資格は開業する店舗に常駐する誰か一人が持っていればいいので、調理師免許を所有している人を雇用する予定であれば経営者が新たにこの資格を取る必要はありません(調理師は食品衛生責任者の試験を免除されます)。
ちなみに飲食店を開業するからといって必ずしも調理師免許のある人を雇う必要はありません。

各都道府県で実施されている講習会を受ければ食品衛生責任者の資格を得ることができます。講習会の受講費用は約1万円、講習期間は1日です。

店舗の収容人員が30名以上の場合には「防火管理者」を選任することも義務付けられています。防火管理者になるためには各地の消防署で実施している講習会を受講します。講習会の費用は3,000円~5,000円です。講習会の日数は甲種防火管理者(延床面積が300平米以上の場合)が2日間、乙種防火管理者(延床面積が300平米未満の場合)が1日です。
これ以外に絶対に必要なのが「食品営業許可申請」。これは店舗が完成する10日ほど前までに行うことになっていますが、内装や厨房設備に不備があるといけないので早めに保健所に相談に行っておくことをおすすめします。
■関連ページ:飲食店開業に必要な資格、申請、届け出は?

焼き鳥屋という性格上、深夜0時以降もお酒を提供したほうが収益が上がりますが、この場合は営業開始の10日前までに管轄の警察署に「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を提出しておくのを忘れないようにしたいものです。

焼き鳥屋に要する費用はお店の規模やコンセプトによっても大きく変わってきますが、600万円から1,000万円がだいたいの目安です。焼き鳥屋は内装にあまりお金をかける必要がないというのが大きなメリットですが、換気のしっかりした厨房設備を整えることは必須です。

居抜き物件であれば大まかな枠組みはできていますので内装費・設備費をかなり節約することができます。逆に新しいスケルトン物件を借りてしまうと電気工事や水道工事も一から行わなければならないので、かなりのお金がかかることを覚悟しなければなりません。この他に物件取得費(礼金・敷金・不動産会社ノ手数料・保証金)や什器類、看板、椅子やテーブルなどにお金がかかります。
■関連ページ:居抜き物件とは?知っておくべき問題点と予防策

物件選びで気を付けること

焼き鳥屋で成功できるかどうかは立地の良し悪しにも大きく関わってきます。基本的には人通りの多い繁華街や飲み屋が軒を連ねている小路などが理想的ですが、こういう条件の店舗は当然ながら家賃も高くなります。
最初にいくらぐらいの売上げが得られるかをシミュレーションしてみて、いくらまでなら家賃を払えるかを逆算してみるのもいいアイディアです。

焼き鳥屋の経営を成り立たせていくために必要な月の売上高は坪あたり15万円です。ですから20坪の店舗を借りれば300万円の売上げが必要です。食材の原料費が約100万円、さらに水道光熱費や人件費などを引いていくと、家賃に払える上限はだいたい月の売上げの10%以内ということになります。

繁華街で格好の物件が見つからない、あるいは家賃が高過ぎて払えないような場合には郊外の物件を探すことも考えられます。近くに住宅街があって夜遅くのお客さまが見込めるようであれば、それはそれで安定した収入につながります。回転率が繁華街より落ちる分、クオリティを上げて安い焼き鳥屋では食べられないような豪華なメニューや珍しい料理をそろえるのも一案です。ただしこの場合には内装に凝ったり腕のいい調理師を雇ったりしなければなりませんので、そういった意味での経費がかかります。

換気ができるダクトか

焼き鳥屋に行って気になるのは何といってもあの煙です。食べているときはおいしいけれど、髪の毛や服が臭くなるので焼き鳥屋は敬遠する女子もたくさんいますから、換気には細心の注意を払いましょう。居抜き物件は最初から換気装置が付いているのでそのまま使用すれば安上がりだと思うかもしれませんが、古いものだと効率よく煙を排出することができず、店内が煙で充満してしまうことにもなりかねません。内部のススや油汚れ、ホコリなども徹底的に洗浄しておきましょう。ですから開店する前に煙の流れなどをよく確認しておくことが大切です。
■関連ページ:物件を探す方法とお店の立地条件の確認
■関連ページ:商圏分析とは?出店の成功に欠かせないマーケティング方法について

重飲食可の居抜き物件


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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