開業時に受けられる支援制度|クリニックや飲食店など業種別に紹介
事業を継続する上で、もっとも大きなポイントになるのが資金です。
とくに、開業1年目は大きな設備投資が必要になるほか、ビジネスが軌道に乗るまでキャッシュフローが安定せず資金不足に陥る可能性もあるでしょう。
こうした事態を避けるためには、事業を早期黒字化するだけでなく、国や自治体からのサポートを受けるのがおすすめです。
そこで今回は、開業時に利用したい補助金・助成金制度についてご紹介します。
開業時に受けられる支援制度
開業後の資金を安定させたいとき、ぜひ利用したいのが支援制度です。なかでも補助金と助成金は原則返済が不要――つまり、国からもらえるお金です。
活用することで経営を安定させている企業も少なくありません。後払いとなるため一時的な出費はありますが、承認されれば大きな資金調達となるでしょう。
これから事業を起こそうというタイミングであれば、日本政策金融公庫が行っている融資制度などと合わせて利用することで、少ない自己資金でも開業ができます。
以下から、ぜひ利用したい開業の支援制度について解説します。
補助金制度の種類
補助金制度とは、「日本の経済活動を明るく前向きに進める行為」に対して国(主に経済産業省)や地方公共団体が交付するお金です。
要件を満たした上で申請を行い、審査の通過、事後の検査をパスすることで受け取れます。なお、補助を受けられるのは事業の全部、または一部の費用です。
補助金制度には政策ごとにさまざまなジャンルがあり、目的・趣旨が異なります。以下は、開業時に申請できる代表的な補助金制度です。
<補助金制度の種類>
地域創造的起業補助金(創業補助金)
小規模事業者持続化補助金
地域創造的起業補助金(創業補助金)
地域創造的起業補助金は、新規創業者を対象に開業時でかかる費用の一部を補助してくれる制度です。
補助金額は外部資金調達がある場合で最大200万円。なお、補助されるのは経費の1/2です。
補助対象となる経費は賃借料や設備費、人件費、広告費、旅費など。事業遂行のために必要であると特定されており、かつ金額・支払いが証拠書類などによって確認できるものに限ります。
消耗品費や水道光熱費、通信費、接待交際費などは認められません。
申請期間は毎年春頃。対象者は、制度の募集日以降に創業する者で、産業競争力強化法に基づく認定市区町村で開業(予定も含む)し、1名以上の雇用を行う企業、もしくは個人事業主です。
小規模事業者持続化補助金
商工会・商工会議所の支援を受けながら、経営計画・実施するに当たってかかる経費の一部を補助してくれる補助金です。
対象経費の2/3以内の補助が受けられます。限度額は個人事業主で50万円、複数事業者連系の共同事業は100~500万円です。
補助金が受けられることに加え、販路拡大の方法などを商工会・商工会議所から指導してもらえるのは大きなメリット。
はじめてその地域・業種で事業をはじめる人にとっては、大変ありがたい制度です。
ものづくり補助金
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金)は、新規事業に向けたサービス・試作品開発、生産プロセス改善にかかる費用の2/3を補助してくれる制度です。
一般型(最大1,000万円)、小規模型(最大500万円)、高度生産工場型(最大3,000万円)の類型があり、それぞれ補助対象経費が異なります。
なお、補助支給の可否や補助金額は、事前審査と事後検査の結果によって変わります。
また、年度ごとに異なる公募要領が発表されるため、詳細についてはその時々で確認する必要があります。
全体のスケジュールを把握しつつ、そのタイミングにあった申請事業の計画を立て、必要な書類作りと対応を行いましょう。
助成金制度の種類
助成金制度とは、国(主に厚生労働省)が「社会的に困っている人をサポートしたり、従業員が働きやすい環境を整備したりする行為」に対して支給する公的資金です。
補助金と異なり、一定の要件を満たしていれば支給されやすいのが特徴。ただし、その分金額は少額です。
助成金制度の多くは雇用関係となっていますので、スタッフを雇い入れる前などにチェックをするのがおすすめです。
<助成金制度の種類>
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金
6カ月以上雇用し続けた契約社員やパート社員の正社員登用を促進する制度です。
合計で1年の雇用継続により、一人あたり60万円の助成金が支給されます(大企業は45万円)。
なお、正社員登用だけでなく、職業訓練や賃金規定改定など、いくつかのコースも用意されており、助成金の額も異なります。
支給を受けるためには事業主が「支給対象事業主」になる必要があります。
条件にはキャリアアップ管理者の設置やキャリアアップ計画の作成・実施、所轄労働局からの受給資格認定などがあり、事前の準備が必要です。
助成金を受け取るまでに1年近く必要となるため、計画的に進めていく必要があります。
【業種別】の開業で受けられる支援制度
開業時に受けられる支援制度にはいくつもの種類があります。ほとんどの業種で適用可能なものもあれば、条件次第で申請が難しいものも存在するので注意しましょう。
以下からは、開業で受けられる支援制度の例をいくつかの業種別にご紹介します。
<開業で受けられる支援制度の例>
クリニックの場合
飲食店の場合
コインランドリーの場合
エステサロンの場合
クリニックの開業で受けられる支援
医療施設が受けられる補助金のひとつに、「医療施設等施設整備費補助金」があります。
目的のひとつとして臨床研修医の研修環境充実があげられており、若手医師のキャリア形成を支援する事業に対して補助がなされます。
例として、「医師が不足する地域における若手医師等のキャリア形成支援設備」については、情報通信機器の場合、1箇所あたり7,714千円の補助が受けられます。
そのほか、以下の補助金・助成金の申請が可能です。
■地域創造的起業補助金(創業補助金)
■小規模事業者持続化補助金
■IT導入補助金
■キャリアアップ助成金
■人材開発支援助成金
■地域雇用開発助成金 など
飲食店の開業で受けられる支援
ものづくり補助金は言葉の響きから製造業のイメージがありますが、飲食店においても地域食材を使った独自メニュー開発などで使用可能です。
補助上限額も700~1,000万と高額なので、ぜひ応募を検討しましょう。そのほか、東京都の場合は飲食店の分煙化をサポートしてくれる「分煙環境整備補助金制度」があり、最大300万円の補助が受けられます。
地域創造的起業補助金(創業補助金)や小規模事業者持続化補助金となどにも申請は可能。
また、スタッフ雇用を支援してくれるキャリアアップ助成金やトライアル雇用奨励金、特定求職者雇用開発助成金もチェックしましょう。
コインランドリーの開業で受けられる支援
ランニングコストの安さが魅力のコインランドリー開業ですが、設備や土地の用意などで多くの初期投資が必要です。
そこでおすすめなのが地域創造的起業補助金(創業補助金)。店舗借入金や設備投資費などの支援として、200万円を上限に助成金が下ります(外部資金調達なしの場合は100万円)。
コインランドリーフランチャイズ経営は1,500~2,000万円の資本が必要とされていますが、そのうちの1割近くを助成金でまかなえるのは大きな魅力です。
そのほか、小規模事業者持続化補助金であれば、看板設置費用やバス広告、チラシ作成費用などの経費を補助してくれます。
エステサロンの開業で受けられる支援
設備投資だけでなく、スタッフの確保が重要となるエステサロン開業の場合は採用系の助成金がおすすめです。
たとえばトライアル雇用助成金を使えば、一人あたり月額最大5万円の助成金が最長3カ月間支給されます。
そのほか、キャリア形成促進助成金や短時間正社員制度導入促進等助成金なども、エステサロンでは使いやすい支援制度です。
なお、一人でも従業員を雇い入れる予定があるのなら、地域創造的起業補助金(創業補助金)も検討しましょう。
人件費だけでなく、設備投資などに関わる補助が受けられます。
まとめ
補助金・助成金は開業時にぜひとも申請しておきたい制度です。
今回ご紹介した以外にも、業種によって受けられる制度がありますので、ぜひ確認してみましょう。
また、制度だけでなく開業サポートを行う会社のサービスを利用するのもおすすめです。
たとえば飲食店の開業サポートを行う「ABC店舗」では、物件探しや融資、開店支援、経営改善の相談などが行われています。
ご自身だけでの開業に不安を覚える方は、ぜひ利用を検討しましょう。
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