第四章
飲食店開業に必要な諸手続きとは

法人で飲食店を開業するために必要な許可申請(税務署への申請)

飲食店を開業するためには、いくつかの許可や届出の申請が必要です。飲食店オーナーであれば誰もが申請しなくてはならない「飲食店営業許可」や「防火対象物使用開始届」のほか、税金関係で税務署への申請なども必要になるでしょう。また、もしも深夜営業を考えているのであれば、事前に警察署への届け出る必要がありますし、スタッフを雇い入れる際には労働保険の手続きなども必要です。

これらの許可申請は、それぞれ対象となる人や申請する場所が異なるのでややこしいですが、一つ一つ自分にとって必要な申請は何かを整理し、オープン前までに滞りなく済ませておきましょう。

ここでは、法人を設立して飲食店を開業する人のために、必要な税務関係の申請についてみていきたいと思います。

個人で飲食店を開業する場合に必要な税務関係の届出は3つある

法人を設立したことを知らせるための届出です。個人事業主と異なり、法人の場合は所轄の税務署・都道府県税事務所・市町村村役場(※東京23区を除く)の3か所に同じものを提出する必要があるので注意しましょう。

申請の必要がある人:法人を設立した人
期限:所轄の税務署の場合設立から2カ月以内、都道府県税事務所と市町村村役場の場合は1カ月以内

会社の売上や経費を税務署へ確定申告する際に「白色申告」と「青色申告」のどちらかを選ぶことができますが、メリットが多いのは断然「青色申告」のほうです。「最大65万円の特別控除」など税制の優遇がうけられ節税になる青色申告承認申請書は、是非提出することをおすすめします。

申請の必要がある人:青色申告を希望している人
期限:青色申告による申告をしようとする年の3月15日まで(1月16日以降に事業を開始した人は事業開始から2カ月以内)

アルバイトや社員など、スタッフに給与を支払う場合に必要になる届出です。提出すると源泉徴収した所得税を納付する用紙が送られてきます。源泉徴収した所得税を納めないとペナルティになってしまいますので、必ず提出しましょう。

申請の必要がある人:給与を支払う事務所等を開設した人
期限:従業員の雇用をしてから1ヶ月以内

そのほか必要に応じて申請したい届出

原則毎月払いとされている源泉税の納付を、年二回にまとめたい場合、税務署に提出する届出です。

期限:特に定められていません。申請があった翌月の給与から適用されます。

高額な機材など数年にわたって少しずつ会社の経費にしていくことを減価償却といいますが、その「減価償却資産」の償却方法を選ぶために提出する届出です。減価償却には、大きく分けて定額法と定率法の2種があり、提出しなければ定率法を選択したものとみなされます。

期限:法人設立第1期の確定申告まで

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棚卸資産とは平たく言うと在庫のことです。店舗では商品等の在庫数を数え税務署に利益額を申告する必要があるため、法人であれば毎月棚卸をおこなわなくてはいけません。この書類は、自分の会社に合った棚卸資産の評価方法を選択することができる届出です。もしも提出しなかった場合、自動的に「最終仕入原価法による原価法」を選択したものとみなされます。
期限:最初の法人税の確定申告の期限まで