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経営する飲食店の物件に住んでもいいの?住居付き店舗のメリットとデメリット

経営する飲食店の物件に住んでもいいの?住居付き店舗のメリットとデメリット

飲食店開業者の中には、物件を探す中で「店舗を住まいと兼用したい」と考える方も中にはいるのではないでしょうか。
しかし、それがなんら問題ない行為であるのかどうかはご自身で判断が付きにくいもの。どのようなメリット・デメリットがあるかを事前に把握しておかなければ、住み始めてから後悔する可能性も高くなります。

そこで、今回は経営する飲食店の物件に住んでもいいのか、住居付き店舗のメリットとデメリット、注意しておくべき問題点について詳しく解説していきます。

経営する飲食店の物件に住んでもいいの?

まずは、タイトルテーマとなっている「経営する飲食店の物件に住んでもいいのか」ということについて。

結論からいいますと、店舗兼住宅の物件であれば住むことができるとされています。

ただし、注意しなければならないのが物件が所在する用途地域

第1種低層住居専用地域

【第1種低層住居専用地域】は低層住宅の良好な住環境を守るため、厳しい制限が設けられており、店舗と住居を兼用する場合にも一定の条件を満たさなければなりません。

【第1種低層住居専用地域の制限】
・基本的に飲食店やその他店舗の建築不可(※コンビニは条件によっては可能)
・兼用住宅は、延べ床面積2分の1以上が住居、且つ店舗・事務所部分の床面積が50㎡以下の場合のみ可能

第2種低層住居専用地域

【第2種低層住居専用地域】は、主に低層住宅の良好な住環境を守るための地域。第1種低層住居専用地域と比較すると制限は厳しくなく、兼用住宅のほか飲食店舗を建築することもできます。条件を満たす兼用住宅であれば飲食店を経営しながら居住することも可能です。

【第2種低層住居専用地域の制限】
・飲食店やその他店舗は、2階以下で延べ床面積150㎡以下である場合に可能
・兼用住宅は、延べ床面積2分の1以上が住居、且つ店舗・事務所部分の床面積が50㎡以下の場合のみ可能

住居付き店舗のメリット

住居付き店舗のメリットはいくつかありますが、中でも経済面におけるメリットが大きくあげられます。店舗だけでなくご家庭の収支計画も含めて、事前にチェックしておきましょう。

【1】費用を大幅に抑えられる

なんといっても最大のメリットは、家賃の支払いを一つにし、金額を大幅に抑えられること

飲食店開業に必要な資金は大きく分けて4項目ありますが、そのうちの3項目「物件取得費用」「運転資金」「生活費」において費用を削減できます。したがって、開業時(初期投資費用)だけでなく、開業後(ランニングコスト)も通常より少ない金額でまかなうことができることになります。

経営が安定するまでは、毎月の家賃の支払いが大きなダメージとなり、赤字になるケースも少なくありません。しかし、住居付き店舗であれば、かかる家賃は一つになり心配は大きく軽減されます。

【開業にかかる4つの費用】については、
こちらの記事をご参照ください。

【2】通勤がなくなる

少人数で飲食店を運営する場合、営業時間のほか仕込みや片付け、スタッフ管理などで寝る時間が十分に確保できず、休みの日にも店舗に足を運んで仕事をしなければならないケースは少なくありません。そうなると、ストレスがたまるほか、家族との時間が取れずプライベートに支障をきたす可能性が考えられます。

しかし、住居付き店舗であれば通勤時間を削減し、休憩時間も居住スペースで過ごせるためプライベート時間を確保することができます。たとえ1日に要する身支度や通勤の時間が短くとも、毎日のこととなればその時間の価値は大きいもの。加えて、通勤時にかかる交通費をカットできることもメリットの一つとなります。

【3】家庭事情に対応しやすい

小さなお子様や要介護者をもつ経営者であれば、住居付き店舗の方がご家庭の都合がつきやすく、精神的にも安心できるのではないでしょうか。
例えば、お子様が小学生の場合、お昼過ぎに帰宅する子供を1人で自宅に放置することは不安です。
しかし、住居付き店舗であればアイドルタイムや営業中の隙間時間に様子を伺い、子供の状態や行動を把握することができます。

住居付き店舗のデメリット

住居付き店舗を借りるということは、職場と自宅を同じ場所にするということ。
ご自身の精神面やご近所付き合いなどプライベートに影響を及ぼす可能性も考えられます。メリットだけでなくデメリットも踏まえた上で、後悔のない選択をしていきましょう。

【1】プライベートとの区別がつきづらい

店舗スペースと居住スペースが分かれているといっても同一場所であることから、仕事とプライベートの切り替えが難しいほか、ご家族にとって負担となる可能性も含んでいます

例えば、1階で飲食店を経営し2階に居住している場合において、夜間に顧客が賑っているとします。その場合、夜遅い時間に2階でくつろいでいるご家族にとっては顧客の声が煩わしい騒音に感じることもある思います。

また、店舗兼住宅の場合はご近所さんとの付き合いもとても重要です。
店舗の営業を兼ねていることにより、いち住人としてだけでなく、お店の人としての評価も含めて総合的に判断される為です。
住人としての悪い噂が広まればお店の評判が悪くなってしまったり、お店でトラブルが発生すれば引っ越しをせざるを得なくなったり。逆に、良好な関係を築いていればお店の常連さんとなって顧客を呼び込んでくれたり、お子様の面倒を見てくれたり。
近隣との付き合い方次第で公私ともに良い方向にも悪い方向にもなり得るということを忘れてはいけません

【2】店舗のニオイ・衛生環境が居住空間にも影響する

飲食店を経営するにあたっては、害虫や害獣のトラブルも頭に入れておく必要があります。
食品を扱うには生ゴミの発生は避けられません。ゴミ回収までの保管方法によっては、廃棄した大量の生ゴミのニオイが2階の住居スペースにまで至ることもあります。そうしたニオイは、ゴキブリやネズミといった害虫・害獣の発生するリスクも高めてしまうので、ゴミの保管や店舗の清掃を徹底して行うことが必須といえます。

自宅を勝手に事務所利用するのはNG!

自宅を勝手に事務所利用することに問題があると認識していない方が意外にも多くいらっしゃいます。

支払う税金が異なる

住居用と事務所用とでは、それぞれ登記してある物件の種類が違うので固定資産税が異なります。
さらに、物件を契約する際に賃借人が支払う費用についても、住居用物件の賃料は非課税ですが、事務所用物件の賃料は課税されるといった違いがあります。(※賃料に消費税はかからないのが一般的だと思われていますが、住宅利用の場合が特別に非課税になっているだけです。)

住居用物件を事務所として使う場合、住居用から事務所用へと登記を変更する必要があります。しかし、登記の変更には時間も費用もかかる為、物件オーナーが変更申請を拒否するか賃借人が費用を負担するのが通例となっており実際には難しいといえます。したがって、最初の段階で事業契約を結んで事業用物件へ入居する方法が望ましいでしょう。

郵便物から事務所利用はバレる

ここまでの話で、「勝手に事務所として使っていても分からないんじゃないか」と考える方もいるでしょう。

しかし、郵便物やホームページ、表札などで、賃借人が事務所として利用しているかどうかを確認することは容易です。事前に申請せずに契約形態を変更することは契約違反となり、退去を命じられるケースもあります。十分に注意しておいてください。

昨今では事務所利用が可能なマンションもありますが、物件の数としては少なく、基本的に住宅専用のマンションを事務所利用するのはルール違反です。事務所として利用することを考えている場合には、物件オーナーまたは管理会社に事務所利用可能かを入居前に確認しておきましょう。

まとめ

条件を満たすことで、経営する店舗と住居を同じにすることは可能です。
しかし、ご家族との生活やご自身の働き方にも大きく関わる部分なので、メリット・デメリットを踏まえてどのように経営していくべきか総合的に判断していきましょう。

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こちらの記事もぜひご参照ください。


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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